見出し画像

オセロ世界選手権2024観戦記(Day1午前)

こんにちは、明後日までオセロ世界チャンピオンのうみがめです。
WOC2024 Day1 の観戦記、というか個人的ハイライトを集めました。
Day2 はお友達とオフ会をしながら観戦予定なので、たぶん書かないです。

「黒番プレイヤー - 白番プレイヤー(ラウンド)」形式で書いて、プレイヤー名などは Live Othello の表記に従います。

Lin Pin Hsi - Takanashi Yusuke(1)

レジェンド高梨九段を相手にここまで互角の戦いを繰り広げていた台湾代表 Lin Psi Hsi 選手。
この局面の E2 or E3 は僕も迷うな〜と思いながら見ていたのですが、黒は E2 を選択。これが実質的な敗着となってしまいました。

高梨九段の E1 が妙手!
ちょっと見えにくい手ですが、強引に E3 へのアクセスを作りつつ、黒 E3 なら C2 と打てば将来の F1 の好手が残って十分な形です。
高梨九段の冷静さが光る攻防でした。

TOMITA You - DU Zhouzi(2)

独特な序盤でスタートした試合だったが、両者とも猛スピードで打ち進め、ここまで5分ずつ程度しか消費していない状態。

ここで DU Zhouzi 選手の放った A4 が痛恨の敗着。
こういう形は基本当てたくなるものなので、気持ちはよくわかるのですが、A4 -> A6 -> B3 -> A2 と自然に進めると白の手が詰まってしまいます。
ここは B6 がベター。一見左下に白から打てない5個空きを作ってしまうように見えますが、A4 と連結しているため大きな問題ではありません。B6 -> A4 -> B7 などと進めて、上辺方面に黒の手がない状態を作りたい局面でした。

以降の富田三段の着手は正確無比で、完璧な終盤でした。
富田くんはジュニアのプレイヤーですが、特に終盤の読みの精度については大人顔負けの実力を持っていると感じました。

KURITA Seiya - LI Chun Wan(2)

黒番の栗田八段が実質的な敗着を放ってしまった局面。
自分も見てなかった手順が最善でした。

H6 -> H7 -> B8 が唯一の勝ち筋。
こんな手順を打っているようでは偶数理論で厳しいかと思ったのですが...

  • 白が偶数理論を活かすためには左上の3個あきに打たなくてはいけない

  • B2 から打つと、B2 -> A1 -> A2 と進み黒からホワイトラインを通す手順が発生

  • A2から打つと単純に石数が稼げない

などの理由から偶数理論が効く形になっても白があまり得しないようです。
経験豊富なプレイヤーほど、直感では却下してしまいがちな手順ですね。


KOH Bo Chao Alex - TOMITA You(3)

Alex お得意の序盤からスタートしましたが、富田三段も上手く対応してやや白有利で迎えた図。
ここで富田三段は E8 -> D8 -> H2。
G7 のウイング攻めをケアしてから H2 を取る意図でしたが、黒の不安定な下辺が安定化することの損が大きく、これが実質的な敗着となってしまいました。

最善は単に H2。
将来の G7 のウイング攻めは、G7 -> D8 -> E8 -> H7 の滑り連打狙いがあり、黒も打ちにくい手なので、ケアが不要な形でした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?