1つの魂のお話 2
また長い長い時間が経ち、私は地球に生まれた。
今回は、建物の中での労働で前回よりはマシだ。
今回もまた誰かのために働いている。
心を込めて働いた。
しかし、あまり頑張らないようになった。
頑張ったって、報われない事だってある。
だから頑張るけど、そんなに誠心誠意やらなくても良い。
そんな生活を何年も続けていると、世間の情勢が変わって貧困状態が続いた。
私は奴隷として、ある家庭に売られてその家に向かっている。
家の人が良い人だと良いなと、一瞬思った。
しかし、前回の事を思い出した。
雇い主が良い人だとしても、人はいきなり裏切る。
だから、雇い主が良い人でも関係ない。
とにかく怖くなければそれで良い。
奴隷として働く事になったその家庭は、悪くない所だった。
そんなに悪い人もいない。
わがままな子供が2人いたけど、それ以外は何でもない裕福な家庭だった。
その家の主人は、とても良い人だった。
私の働きっぷりを褒めてくれたし、贔屓してご飯も多めにくれたり、こっそり食べ物をもらった事もある。
しかし、こう言う人こそ要注意だ。
優しいからと言っても、いつ私の命を奪うかわからない。
だから信じない。
人は信じない方がいい。
人はいつ心がわりをするかわからない。
だから、絶対に信じない。
そしてその日がやってきた。
何でそんな事になったのかわからない。
いきなり目の前が真っ暗になり、私は前に倒れ込んだ。
あの主人が後ろから私を拳銃で打ったのか?
もはや理由などどうでもよかった。
そういうものだから、どうでもいい。
人間は恐ろしい生き物で、もう2度と関わりたくない。
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