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連休中に読んだ漫画の感想【黒髪短髪書店2】

連休中に読んだ漫画の感想を書きました。
「一回死んでいる(死にかけている)黒髪短髪の男性キャラがメインキャラとして登場する」漫画ばかり読んでいるオタクの感想です。自己責任でご覧ください。



『腹腹先生』

作者:高口楊
出版社:集英社(ジャンプコミックス)

何度も死にかけるけど復讐を絶対に諦めない黒髪短髪のヤクザが出てきます。やった~!

ヤクザの鎧塚さんと津雲先生のビジュアルに惹かれて読み始めました。一気に読みました。

良い終わり方だった……。復讐を描いた作品、ハッピーエンドになってもバッドエンドになっても微妙に後味が悪いことがあるのですが、この作品の読後感は少し切なくて爽やか。きっとこれは最良のハッピーエンドです。
殺し屋少女の登場で一瞬「流れ変わったな」と思ったものの、個人的には、あの子を早めに退場させたセンスがすごいな〜と思いました。あのままアクション漫画路線で行っても面白そうだったけど、『腹腹先生』の魅力はリアリティのある(リアルではない)地に足のついたバトルとドラマだと思うので……。


『CURE BLOOD』

作者:戸ヶ谷新
出版社:祥伝社(onBLUEコミックス)

何度も死んでいる黒髪短髪の人間(後天的に人間離れした体質になった)が出てきます。やった~!

マジで神です。
BLレーベルの作品ですが、性愛的な描写はありません。というか明確な恋愛描写も無いです。それがたまらなく良くて、こういうのを求めてたんですよ!! ありがとうございます!!!! になりました。
ストーリーは吸血鬼のような体質になった新人医師(表紙の彼)と先輩医師の愛と救済の物語です。かなり切ない話なのですが、悲しみ以上の温かさと優しさがあり、救われます。「人生」を見せてもらった……。
二人の関係性は惚れた腫れたの恋愛ではなく人間同士の深い尊敬による愛とでもいうのでしょうか。派手さのない、良い意味で邦ドラっぽいエモさが読んでいて心地良い作品でした。
今回初めて知った作者さんだったのですが、この方の描く漫画をもっと読みたい……になりました。恋愛でも性愛でもなく、しかし友情や絆といった一言で片付けるにはあまりにもかけがえのない関係性の描き方が素晴らしかったです。


『龍の夫―亡国の神―』

作者:須嵜朱
出版社:祥伝社(onBLUEコミックス)

普通なら死んでいるダメージでも死なない黒髪短髪の人間(先天的に人間離れした体質)が出てきます。やった~!

いやこの表紙でエロ無いことある!?!?!?!?
個人的には嬉しいんですけど、エロを期待して読んだ人がミスマッチを起こしていないか若干心配になりした。
※R-18シーンは無いですが性的な仄めかしは少しあります。
孤独な守り神の龍(人間の姿をとることもできるガチ人外)×真面目で強気な軍隊長(王の弟で不老長寿の血筋だが呪いで少しずつ年をとっている)、……すごくいいですね。人外が人外なのも人間が人間なのも良かったです。二人で永遠を生きていく不老不死の和風ファンタジー、好きです。


『狼だって甘えたい』

作者:あずみつな
出版社:ふゅーじょんぷろだくと

これ好きだな……。一見無愛想だけど愛情深い整体師攻め×陽気だけど実は恋愛に臆病なチャラ男受けで、まあエッチなんですけどエロすぎないというか……ほのぼのとした温かい独特の空気感が素晴らしかったです。会話劇のセンスが好き。表題作以外も作者のヘキを感じる良作でした。
表紙で黒髪っぽく描かれている彼は本編では白髪で描かれています。が、表紙では黒髪だし表題作以外の2作に黒髪短髪のキャラが登場するので、黒髪短髪作品としてご紹介させていただきました。やった~!


『羊の皮を着たケモノ(2)』

作者:九號
出版社:徳間書店 (Charaコミックス)

攻めの幸せを絶対に諦めない黒髪短髪の健気献身純粋福祉系公務員(大学生→不動産屋→児相職員)が出てきます。やった~!

元結婚詐欺師×被害者の弟──バッドエンドを越えた前作から数年後。前科一犯の攻めは、自分の生き方を変えた受けに強い独占欲を抱き執着していた。罪を犯した人間は更生できるのか?幸せになってもいいのか?重い人間ドラマが最高です。
BL的な見所は攻めの執着と、だんだん共依存になっていく献身的な受けの愛なんですけど、虐待の記憶に苛まれながら道を踏み外した男が愛を知り更生しようとする過程で更生を阻む事件が起こり…っていう人間ドラマがすごく良いです。攻めの性格がずっと悪いままなのも最高。もちろん受けが健気なのも最高です。

ていうか児童相談所相談員(社会福祉士)と保護司が登場するBLってかなり珍しくないですか? 虐待(暴力)の連鎖を止めることがテーマの作品なのですがこういう……めちゃくちゃエッチなシーンのあるBLでこんなに真面目に描かれると思ってなかったので興味深かったです。やはりBLは奥が深いな。
ストーリーはまだまだ続くようなので今後も展開が気になります。
BL的な萌えとして、個人的には、執着や共依存の関係性が大好きなのですが、現実の社会問題をテーマにしている作品なので、この二人なら最終的に情緒の安定した、適切な重さの愛に落ち着いてほしいな……と思いました。



いい連休でした。

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