【よしなしごと】長女から見た自分の家族
少し前に書いていた記事なので、いつの話?と思われるかもしれないが、せっかくここまで書いてしまったので投稿しておく。
最近Xでよくおすすめに出てくるのでついつい動向を追ってしまう、とある芸大生の家族に関する投稿。
自分も含め高学歴のきょうだいを紹介するも、犠牲になった長女(姉)の存在が透明化されていることを問題視され、なかなか燃えているようだ。
特に長女の立場から、「自分の犠牲によって好きに進学できていることを下の子は知らないんだよね…」と嘆くものが多い。
そのご本人や周辺、燃えていることに関しては、まぁよそ様の家庭の事情なんだからあまり外野が騒ぎ立てるのも…と思いながら見ているが、一応自分も妹を持つ長女の身なので、ふと振り返ってみる。
結論から言うと、正直「犠牲になった」と思ったことは一度もない。
それには親のやり方がうまかったことと、自分(長女)の性格や能力によるものだと思う。
まず、親はちゃんと子に平等に接してくれていた。
「お姉ちゃんだから」的なことをほとんど言われなかったのも大きい。
子どもは子ども、責任は親が持つ。親等の考え方と似て、親から自分、自分から妹、ではなく、親から自分、親から妹、という構図がしっかりしていたのだと思う。
自分が妹に対して何か責任を負っていると感じたことがないのだ。
もちろん「可愛い妹」と思えるほどの情はあるので、何かしてあげたいとか守りたいとかある程度は考えているが、義務ではない。
また、学力と性格によるところも大きいと思う。
半分自慢だが、私は結構昔から勉強ができた。
決して裕福な家庭ではなく、何なら貧乏だからあまり贅沢はさせてあげられない、と言われて育った。
地元の公立小中学と進み、中学から通い始めた塾では3年間のうち1学期分を除いてすべて特待生を取得して授業料免除。そうしてさらに磨かれた学力で第一志望の公立高校(進学校)へ。高校ではあまり勉強せず成績は落ちて行ったが、塾にも予備校にも通わず進学校として学校が提供してくれる講習をひたすら受け、後は自習、個別に先生に直撃するくらいで、何だかんだ家から一番通いやすい国公立大学に合格。通学費用も抑え、実家暮らしで仕送りも不要、特に金のかかる学部でもなかったので、総じて「親孝行」な学生時代だった。
その中で我慢が全くなかったかと言われたら嘘になるが、不満を抱いたことはない。
高校選びの際に、もし別の人生があったなら美術系の高校に行きたかったな、とか、大学入試の時に、滑り止めの私大は受けたが経済的に「私立はできればやめて」と言われていたので当初行きたい国公立はE判定だったが必死に勉強してギリギリ合格まで漕ぎつけた、実は一番興味のあった学部は私大だったが親の負担を考えて諦めた、とか。
でもどれも強制されたわけではなく、無難な方を選ぶ自分ならどちらにせよこっちを選んでいただろうな、とか、結局職業に結びつくほど執着するような学部希望でもなかったし勉強はほどほどにしておいて他で良い経験ができたから結果オーライ、とか、すべて納得して自分で選んだ道だと言えるし後悔はない。
性格の面で言うと、どちらかというと私はマイペースで妹は少しわがままなところがあり、親を怒らせるのは妹の方だった。
「下の子は上の子が怒られるのをよく見ていて学ぶからちゃっかりしている」とよく言われているし、実際にうちの妹も甘え上手なところがあり、家族にそう言われていたが、私からすると逆に怒られる妹を見て学ぶことの方が多く、私の方が得をしていたと思う。
妹に限らず、親の振る舞いもよく見ていて、以前も記事に書いたが、私の処世術はごく身近な人間の反面教師によってできている。私がひとりで自分の世界で好きにやっている間に、やらかした人達が私の反面教師になってくれる、という感じだ。
先ほど「親が平等に接してくれた」と書いたが、もしかしたら妹からすると「姉の方が可愛がられてる」ととられているかもしれない、とも最近思う。
もちろん妹が享受しているものを私も見てきたので、「そんなことないけど、妹は気づかないこともあるだろうな」と思っていたりする。
進学等の話で言うと、妹も中学から塾に通っていたがきっちり授業料は払い(しかも気分で休むこともちらほら)、高校でも短期間だが予備校に通わせてもらい、私立大学に入学するも中退し夢を追って一人暮らし、妹は妹で好きにやってそれなりに心配もかけてきたのだった。
ただそういう経緯があり、私の方が安心というか信用してくれているので、扱いに多少の差が表れたりはする。
親自身も子どもには平等に、と意識していたのだろう、逆に妹の進学に金がかかる度に、私に「妹ばっかりごめんね」と言ってくれていた。
私からしたら、ある程度の努力はしたとはいえ、自分はたまたま比較的お金をかけずに来れただけだし、親に負担をかけないためでもあるので、それが妹の必要経費に回るのであれば本望、くらいに考えていたしそう伝えていた。
でも私がこう思えるのはそうした親のやり方のおかげであり、自分も親としてそう思ってもらえるように振る舞いたいものだ、と思っている。
せっかくなので「子どもに平等に」を実践するために必要なことを書き出してみよう。
まずは冒頭のXでの投稿にもあるように、目に見えて差が出る学歴に関わることは、できるだけ客観的指標を用いて平等に。
子どもの夢や希望の進路、それを成し遂げられる性格や学力などの能力は人それぞれだし、進路によってかかるお金が違うのは仕方ない。
ただ金額は目に見える数字であり、客観的な指標だ。同じにできる部分はなるべく同じにするべきだし、違ってしまう場合は不満を溜め込まないようにもう一方へ確認を取る。必要ならばわかってもらえるまで説得、あるいは代替措置を検討する。
次に、きょうだいにきょうだいの責任を負わせない。
子どもの面倒は親が見るもの。その構造を明確に。たまにどうしてもの時に兄姉を頼ることがあったとしても、あくまで臨時、非常事態のみ。また、できる限り兄姉自身が納得した上でしてもらえるように。
これと似ているが、兄姉だから、弟妹だから、といって我慢を強制しないことも大切だ。
もっと別の納得できる理由をつけるか、強制ではなく促すようにできれば良いなと思う。
他にもまだまだやりようはあるかもしれないが、ひとまずこれくらいにしておく。
もし良い方法があれば、教えていただけると嬉しいです。