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空の上から母に宛てる手紙


お母さん

お母さん、今日やっと飛行機に乗ることができました。やっとです。
離陸した時には泣くと思ってました。
でも、いざ離陸する時には喜びの涙よりここまで辿ってきた道のりを振り返り、誇らしい気持ちを抱きながら日本を発ちました。思ったより泣きませんでしたね。

お母さん。お母さんは正しかったね。
絶望に打ちひしがれ、ベットから飛行機雲を見つけた私が虚しく「飛行機乗りたいけど、また乗れるかなぁ」と呟いた時。

すぐに「大丈夫、絶対に乗れるから。大丈夫だから。」と優しくとも力強い言葉をかけてくれましたね。
私はあの時、どうせ乗れやしないよと思ってました。本当に心の底から乗れないと思っていました。海外移住を目指す心はあるものの、もう乗れるほどの元気は戻ってこないだろうと。

でも、今日こうして乗りました。元気に乗り込みました。人は本当に諦めなければ元気になるんですね。

中途覚醒せずに朝まで眠ることができた日。
身体を自分で起こして外を3分くらい歩けた日。
洗濯物を畳んでも具合が悪くならずに過ごせた日。
まるで子どもが初めて立った時のように褒めてくれましたね。
自分の子どもが心の病に倒れ、親としては気が気でないだろうに、赤子のようになってしまった私を辛抱強く温かく見守ってくれてありがとう。

無駄に明るい声かけをするわけでもなく、必死に向き合うわけでもなく、ただ同じ方向を見てギュッと強く握ってくれた手が、その姿勢が、私にとっての救いでした。
倒れてから最低限回復するまでの間、私はもう一度、お母さんから産まれなおしてきた気分でした。
そして改めて、あなたの子どもに生まれてくることができて本当に良かったと思いました。

初めてお母さんのもとに生まれて育っていった時には、どんな声掛けをしてくれていたんだろう、どんな風に見守ってくれていたんだろうと考えてしまいます。産まれ直したあの時のように、温かな手で私の手を握ってくれていたのでしょうか。
その記憶がないのが惜しいと思うくらい、お母さんの寄り添おうとする気持ちが、守ろうとする気持ちが私の心に沁みました。
私のお母さんの本質は、そこにあるんだと思いました。
お母さんは、本当の意味で強くて優しい人だね。

いつか私が母になる日が来るとしたら、
お母さんのような親でありたいと思います。

私が日本を離れて生きることになる日が来ると思います。正直すごく寂しくて嫌です。
こんなに温かく見守ってくれる人に何かあった時、駆けつけられない距離にいるのは、本当はすごく嫌です。想像するだけで今から涙が出ます。
というか書きながら泣いています。

何かあればすぐ駆けつけます。どこにいても必ず駆けつけます。私の大事なお母さんですから。
何かあった時には、今度はお母さんの手を必ず握ります。お母さんが私を守ってくれた時のように。約束ね。

飛行機に乗れるようになった今、
元気になってきた今、
今だからこそ、

お母さんが守って支えてくれた事を忘れずに、
まっすぐで温かなその気持ちを忘れずに、
守って支えてくれたからこそ生まれ変われた自分を大事にして、新しい地に踏み入れたいと思います。

あともう少し日本にいる期間はあるけれど、
大事に過ごしていこうね。

お母さんの愛娘より、空から愛を込めて。


コロナが流行って、適応障害になって、
飛行機に乗れなくなって3年とちょっと。

やっとまた大好きな飛行機で空の旅を始められた今、
母への感謝が止まらず、文字を打つ手も止まらなくなってしまいました。
お母さんの支えなしに今は無いですからね…。

想いが込み上げすぎて機内で寝れないわ、
感極まって涙が止まらないわで、
久々の空の旅に私自身が追いつけてないようです( 笑 )そんな旅もありますよね、生きてたら。

でもきっといい旅になるでしょう。
そんな気がしています。

さて、そろそろ着陸準備に入るようです\ワクワク!!/
みなさまも良いGWをお過ごしくださいね。

Have a great Day!

Umi

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