【出産体験談】前期破水〜陣痛〜無痛分娩
破水で入院してから6時間後に陣痛開始、さらに16時間半後に出産した。
「無痛分娩って本当に無痛なの?」と産後よく聞かれる。
私の場合、16時間半の内10時間程度は完全に無痛だったけど、最初と最後の3時間ずつは普通に痛い。陣痛が痛すぎて3回吐いた。
それほどの痛みの後麻酔したからこそ、無痛のありがたみを身に染みて感じた。もう一度出産するとしても絶対無痛分娩にしたい。
この無痛分娩(和痛分娩)体験談を書く。
これまでのお話はこちら。
完全無痛で出産できる病院もあるけど、私は陣痛促進剤を使った計画分娩ではなく自然陣痛を待って出産したかったので痛みがあったのは予定通り。
24時間365日麻酔対応している病院を選んだ。
5:30 入院
前期破水して入院となったが、まだ陣痛が開始していなく、いつ開始するかも不明。
破水していると感染症の心配があるので、陣痛が始まらなかったら今日の夕方から明日にかけて陣痛を誘発すると医師から説明された。
諸々の説明は細かく覚えていないけど、今日は一旦待機、遅くても明日には出産するということ。あー、いよいよだ!
入院手続きなどを終えて一段落。
8時に用意された朝食を優雅に食べて、家族や仲良い友達に入院の連絡をした。
陣痛もまだだし、生まれるのは明日になるかもしれないので、夫は一旦帰宅することにした。
9:00 陣痛を待ちながらウロウロ
うっすらお腹痛いような感じもあるけどまだ全然動けるレベル。
「今日中に自然に陣痛が来るのが1番良いから」と看護師さんが持ってきてくれたバランスボールに跨がってボヨンボヨンしたりして過ごす。
段々とお腹が痛くなってくるのと、破水でびしゃびしゃ水が出て産褥パッドがずっしりしてくるのとで、どうしても気になって無限トイレ往復。
何をもって陣痛となるのかわからないけど、すごくお腹が痛くなってきた…
とりあえず痛みの間隔を計ってみたりした。
11:30 陣痛開始 麻酔を待つ地獄の3時間
11時半には陣痛が10分間隔になっていた。
痛みが引いてるタイミングではかろうじて動けるけど、来てるときは痛みで何も考えられないし動けない。
助産師さんが昼ごはんを食べるか聞いてきた。
食後2時間は麻酔を打てないので、食べるかどうかはなかなか悩む。
麻酔分娩学級で、麻酔開始は子宮口が4cm開いてからが望ましいと言われていた。(※10cmで全開)
2時間で4cmまで進むかな?犬山紙子もご飯食べておけば良かったって言ってたしな。。(犬山紙子さんの本で無痛分娩体験を読んでた)
結局、助産師さんに「食べられるなら食べておいた方が良いよ」と言われ昼ごはんは食べることにした。
12時過ぎに焼きそばと杏仁豆腐がきた。
痛すぎてどう食べようと困っていたので、メニューははっきり覚えている。笑
結局陣痛が5分間隔くらいになり、焼きそばはほとんど食べられず、飲み物と杏仁豆腐をなんとか流し込んだ。
痛い、絶望、本当痛い。
ひたすら痛みに耐える。12時半に食事を終えたので、14時半に麻酔を開始することになった。
痛い。とにかく痛い。今何時?え、まだ5分しか経ってないじゃん。早く、、早く14時半になって…!
麻酔開始の14時半を待つ地獄の時間だった。
もし自然分娩を選んでいたら明確な時刻目標もないので、これほど時計を見つめて時間経て!とは願わなかったかもしれないな。
もっと途方もない時間痛みに耐えることにはなるんだろうけど。
夫は13時頃病院に戻ってきてくれた。一人で痛みに耐えるよりはだいぶ安心感が増す。
しかしそれで痛みが減るわけでもなく、絶望的に痛い、あー息ができない、、めまいが、、視界が消える、、「あぁ…あぁぁ……あ、吐く…」
夫が慌てて運んできたゴミ箱に向かって嘔吐。
脳みそが"痛い"以外を処理していないため、顔の向きを変えるとか正確にゴミ箱に吐くとかは不可能。
髪もパジャマもゲロまみれ。ナースコールをして色々処理してもらう。
もはや動けない私のパジャマを着替えさせて、髪や体を拭いてくれる看護師さん。
これを3回繰り返した。。看護師さんには本当頭が上がらない。
そしてもはやお昼ご飯は完全に無になった。
14:30 麻酔開始!…と誤算
待ちに待った14時半。麻酔処置を開始するため夫は退室。
看護師さんと麻酔科医さんが来て、背中に点滴をする準備に入る。
ここで大きな誤算に気づく。。
14時半には、麻酔開始ではなく麻酔"準備"を開始するということ。
・・・絶望。
この時には、目標の子宮口4cmまで開いていて陣痛も気が遠くなるような痛み。
「動かないで!」とか「ハァハァしないで!」とか看護師さんに注意されまくりながら、麻酔処置が進む。
(痛みに悶絶しすぎて針が刺せないし、呼吸が浅くなって赤ちゃんに酸素が届きにくいとか、そんなようなことを言われてたかな…)
16:00 痛みからの解放
麻酔薬がピューっと入った途端、無痛。・・・本当に無痛!
痛みがないって素晴らしい〜〜!ここは天国ですか!?
無痛を0、最悪の痛みを10とした時に、麻酔の直前と今の痛みはいくつですか?と聞かれた。
「麻酔前は8、今は0」と回答。
個人の感覚だけど、10は死ぬ時だと思う。
外で待機していた夫も、落ち着きを取り戻した私を見て安心した模様。
夫は一度帰宅して、シャワーを浴びたり夕食を取ってくることにした。
痛み0の私は、うとうとしたり、母と電話したり、友達にLINEしたりして過ごしていた。
その後、夫も戻ってきてお産が進むのをまったりと待つ。
21:00 陣痛促進剤点滴開始
21時頃、子宮口7cmで赤ちゃんの頭がまだ上の方にあるということで、お産を進めるために陣痛促進剤を点滴することになった。
前期破水していたこともあって、お産があまり長引くと赤ちゃんが苦しくなってしまうらしい。
ずっと0だった痛みは、陣痛促進剤を入れ始めてから徐々に強まってきた。
痛みが3〜4レベルまできて恐怖心がまた強くなってきたので、麻酔を追加してもらって0にする。
本当に麻酔の存在は心強かった。
0:00 帝王切開になるかも
陣痛促進剤を投与していても、赤ちゃんがなかなか下りてきていないらしい。
産科医さんから、赤ちゃんのストレスが高くなっているから帝王切開になるかもと言われる。
え、無理無理。ここまで陣痛に耐えてきたのに今更帝王切開なんて…
お願い下から出てきてくれ…と赤ちゃんに向けて念じ始める。
産科医さんにもできれば帝王切開は嫌と伝えた。(ような気がする…うろ覚え)
1:00 いきみ始める 3時間いきみ続け失神寸前
1時頃、練習でいきみ始めようと産科医さんに言われた。
「練習」ってよくわかんなかったね、と今でも夫と話している。
今思うに、分娩開始には早いけど少しずついきんでいたら赤ちゃんが下がってくるかも、それでも無理なら帝王切開だ、という考えだったのかな?
帝王切開を回避したい私は、練習と言われているのに本気でいきみ始める。
助産師さんの「上手〜!」とか「一瞬、頭見えたよ」の言葉には本当に励まされる。
しかし、いきんでもいきんでも終わりが見えない。
全身の力をMAX振り絞って、何時間もいきんでるんだから本当疲れる。
想像してみてほしい、50m走のつもりで全力疾走を始めたものの、いつまで経ってもゴールテープが見えない状況を。そこで疲れて走るのをやめたら腹を切られるという究極の絶望を…。
さらに、どんどんお腹から股の痛みが強くなってくる。痛みレベルは8くらい。
今から麻酔を足すと上手くいきめなくなるからと、お願いしてももう麻酔を足してくれない。
何時間経ったのかな…痛い、疲れた、もう無理、ていうか何か眠いかも…
「諦めないで!!!」
夫の声で我に返る。失神しかけていた。
夫が言うには、目がいっちゃってたらしい。
立ち会ってもらって良かった。夫がいなかったら失神して帝王切開決定だったはず。
気づいたらスタッフもいっぱいいる。
LDR室なので、よく聞く「分娩室に歩いて移動」イベントはない。
こんな状態で歩くなんてどうやるんだろう、想像できない。。
4:00 息子爆誕
「もう吸引する」産科医さんが言って、掃除機のホースみたいなのが出てきた。
よくわからないうちに会陰切開もされた。
「頑張って!いきんで!いきんで!!まだまだ!!最後だ!!頑張れ!まだまだ!もっと!!!」
もう激痛、疲れすぎてこれ以上は力入んない、、これが本当に最後のいきみ振り絞りだよ…
どぅるんっ!!
…出てきた!凄い、こんなのが私の体から出てきたのね!!ふー、てか突然体が楽だー!
4時過ぎ、無事男の子が生まれました。
1時過ぎから3時間全力でいきみ続けていたらしい。
それはもう力も尽きる。最後はもう絶え間なく痛かったし。
こんな感じで、無痛分娩でも本当に無痛とはいかず、なんなら人生最大の痛みは経験した。(完全無痛の病院を選んでないので当然)
それでも痛みと闘う時間が大きく減るので、もう一度選ぶとしても無痛分娩にしたい。