2023/04/14 Jアラートに翻弄される日本
昨日のJアラートは、初めての「領土、領海内に落下」を警戒したのですが、その後訂正されました。。。
Jアラートに因るミサイル発射への警報に関してはまだまだ改良の余地がある様で、国民の対応も難しいものとなってしまいます。
識者によっては、「このままではオオカミ少年になってしまう」とまで言っているんですが、、、
そもそもJアラートは『全国瞬時警報システム』であって、発出を決めた役所が出せば瞬時に発報されるだけのシステムです。
従って、Jアラートは何も悪くありません。
では、何故、オオカミ少年の様な状況になっているのか?
それは、ミサイル発射を確認するのは自衛隊であり、防衛省です。
その情報を内閣府でJアラートを発出するかどうかを決定します。
基本的に、自衛隊、防衛省は確認した情報を外部に漏らす事は出来ない部署です。
従って、最高機密である北朝鮮に因るミサイル発射の情報を内閣府であっても情報伝達したくないというのが本音です。
そして、伝達するにしても出来るだけ遅らせたいというのも基本的な考え方です。
しかしながら、ミサイルが日本列島を通過後にJアラートを発出したという過去の経験から自衛隊、防衛省からの情報伝達は速くなった様です。。。
今回のJアラートはミサイル発射から約30分後だったという事が報告されています。
さらに、防衛省から内閣府に情報が伝達されたのはミサイル発射直後(約2分後)だったことも分かっています。
では、Jアラート発報までに時間が掛かるのか?
防衛相から内閣府に伝えられる情報が断片的で、内閣府で総合的に判断しようにもできないから。。。
先にも言ったように、自衛隊、防衛省は最小限の情報しか出したくないというのが本音です。
情報伝達は早くなったものの内閣府で判断できるだけの情報は伝えないというのが今回の時間が掛かった要因の様です。
内閣府が総合的判断と言っているのは、領土、領海内にどの様な被害を及ぼすかを検討するために行われます。
北朝鮮のミサイルは一般的に呼ばれる『中距離弾道ミサイル』という物が日本にとっても脅威です。
このミサイルは発射から約5分から10分で日本の領海、領土に落下(着弾)します。
この場合、内閣府は自衛隊、防衛省からの情報で打ち上げ角度、打ち上げ方向などから5分程度でJアラートを発出します。
今回のJアラートの場合は、『大陸間弾道ミサイル』と呼ばれる物で、基本的には日本には影響を及ぼさないミサイルでした。
では、何故Jアラートが発報されたのか?
『大陸間弾道ミサイル』を本来の軌道で飛ばすと、アメリカ近辺に落下するので北朝鮮であってもそんな馬鹿な事はしません。
そこで、ロフテッド軌道と言う方法で『大陸間弾道ミサイル』の性能試験を行う訳です。
ロフテッド軌道と言うのはほぼ垂直にロケットを打ち上げてどこまで上昇するのかを確認するものです。
現在の北朝鮮ミサイルの場合は2~3000kmに到達するようです。
2~3000kmはかなりの距離です。
国際宇宙ステーションは約400km上空を飛んでいるので、はるか先の宇宙まで飛ばしている事が分かります。
そこまで飛んだミサイルがどうなるのかと言うと、最終的には地球の引力で落下してきます。
その際に、大気圏再突入で燃え尽きて終わりです。。。
では、何故、燃え尽きる事が分かっているミサイルにJアラートを発報するのか?
内閣府の総合的な判断では「ミサイルの破片が落下するかも。。。」という事です。
だから、Jアラートの情報にある「建物の中に避難」が必要だ。という事だそうです。
ミサイルの種類やJアラートにあるレベルみたいなものがちょっと理解できたような気がします。。。
今回のJアラート発報で様々な事が分かったというのが収穫と言えば収穫なんでしょう。。。