7月4日に生まれて(1989年)
真夏の焼けた肌で、
扇風機を仰ぎながら、
私は、真っ赤な電車に乗っていた。
昔、住んでいた駅の映画ポスターを見ながら、通過していた。
小学校低学年。
ピアノ教室に行く為に、通っていたのだ。
「7月4日に生まれて」
このポスターが小学校のころからずっと気になって頭から離れなかった。
なぜなら、私も
「7月〇日に生まれて」
の人である。
「誕生日近いな、その日に生まれたから何?」
ってのが、私の第一印象であった。
(知らなかった!"Fourth of July" アメリカ独立記念日らしい!)
それから、月日が流れ、
35年以上経って、ちゃんとこの映画を見た。
たぶん、これが、ベトナム戦争の反戦運動の真実である。
これまで、ほかにもベトナム戦争がらみの映画は見てきた。
薬物中毒者が増えたことや、
ベトコンが恐ろしく過激だったこと・・・。
反戦デモが起こっていたことは知っていた。
「地獄の黙示録」も有名だ。
でも、なぜ、この映画を先に見なかったか。
何でかわからない。
きっと、題名の、
「7月生まれに何があるのか怖かった」様な気がする。
たぶん、私が小学生の時だから、ベトナム戦争の後、初めて作られたその現実を伝えた映画ではなかっただろうか。
この映画は、どちらかと、
戦争自体の映像は長くない。(地獄の黙示録と違って)
むしろ、その後、
志願することが英雄と駆り立て、その後、反戦運動が起こり・・・と、
国の政策に翻弄された若者たちの苦悩と叫びが、
段階を踏んで、
伝わってくる。
そのパワーに圧倒される。
この映画は、戦争の意味を投げかけている。
戦争とは何なのか。
戦争する意味は・・・
戦争でも、色々な目的や、意味を持った戦争が過去にあることを知る。
国際政治においても、考え方や視点が違ってくるように思う。