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小説家になろうはお好き?

紹介、或いは感謝。

https://ncode.syosetu.com/n5553dx/

私が高校生の頃、一時期『小説家になろう』を読み漁っていた。その時に参考にしたのが、サイト内にある累計ランキングと上記の方の連載だ。今でも同サイトにおいてエッセイのジャンルで累計ランキング1位の座にいるこの作品は、当時の私にとって本当にありがたい道標になった。

私は『小説家になろう』にある作品を100作以上読んだ。200作は行っているかもしれない。これを少ないと見るか多いと見るかは人によるだろう。先に挙げた方は少なくとも580作以上読んでいる。しかも、「お気に入り作品」に限定しているので、その倍は読んでいてもおかしくない。なろうにはそれに特化した研究家染みた人々がいるので、中には、なろうを語るのなら新旧合わせて数百作読んでこい、と真面目な顔をして言う人もいるだろう。そういう方からすれば、200作は少ないと思われる。

私はここで『小説家になろう』を語ろうとしているが、思い出で語っているので、現状を捉えていないと言われれば何も言い返せない。

これは言い訳になるが、良作駄作問わず1日に100ページ以上読む生活は私のナニカを破壊してしまったようで、暫くネット小説自体にアレルギーを発していた。それ以来、あの頃のような熱を失ってしまった。

だがそれでも、『小説家になろう』から離れてしまった今だからこそ、私は『小説家になろう』が好きだと言いたい。なぜなら、このサイトを見るたびに作品を夢中で漁っていた頃の楽しかった思い出が、感覚が、呼び起こされるからだ。

ではここで、小説家になろうにおいて数ある作品の中から3つ。私のお気に入りのタイトルを挙げよう。

・転生!異世界より愛をこめて
・それでも平凡は天才を愛せるか?
・メアリースーには屈しない

この三作が、私は好きだ。詳しくは読んでほしい。ただし、相応の覚悟をもって。特に、『転生!異世界より愛をこめて』は私の異世界ものに対する認識を一変させた。これら以外にも、『インフィニット・デンドログラム』や『人狼への転生、魔王の副官』、『難攻不落の不問ビル〜チートな彼女とダンジョン攻略~』など、当時楽しんでいた作品は多くある。その中には、完結したもの、書籍化に伴い未完のまま終わったもの、作者が失踪あるいは絶筆してしまったもの、そして今だに更新が続くものもある。

そういえば、私の『小説家になろう』の入り口は中学生の頃に読んだ『転生したらスライムだった件』だったな。

高校生の頃とは随分変わってしまったので、今の私が読んでも当時ほど面白さを感じる自信が無い。そもそも、私は一度読んだような展開はさっさと読み飛ばしてしまいがちだし、あまり読み返すということもしない。歳を経るにつれて読み返す頻度は多くなっているのだが、未だになろうなどのweb小説は読み返す気になれない。だからこそ、あの頃の『楽しい・面白い』は鮮烈で、ついつい語りたくなる。

最近だと、『悪役令嬢の中の人』が話題になっていたので、なろう発と知ってすぐに検索をかけて中身を読んだ。ついでに他にも何作か。

なるほど。やっぱりweb小説は独特な味がある。

web小説の味ついでに物語の媒体についての話。

漫画・アニメ・小説と物語を紡ぐ媒体がある中で、文章が本当に気に入らない作品が漫画やアニメになると大化けしてめちゃくちゃ面白いじゃん、となることがある。なんか前にも書いたな……。これはコミカライズ製作者が凄いのか、別媒体になって表現方法が変わることで癖が抜けて味わいやすくなったのか、それは分析してないのでわからない。別の要因もあるかも。これがドラマや映画、劇やオペラとなるとまた別の話になってくるのだろう。また、その逆もある。アニメは酷いけど、というやつだ。小説は嫌いなのにアニメを見たら面白かった、という経験は、私が物語ではなく文章しか見ていなかった可能性に気づかせてくれたので、苦いながらも良い経験だった。

世間の人々には『小説家になろう』を妄想の掃きだめとしか思っていない人もいるかもしれない。確かにそういう面もあるが、あそこはプロアマ問わずごちゃ混ぜになった巨大な実験場でもある。読者の反応が直接ランキングとして反映されるため、PDCAサイクルを回しやすい。これは他のweb小説サイトもそうなのだろうと思う。携帯小説もそうなのかな。しかしその功罪というか、だいぶ独自色の強い文化でもあるとも思う。人気ジャンルがほとんどを覆い隠してしまい、好みの作品を探すためには潜る必要がある。『俺tueee系』が流行ればそのアンチテーゼみたいな作品が出てくるし、『悪役令嬢系』と言えど悪役令嬢本人に転生するだけでなくその従者になったり逆に婚約破棄を言い渡す側になったりと、本当に自由に派生していく。ジャンルってこうやって開拓されていくんだなぁ。

今日はここまで。

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