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なんだかんだいって恩田陸に落ち着く ー新作を必ずチェックしている作家さん
おはようございます。こんにちは。こんばんは。小萩うみです。
毎週日曜日は「電子書房うみのふね」を開いて、好きな本だとかおすすめの本だとかを紹介しております。ネットの海をぷかぷか泳いで、今日はこちらの岸に辿り着きました。八月に入りましたね。いよいよ本格的な夏が始まりそうです。
ここ最近は「30day小説challenge」と称されたお題をお借りして、各お題に沿ってやっております。
4回目の今日は「新作を必ずチェックしている作家さん」です。
既にタイトルでオチがついているんですけれども。でも、最近、「必ず」新作をチェックしてる方って、なかなかおられないんですよね。作家読みといえば(?)世間に毎回ムーブメントを起こす村上春樹、最近新作短編集が出て界隈は盛り上がっておりますが、彼の作品もそんなに触れているわけではなく、今のところ手を出しておりません。いずれがっつりと作家読みしたいとは思っているのですが……。
学生の頃、窪美澄にはまった時には出るたびにきちんと読んでいたりしてたんですが、最近はそこまでの熱意はなく。今は小川洋子が自分の中でブームがきているので過去作品を読み漁っていて、今新作が来たら間違いなく買ってるしそれこそ追いたいと思っているものの、一時的なものかもしれない。
その中で比較的必ずチェックしているといえるのが、なんだかんだ恩田陸になるかもしれません。
凄まじい勢いで文章を量産されているので追うのもちょっと大変ですが、本屋で新しい表紙が並んでいるとつい手にとってしまう。ジャンルが多種多様で当たり外れのムラが激しいので出るものすべて手放しに褒められるわけじゃないんだけど、当たった時のストレートに突き刺さってくる。蜜蜂と遠雷はもはや言うまでもなく凄まじい作品ですが、チョコレートコスモスだとかも含めてああいった、ひとつのことに狂おしいまでに集中している人々の話の濃密さに対面すると言葉を失って没頭してしまう。小夜子をはじめミステリーものも、がちっとはまると他を寄せ付けない面白さに魅了されてしまう。
最近良い本たくさん読んでるので若干揺れている部分はありますが、私の一番好きな本として玉座に君臨し続けているのが恩田陸のネバーランドなので、やっぱり、うん、好きなんですよね。
そんな恩田陸の最新作は、今年の2月に出た「ドミノin上海」。
私、ドミノ信者です。
なので、これが出ると聞いてめちゃくちゃ楽しみにしていて、発売翌日を休みにして、仕事終わりに本屋に走って、夜通し読んでいたのをよく覚えています。
元祖ドミノもそうなんですが、日本人観光客にマフィア、占い師、映画監督、果てはイグアナそしてもちろん中国といえばパンダまで、一冊で30名近くの多大なキャラクターが登場するにもかかわらずそれぞれのキャラや立ち位置がはっきりと決まっており引き立っているので混乱することなく読めてしまいます。分散しているそれぞれのストーリーが折り重なって、軽快な文章表現で彩られて、ドミノ倒しのように一気に突っ走っていく、まさにエンターテイメント。物語っておもしろー!と単純にわくわくしちゃう本です。そう、楽しいんですよね。500ページ以上のボリューム。素敵。
なぜ文章でこんなアクロバティックなサーカスみたいな芸当ができるのか、恩田陸やはり天才のストーリーテラーだ、と再確認した私でした(偉そうに)。
元祖のドミノもはちゃめちゃに面白いエンタメ小説なので未読の方でエンタメ好き・エンタメに飢えてる方はぜひ!恩田陸の天才っぷりを土砂降りのごとく浴びてください。
そんな恩田陸ですが、ちょうど8/5に新刊が出るそうです。なんだかんだ楽しみにしていて、ああ、必ずとはいわずとも、新刊が出たらチェックする作家は、恩田陸になるんだなあとしみじみ考える今日この頃です。
そういうわけで、今日はこのくらいで。
来週は何事もなければ「読むとお腹のすく作品」を紹介します。ご縁があれば読んでやってください。
ではでは、また来週、どこかの海岸線でお会いしましょう。
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