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小萩うみ / 海
2020年7月11日 23:01
彼女は乾いた匂いの立つ草原に座り、夜空を見ていた。星の敷き詰められた空だった。天の河は本当に河のように星がゆっくりと流れていて、満天の星空には瞼がまたたくたびにいくつもの流星がちらつき、白であったり、青であったり、赤であったり、はたまた虹色であったり、様々な色を発している。輝いては、さっと、消えていく。あっけなく跡形もなく消えていく。零れおちてきそうなほどたくさんの星に満たされていながら、不