フィクションをフィクションとして楽しもう
今の商業漫画家ってとてもやりづらいだろうな〜と思う。
人気が波状に広がりやすいのに比例して、キャラの言動や展開に対する批判や不満も伝播しやすい。SNSやWebサイトでの公式コメント欄は作品公開と同時に感想で埋め尽くされる。
そんな中で「自分の作品は自分で作る、自分の感性が正しい」というような強靭なメンタルを保てる作家はどれだけいるのだろう。
また、インターネットでリアルタイムで感想が飛び交う昨今、作品をよく吟味してそれを発信している人はどれだけいるのかと疑問に思う。漫画に限らず、世の中にある数多くのエンタメ作品は莫大な時間と労力をかけてこの世に生み出されているはずで、私たちはそれを享受してるに過ぎない。表現者の苦労を考慮して作品を見る必要はもちろんないが、ストーリーやキャラ設定への苦言を目にした時にこう思う。
「これはフィクションだけど??」
過激な批判が多くの共感を生みやすいのはもちろんだが、フィクションをフィクションとして受け入れられない人があまりにも多いと思う。
私もそうなりかけてたから身をもって分かる。
ドラえもんは実在しない!ロボットがどら焼きを嗜好品として好む味覚器官を有するように21世紀の技術発展は追いついていない!などと批判する人はいないだろう。
しかし、令和のオタクたちはフィクションにリアリティを求める傾向にある。だから簡単に作品、キャラクター、ひいては作者の人格までを批判する声が大きくなるし、それによって作品の本筋が変わってしまう事例をいくつも見てきた。
商業作品は消費者の声を反映してなんぼだと思う。しかし、消費者側にもある程度のリテラシーが必要なのでは?
フィクションをフィクションで楽しむ
そんな心の余裕を取り戻したいと自分自身に言い聞かせる。
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