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夫のヘルペスウイルスで息子が水ぼうそうになったお話

昨年出産した男の子(頭の形がまさにソラマメなのでマメと呼ぶ)が、ようやく2歳になった。
ほんの少し余裕ができたと感じる時間も増えてきたので、どんどん忘れていく今日までの日々の出来事を書きたいと思う。

とにかく初めて知ることが多かった子育て。
戸惑うことの連続だったが、中でも大人のヘルペスが乳児に水ぼうそうとしてうつる、ということを知らず、平凡なウイルスだと思っていたヘルペスウイルスが結構いろんな病気に関わっていることを初めて知った。

事の発端は夫の風邪。39度近くの高熱が出て免疫力が低下したことで口唇ヘルペスができた。しかもそのヘルペスが鼻の穴から唇にかけて出現しており、鼻クソと勘違いしてしまった夫はヘルペスを引っ掻きまくって症状が悪化。鼻中にブクブクとした水ぶくれを作りながら、熱でウンウン唸っているという惨憺たる有り様だった。

子どもが産まれる前の私ならせっせと手厚く看病しただろう。でもその時の私は、6ヶ月の息子に夫の風邪がうつったらどうしようとそればかり気にしていた。
隔離した部屋で夫に寝てもらい、食べるとき以外はマスクの装着を命じる。なんで風邪なんて引くのようつったらどうするのよと取り留めのない不安すらつぶつぶとぶつけてしまい、今から思えば随分とかわいそうなことをした。

でも何より大事なのは夫の風邪を食い止め、息子が保育園を休まずに元気に過ごすこと。これに尽きるのだ。

熱が出ると息子は、真っ赤な顔をして涙目でこちらを見つめる。抱っこ抱っこ抱っこと抱っこのオニになる。抱っこしないと泣きわめいてもっと真っ赤になる。それは見るに堪えない。発育のいい息子は重く、腕も腰もすぐに限界になる。にっちもさっちもいかない。それをどうしても回避したかった。

しかし。夫の風邪はいとも簡単に息子にうつってしまった。マメはコンコンと咳をし、常に鼻水を流している。熱もありそうだ。

ガックリと肩を落とす私。しかし落ち込んでいても仕方がないのでこどもクリニックに行った。

責任を感じた夫も一緒に病院に行ってくれたのが今から思えば不幸中の幸いであった。
「風邪はまあ・・・そんなにひどくないから咳のお薬だしておくくらいだけど。ところでお父さん、もしかして口唇ヘルペス??何日前から??」
と急に夫に聞く先生。
「赤ちゃんにとって、ヘルペスウイルスは結構鬼門なんですよ。お父さんのヘルペスウイルスが単純型なのか帯状疱疹型なのかでこどもに出る症状が違うんだけどね」と。

ここで初めてヘルペスウイルスが赤ちゃんにうつること、そしてうつると結構大変なことを知った。
ヘルペスは初めて感染したときの症状と2回目以降の症状が違う。

【単純ヘルペスウイルス1型】
初感染・・・歯肉炎、角膜炎、咽頭炎、小児の脳炎
二回目以降・・・口唇ヘルペス

【帯状疱疹ウイルス】
初感染・・・水痘
二回目以降・・・帯状疱疹

夫のヘルペスは鼻から口びるにかけてできていたので、
先生は「多分単純型だから、、、うつっていたらちょっと大変かもしれない。口の中が歯茎とかまでぶつぶつになってミルクを飲まなくなるし、機嫌もすごく悪くなる。ひどければ入院しなきゃいけないこともあるから、気になる症状がでたらすぐにきて」と実に恐ろしいことをおっしゃった。

ど、どうしよう…!風邪どころの騒ぎじゃないじゃないかぁぁぁぁ!!!!


あまりのショックに呆然となり、しばらく夫と口をきけなくなった。そしてヘルペスについて検索しまくる。

罹患するとやはりかなりツラそうである、ということだけがわかった。もはや、大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫・・・と根拠のない念仏を心で唱えていないと何も手につかない。

そして病院へ行った日の数日後。
一緒にお風呂に入っていたマメの首の付け根にちいさな水疱を発見する。
「あれ・・・?こんなのあったかな・・・。これはなんだろう」
息子にうつっているなら単純ヘルペスウイルスで、だから口の中も歯茎もぶつぶつに・・・と思いこんでいた私は、その時すぐにこれが水痘、つまり水ぼうそうだと気づけなかった。

でも見たことのないこの水疱がどうしても気になり、翌日病院へ。
見事に水ぼうそうだった。

水ぼうそうって、体中に赤いぶつぶつができ、これぞ水ぼうそうだと言わんばかりの症状がでるものだとばかり思ってた私は、マメにできたちいさな水ぶくれただ一つを見つめ、静かに驚いていた。
「もう少し増えると思いますが、10つぶまでだと思います」と先生。
乳児が罹患した場合は、そんなにひどくならないケースがあるんだとか。
「お父さんは帯状疱疹型だったのね~。まあでも単純型だと本当に大変だから、今回の場合においてはよかったのかもね」と言われた。
確かに、息子の水ぼうそうはその後、腕や足に計6つぶの水疱ができただけで、熱もさほど出ず、機嫌もほぼいつも通りであっけなく終了した。

ミルクも飲めないほど口の中が痛くなり泣き続けられるよりは随分よかったな、と思っていたのだが、ちょうどその頃、私の友人が末梢性顔面神経麻痺になり、その原因が帯状疱疹型のヘルペスウイルスだと聞いてびっくりした。

またヘルペスウイルスなのか!

しかも帯状疱疹型なのか!!

友人はすぐに病院に行き(とにかく早く対処することが大切だという)、なんとか薬で治癒したが、マメのどこかに潜み続ける帯状疱疹型のヘルペスがいつか悪さしたらどうしよう…とまた新たな心配が発生した。みんな持っているウイルスだからと病院では言われるが、なんて厄介なやつなんだ…。

ちなみに、この水ぼうそうは生後6か月の時に罹患したが、免疫がつくほど症状が強く出なかったので、1歳になったら水ぼうそうの予防接種は受けてくださいね、と言われた。

#子育て #育児 #ヘルペス #水ぼうそう

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