現場を見る

車が故障していた間、迎えに来てもらい朝ごはんを頂く。
ひたすら謝り倒した。
帰ってきてはこの騒動。
「まぁいいからごはん食べなさい」
泣いた。
人って本当に温かい。

さて、私はゆっくり味わうこともさておき、
孤独死が見つかった自宅へ早々に向かった。
鍵が硬く感じた。

開けたら何か出てくるのではないかそんな恐怖を感じながら。
開けたらなんだか複雑な臭いだった。
何の臭いかはわからない。
嗅いだこともない、かといって生ごみとかアンモニア臭とかそういう感じでもない。
これがいわゆる孤独死独特の臭い何だろうか・・・・そう思いながら入った。
すぐに、その現場はわかった。
刑事さんたちが吐瀉物は簡単に拭いてますって言われたが・・・
質の良い洗剤か化合物でも使用してくれたのか・・・
その部分が逆に白くなっていた。
よくわかった。
第一発見者がのぞいた場所、そこから見て足だとわかった場所も確認できた。
自炊をしていたとは聞いていたのでその腐敗も進んでいた。
炊飯器は保温のまま置き去りになっていた。
そう死亡推定の5/1朝は向かいの田んぼの人が朝見かけたという。
朝はごはんを焚き、その後薬までは飲んだのだろう。
人の死はあっけないもんだと思った。

いつか自分の親、自分もこうなるのかもしれないと改めて恐怖を感じた。
今だから、誰かいる。
だけど、数少ない親族の母、叔父の時は私が一人で対応しないといけない。
たたきつけられる現実に押しつぶされそうだった。
誰か頼れる人が居る、それってとても大切なこと。
うちのじいちゃんは、頼れる人は居なかったがよく買い物に出かけていた。
多い日は一日に5回も10回も見たという人もいるくらい。

最近見ないねって言われて見つかったのが11日後。
それでもそんなものなんだ。
誰かと一緒、それって当たり前のようであたりまえでなく、
一人大丈夫って保障もないことも知った。

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