1つの魂のお話 5
また生まれる番になった。
「神様、次もてんとう虫になりたいです。」
「それはできません。あなたは、てんとう虫として十分に命を全うしました。全うした生き物には戻れないのです。」
「それでは地面にいる小さな虫に生まれたいです。」
「それもできません、あなたはてんとう虫として命を全うしたので、てんとう虫以下の生き物にはなれないのです。」
「そうですが、では人間以外でてんとう虫の次になれる生き物は何ですか?」
「人間になりたくないのなら、鳥はどうかな?」
「大空を飛べる、あの動物の事ですか?」
「そうです。鳥はてんとう虫よりも高く空を飛べますよ」
「神様、私は鳥になりたいです!」
「わかりました。それでは、今回は鳥として命をしっかりと全うするように。決して傲る事なく命を全うしてきなさい。」
「はい!神様!よろしくお願いします!!」
鳥は本当に素晴らしい命だった。
5匹の兄弟と共に生まれ育ち、大空を羽ばたいた。
たまに大きな鳥に襲われそうになったり、危険な事もあったが家族や仲間同士で守りあい、素晴らしい経験ができた。
最後は、兄弟を守るために、他の鳥に食べられてしまった。
それでも、兄弟の命を守れて本当によかった。
愛する兄弟のためなら、今回の死は本望だった。
あぁ本当に素晴らしい経験だった。
さようなら兄弟達よ、残りの時間も頑張って生きるのですよ。
ずっと愛しているよ、さようなら。
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