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絵画の見方。

美術系の高校に入って、直ぐの夏休み。修学旅行で、イタリアに行った。

1番最初に、レオナルド・ダヴィンチの「最後の晩餐」を見て、(うえ〜っ)と思った。

絵は凄くデカいし、描写とか上手いし、何より存在感があった。

けど、私は分からなかった。

好きとか。嫌い以前に、凄い作品なんだろうなぁとしか思えない。絵の見方を先生達は教えてくれない。圧倒されるしかない受け身の姿勢がなんとも歯痒い。

イタリアの美術館を巡って、ラファエロとかミケランジェロとか、いわゆる西洋の巨匠達の作品を見た。でっかいダヴィデ像も見た。

「美術」ってなんだろう。

高校3年生になって、昔よりは美術が分かってきた気がしたけど、
まだ「美術」は分からなかった。

先生が好きな作家の作品に影響を受けて、いわゆる上手い絵(写実)が好き?になった。


「絵」ってなんなんだろうな。
勉強より楽しそうだから、絵を描く道に進んだのに。


絵のうまさを競いあって、それを評価する先生達に「違和感」を覚えるようになった。

私しか、描けない絵を描きたい。
中学生の時みたいに楽しく描きたい。

とにかく沢山画集を読み漁った。
美術館にも足を運んだ。

そしたら何となく「見えてきた」。

単純に沢山、見た数が増えて「絵」の振り幅がわかって来ると比べる事ができる。

うどんより蕎麦が好き。蕎麦より素麺が好き。素麺よりラーメンが好き。

種類がないと何よりどう好きなのかが分からない。

味が薄めより濃い目が好きだなとか、食の好みは人それぞれで良いはず。

絵も同じなんだなぁって。

食の評論家が、美味しいって3つ星をつけたってさ。

私がそれを美味しいと思うかはまた別の話ってこと。

難しく考えずに、いろいろ見て比べてみて、あっ好き〜〜〜!

ってのが大事なんだなって。

自分で見つけられて、良かったな。

FIN

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