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自由に捕らわれる。感想文①

ネタバレ有

未所持の方は見ないことを推奨、もしくは見て買うことを推奨


自分語り

フォロワーの方でも知らなかった人は少なくないかと思いますが、自分はカンザキイオリ(アーティスト)が好きです。
小学生高学年の頃からずっと聞いていました。今も聞いています。無敵になれる気がして好きです。
カンザキイオリさんはエゴサをするので、自分の気持ちの悪い書き込みを見て怖くなるのではないかと思い、何かと感想を言うのは控えていました。
ただ、自由に捕らわれる。については発言したいと、こうして感想を書き起こさなければ後悔すると思いました。

今まで、どんなバカげた感想でも見返せば笑えることに気づいたのもありますが、あの日一人で何もできない正真正銘の子供だった自分が去年ようやく成人と呼ばれる歳になって、今年仕事も始めて。そんな今、カンザキイオリに出会った頃の自分が何を考えて何をしていたのか、なにも思い出せなくなってしまったことに気付きました。
確かに辛くて、周りが羨ましくて憎らしくて、暗い感情はトラウマという形で覚えています。ただ、年相応の「これが楽しかった」「こう言われて嬉しかった」「この本のこの一文に心を揺さぶられた」など、自分は何も覚えていません。

いつ何時も、今だから言葉にできる言葉があるということに、成人と呼ばれる歳になって、やっと気付きました。

また、これから書かれる言葉全ては自分自身の感想でしかない事をご留意ください。

ついで:少年少女について

別れなど、少年少女に恐れ無し。良かったです。だいぶ後ろのスタンディング席で最初から最後までボロボロ泣きました。世界で一番物販のタオルを濡らした人間だと自負しています。結局死ぬってなんなんだ、本当にありがとうございます。やってくれて。あのイントロ聞いた途端涙腺が壊れちゃいました。EPもやばかったです。君の肺には宇宙が広がっている、好きすぎます。人間じゃない癖に、空白とか哀伝ティティとか初期曲のエッセンスを感じて、とても、とても。カンザキさんの声は全部同じ声帯から出ているんですよね。すごい。
生でライブ見れて、幸せすぎて夜行バスで少し解脱しました。

あと、日々。もよかったです。もっとカバーやってください。セルフカバーもやってください。声が好きです。好き勝手やってください。アコースティック編成好きなんです。ずっと好きです。

自由に捕らわれる。EP

多分自分は元々、設計段階で小説を読む機能は無かったんでしょうね。
まずはEP聞いて、失礼なことに小説は読む気がなかったです。でもEPを聞いて、この曲のモデルになった、もしくはこの曲がモデルになっている小説がとても気になりました。

あんたは死んだ


最初に’’あんたは死んだ’’が入っているのが大きくて、これが小説になんて絶対面白いと思いました。’’ダイヤモンド’’なんかに通ずる所があり。面白いのが、’’ダイヤモンド’’では親愛が強く表れた曲だと。友愛以上ではあるが、それはloveではなくlikeの愛であると。そう自分は解釈していましたが、’’あんたは死んだ’’では親愛や性愛や盲信や、あらゆる愛を今は亡き「あんた」へ示した曲だと一目聞いて感じました。それに紐づく歌唱力も表現力も編成も小節全部、これこそ27歳のカンザキイオリだと。つい後方彼氏面をしました。

スーツ

ああ!無敵だ!ここ最近で一番元気が出る曲です。誰も止められねえぞ!やってやれ!
いやあ!痺れますね。今自分が打ち込んでいるのはまじめな文章だというのに感嘆詞、符を使ってしまうくらい。空気感としては’’成長痛’’とか’’君の肺には宇宙が広がっている’’みたいな感じですかね。人間の根本的な煩悩を肯定する曲。下の方で沈んでたら急に野球場のライトみたいな輝きで神様が降りてきて神パワーで無理矢理ブチアゲられてるみたいな暴力的な曲調の明るさにこの煩悩マシマシ性欲カラメの家系躁曲。たまりませんね。文章でもバレるくらいの早口になってしまう。すごくコールを入れたい。本当に最高のスターだ。

ガラスペン

おしゃれ。いい匂いする。カンザキイオリから出る音が多くてすごく嬉しい。曲だけなのになんとなく生活が伺える場面の表現。曲中では一切部屋の外には出ていないというのに、まるで世界を、人という形も保たず頭の中という世界を浮遊しているような、なぜか猛烈な解放感がある不思議な曲。なぜか、なぜかと言うと、「ガラスペンを買っただけ」。だが結局人以外の形には固定できず書き出すインクにふと人の形を思い出し、ふわりと着地してまた日々を描く。ようなイメージ。おしゃれ。いい匂いする。

カーテン

すみません。この曲、最初薄味で素材の味を楽しむタイプかと思ってました。「裏声がきれいだなあ」「聞きながら寝たらいい夢見れそう」としか思ってませんでした。小説読むまでは。
後述します。

時計

小説読んでなくて何もわからない自分ですらとんでもない曲だとわかりました。100人に聞かせたら100人が「何?このデカい感情は」と答えそうな曲。
だというのに。気付きましたか?この曲、「あなた」が好きとか愛しているとか言ってないんですよ。ただ、「僕」が「あなた」と共に過ごして、全部を許して許される曲なのではないかと思います。これは愛ではない、ただ「あなた」がいる、共にするこの日々を好きになっている。この曲の感情自体は盲信とか、もはや信仰に近い気がします。

自由に捕らわれる。

自分が一番悩んでいた時期聞いていた曲です。フルアレンジたまりません。
まず。歌がうまい。とてつもなく耳触りのいい声に、並外れた表現力。なんというか、若返りました?あまりの歌唱力に青年が歌っているという錯覚がありました。
そしてこのアルバムの流れで来ると、’’解放’’というメッセージが色濃く出ていると感じました。自由になるというか、自由より上の解放というか。難しいこと言うもんじゃないですね。
このアルバムはこの曲で終わることに意味があると思います。’’時計’’で自由を許してはい終わり。より、自由に対する怒りも悲しみも解放するこの曲で終わるのが、何より美しいです。

次回へ――

慣れないパソコンで文字を打って疲れました。
ここは前後編ということで、また今度小説のことを書こうと思います。
今度と言ってもそんなにお待たせしないかと思いますが。なにせ自分の頭は今、姿夜と琥太郎のことしか考えられないからです。
小説のキャラクターにここまで狂う感覚は初めて。この感情を文字に起こすのが自分でも楽しみです。

(書けました)


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