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読書記録「夜明けのすべて」
久々に見たい映画を見つけた。
上白石萌音さん&松村北斗さん 主演の「夜明けのすべて」。
PMS〈月経前症候群〉に悩む 女の人(藤沢美紗)と、パニック障害を抱えている 男の人(山添君)の話らしい。よく見ると、原作は 瀬尾まいこさん。
じゃあ、原作を 先に読もうかな…と、図書館で借りてみた。
*🐣*
結論から言うと、原作&小説、どちらも素晴らしかった…!!
原作は スピーディで、可笑しみ😂がある。パニック障害とPMS のことを知れると同時に、ふたりの距離が縮まっていく過程が、とても面白い。
ありがちな 恋愛エンドにならないのも、すごくいい。
ラスト部分の展開が、特に 秀逸だと感じました。途中まで読み進めて、この先どうなるのかな…?と思っていたのですが、なるほど…!!な展開で、思わず 唸ってしまった🤔。現実は もっと大変だと思うので💦、ちょっと甘めじゃない?(山添君がスペック高すぎるし、職場の方々が みんないい人…)と感じる方も、いらっしゃると思うのですが…。
それでも 瀬尾さん、ブラボー!!と拍手したくなる作品です👏。
自分の体なのに、自分の思うようにならない。そんな 悩みを抱えた
ふたりが、どのように響き合うのか、興味がある方は、ぜひ 手に取って
みてください。
👇️ 水鈴社のHPで、瀬尾さんのメッセージが読めるようになっています。
ここより、映画の感想🌸。
映画も、とてもよかった…!!😊 原作は スピーディなのですが、
映画は ゆったりとした時間が流れています。ふたりの勤めている会社が、
栗田金属→栗田科学に変わっており、スポットが当たる人物も増えていたので、より広くボリュームのある内容となっていました。
邦画って、エンタメか、重く暗い社会派か…みたいな、両極端なイメージがありませんか?? この作品、そのどちらでもない、不思議な印象です
(あまり 類似作品を思いつきません)。
丁寧で、余韻のある作品。主演の おふたりも素晴らしい😯✨️ので、読むのメンドーな方、ぜひ映画の方を(今のとこ Netflixで見れます)。
映画の方では、ふたりは 仕事を通じて、親しくなっていくのですね。
姿が映らずとも感じられる、社長(光石研さんが演じています)の 弟さん
の存在が、とてもいい。美紗の 家族の状況も変えてあって、悲しいけれど
味わい深かった(手袋のシーンが好き)。
人生って、悲しいことも 困難もいっぱいある。でも、いいこともある。
それを 押し付けがましくなく伝えていて、「こういう丁寧な作品って、
今どき 珍しいな~」と、驚いてしまいました。
個人的に 大好きな作品となったので、みなさんも ぜひ。
美紗と山添君のことを、きっと 好きになると思います。
最近 カードリーディングの動画を見ていて、そこで カードリーダーさんが
「成熟」という言葉を使っていました。成長ではなくて、成熟。
原作& 映画の ラスト部分で、山添君が 社長の弟さんのことを、気遣っているシーンが描かれていますね。それを見て ようやく、これは 山添君の
成熟の物語なんだな…と、気づきました。
パニック障害になって、美紗や栗田科学の人々と出会って、
山添君は、どういう人に変化したのでしょうか?
近年、「多様性」という言葉を、頻繁に 聞くようになりました。
私は この映画を見て 、多様性を認める社会=成熟した社会 であるという
ことに、ようやく気付くことができました。
人と自分の違いを認め、「これが普通・こうあるべき」を、押し付ける
ことのない社会。それぞれ 違う人々が、ほどよい距離感で付き合う社会。
自分を大切にし、他者の痛みに寄り添う社会。
無邪気に 成長・発展を、目指していた時代は終わったけれど、
次の段階に どう舵を切ったらいいのか、社会全体が 迷っていたのが、
私が生きた平成という 時代だったのかもしれません。
令和になって、成長から成熟へと、かすかな 兆しが見えてきました。
現実は 物語のようにはいかないけれど😣💦、社会の中で 孤独を感じている人が(そして私自身が)、道を指し示す星を見つけられますように。
何百年後か わからないけれど、すべての人が安心して生きられるときが、
いつか訪れますように。
では。読んでくださった方、ありがとうございました🐫🌟⛵️。