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ベルリン舞台レポート vol.6 日本との比較
まずはベルリンあるある。ベルリンに来たのは2回目だったのですが、こんなだったっけなと。
https://www.instagram.com/reel/CcBp5zcFxG9/?igshid=YmMyMTA2M2Y=
映像を見ていただくとわかるのですが、こんな信号が至る所に。
そしてこれもドイツあるある。レストランや公共のトイレはこんなのばっかり。
子供はどうやって用を足すんですか?
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意外だったのは街中で桜の木をいくつも見ることができました! ちょうど日本の桜が満開の時にドイツに来たので桜が見頃な頃に日本にいられないのは残念だったのですが少しだけ味わうことができました!
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そして今回コロナ禍での渡航ということで現地情報。
マスクはFFP2という一定の基準をクリアしたマスクの着用が義務付けられていました。
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ですが規制がどんどんと撤廃されている状況もあり、外でつけている人はほとんどいません。レストラン入店時には着用しなくてはいけないのですが、席についた途端みなさん外すので、もはやただのパフォーマンス状態。
しかもこのマスクのゴム紐が短いのに加えめっちゃ固めなので、私より大きい人が多いヨーロッパでなんでこのサイズなんだろうと不思議に思います。長時間つけていると本当に耳がもげそう。
しかも公演の始まる前日4月1日からはマスク着用義務も撤廃され、多くの方は公共の場でもしなくなっていました。ただ劇場内では公演中もマスクの着用を義務付けていました。
日本帰国に際して
私がドイツへ入国する際(3月23日時点)にはワクチン摂取証明書だけでOKでした。日本に帰国する際(4月6日時点)は搭乗72時間前の陰性証明がないと搭乗させてもらえません。
入国後もPCR検査を受けるのと、SOSアプリのダウンロードや誓約書への同意なども必須です。
帰国前に外務省や厚労省が出している様々な情報を見たのですが、微妙に書き方に相違があり解りづらく、ホテルでの隔離をするのかしないのかが、空港に着くまで確証もてませんでした。
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ワクチン摂取2回はどこに属するかわかりますか? 今回私が空港に着いた際2回の場合は証明書なしに分類されました。政府はどうしても3回打たせたいのでしょうか。指定国・地域も日々更新され、ドイツ渡航前に見たときはまだ指定国に入っていましたが、帰国前には指定国からはずれていたので自宅待機となりました。
渡航情報は随時更新されるのでご確認されることをお勧めします。
今回のベルリン公演で一番驚いたこと。
なんだと思います?
❶ 舞台に関わる人数
❷ ステージの広さ
❸ チケットの値段
それはチケットの値段です。7時間の長編舞台ですし、招待する主催者側も相当なコストがかかります。2019年のモスクワ公演の時には2万円を超えていたとか。(私は2万円も払って見にいけない!)
2020年オリンピック直前に渋谷Bunkamuraで公演予定だった際も1万円越えの予定でした(Bunkamuraのご好意で学生割も設定予定でした)。そうすると経済的にゆとりがある人しか見られなくなってしまいます。
しかしベルリンでは27ユーロ(3700円)から。さらに学生割も。これなら色んな人が見られらますよね。これは国が文化や芸術に対してバックアップしているからなんです。そして国民の多くが文化や芸術を楽しむことを豊かさの一つだと認識していること。
日本でももちろん文化や芸術を愛している方は多いです。その反面、相応の対価が支払わなかったり、安く見られる風潮も。もしくは評価の高いものは高額すぎたり。表現する側も文化や芸術だけでは生活が苦しい人も多くいらっしゃいます。
ヨーロッパに行くと感じるのは文化や芸術がすごく身近に溢れているところ。お金になるかならないかの判断はもちろんありますが、それでも文化や芸術に対してリスペクトがあり、対価を払うことに抵抗がないんですね。しかも国がバックアップしているのでリーズナブルに様々な文化芸術に触れることができます。
ご存知の方も多いと思いますが現在の日本の残念なところは対価を払うことを当然と思っている方が少ないところでしょうか。これは私自身にも言えるのですが、TVが無料だったり、現在ではYouTubeが無料で視聴できたりもするので無料に慣れてしまっているのも原因でしょうか。情報に対してもそういったところがあるような気がします。無料なのが悪いわけではなく、使い捨て文化というかインスタントで安直な消費が蔓延している要因にも思えます。タダだから簡単に批判し、批判しても悪気もなくリスペクトも欠けてしまう。
古いものの価値を見失ってしまった方も多いと感じます(去年自転車で日本を一周して価値あるものがどんどん失われているのを目の当たりに)。来日する欧米人の方が日本の古いものや伝統に興味を示してくれ、リスペクトしてくれているのに、当の日本人がその価値を見誤ってしまっているのは残念だなぁと。
それは考え方にも現れていて、色々なものの価値が経済性、効率性、生産性、時間的束縛によって測られることが多いように感じます。仕事の評価や子供の教育にもそれが現れていて受験やテストの評価に主軸が置かれています。
いま教育現場でも変わろうとしているんですよね。大人自身がそういった広い価値観で自分たち、日本という国、世界を眺めることはすごく重要なことだと思います。
とはいえ素晴らしい人たちは本当に多くいる(これも自転車日本一周でたくさん出会いました)ので、そういう方々にアンテナを向けていきたいです!
さて、ようやく本当にwithコロナの時代に入っていきそうなので、舞台もまた順次再開されることと思います。次回の予定は8月のモントリオール。9月のケベック。
舞台の仕事もしつつ、世界が高く評価してくれている日本が本来持っている素晴らしい文化や精神性をもう一度自分たち自身で見直し、世界の見本となれる国であるというのを知ってもらうため、講演やお話会、農業のエンタメ化などで平和と環境保護に繋がるような活動をしていきたいです。
これにてベルリン公演レポートは終わりとなります。
Danke schön!! (ダンケシューン!) ドイツ語でありがとうという意味で一番よく使われます。
今回全然ドイツ語覚えなかったw
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