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異世界レッド1-8巻までの感想
アニメで気になって一括購入からの一気読みをしたぜ!
今日の記事はその感想のまとめです。アニメ放送中なのでネタバレは控えめ。
私はそれほど特撮を見ていない人間だ。世代バレを憚らずに告白すると、仮面ライダーでは『電王』から『オーズ/OOO』あたりまでを視聴し、スーパー戦隊は『ゲキレンジャー』から『キョウリュウジャー』まで観た覚えがある。ただ、どちらかというと私は仮面ライダー派であり、そっちの方が記憶に残っている。なお、ウルトラマンは初代のみ全話視聴している。
何が言いたいかと言うと、特撮ファンというよりは一般的な子ども視聴者だった、ということだ。なので正直、戦隊あるあるとかはわからないし、SNSでよく「~は○○脚本だから……」みたいな言説を見かけてもよくわからない。
それでも、異世界レッドのアニメ第一話はとても面白く感じられたので、さっそく既刊8巻まで(2025/01/21現在)を買って読んでみた。
面白い。
まず、レッド(浅垣灯悟)が気持ちの良い熱血系主人公で好感が持てる。ヒロインのイドラも可愛らしいキャラクター性で、口が悪いところもあるがムカつく程ではない(あの格好はヤバいけど)。異世界転移という昨今ではありふれた設定を用いながらもストーリーの流れはどこか懐かしささえ感じられる。もしかしたらSNSでの評判に毒されているからなのかもしれないが、読み心地が「少年ジャンプ」とか「なろう系」とは異なり、幼き頃に観ていた特撮ヒーローのようなのだ。
X(Twitter)で小林靖子脚本みたいという意見を見かけたのでその方を調べてみたら、『電王』『オーズ/OOO』『シンケンジャー』の脚本を書かれているではないか。私が読み心地に懐かしさを感じた理由はこれか、と驚いた。実際の有識者の見解はどうか知らないけど。
レッドは頼れる男なのだが、彼は”浅垣灯悟”としての面を持つ。ヒーローとしてではなく一個人としての彼の成長もまた『異世界レッド』の醍醐味だ。話を重ねるにつれてヒーローとしての仮面が剥がれその人間性にも焦点が当てられるようになる構成は初めから主人公がヒーローとして振舞うからこそのものだろう。
考えてみれば、最近の少年ジャンプの主人公でヒーローとして振舞おうとして人々を救うタイプはあまり見ない気がする。連載が終わってしまったけれど、『僕のヒーローアカデミア』くらいだろうか。『鵺の陰陽師』もヒーロー的な主人公な気がする。『チェンソーマン』のデンジは明らかに特撮的なヒーローではないし、『ワンピース』のルフィははっきりと「ヒーローになるのは嫌だ」と言っていた。うーん。『異世界レッド』の感想を纏めていたはずなのに、図らずも己の少年ジャンプへの理解を見直す必要が出てきてしまった。今のところの見解としては、「少年ジャンプ」系の主人公は”ヒーローになっていく(そう見られるようになっていく)”者の物語で、特撮系のヒーローは”ヒーローという役割(悪を倒す者としての役割)を与えられた者の物語”ではないかと思う。これまでは少年ジャンプの主人公や特撮ヒーローとしての在りかたの考察なんて知人の話くらいしか聞いてこなかったけれども、もっと調べてみても良さそうだ。
閑話休題。
『異世界レッド』の良いところとしては展開の速さも挙げられる。修行パートがあるというよりも実戦の中で新しい力に目覚めるというパターンで強くなっていく。よく異世界転生系(なろう系?)の物語では道具開発でわりと長い尺(文章)を使うのを目にするが、そうした熟成期間のようなものが無いのでサクサク進んでいく。そうしたところも特撮的なストーリー進行なのかもしれない。
今日はここまで。
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マシュマロを置いています。ジャンプの話でも特撮の話でも、何でもどうぞ。