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なんだかんだいって富士宮やきそば
富士宮のご当地食材やグルメで一番有名なのは、なんといっても「富士宮やきそば」でしょう。B級グルメナンバーワンを決める、「B-1グランプリ」の初代王者と言うことで、露出も多く、名前を聞いたことがある方も多いかもしれません。
今では、ご当地グルメを目玉にした町おこしの成功例として語られる事も多く、味だけでなく、その展開の仕方が話題となる事も多くあります。
下記の書籍もそのうちのひとつ。仕掛け人というか産みの親の、渡辺さんというダジャレ好きおじさんの本です(凄い人です)。
この富士宮やきそばは、市内で作っている蒸し麺を使って作られます。
不完全なルックはこちら
「不完全」というのは、この焼きそばには、「肉かす」と「削り粉」を使っていないからなのです(画像の2枚目の食材です)。
肉かすといわれると、おっ、なんだディスられてんのか? と思ってしまいますが、その正体は、豚の背脂、いわゆるラードを絞った後に残った部位です。豚の風味があって、脂は適度に抜けていて、焼きそばに独特の風味を与える調味料的な具材なのです。
そして、削り粉は、イワシやサバを干したものを削った粉です。こちらは、ひととおりできあがった後に、仕上げのトッピングとして振りかけます。カルボナーラにとっての黒コショウとかと同じような感じですね。
実は富士宮には、「富士宮やきそば学会」という秘密結社(嘘です)が存在し、
1:指定の蒸し麺を使う
2:肉かすを使う
3:削り粉をかける
という、焼きそば3原則が定義されています。正式には、このお約束を守ったものが、「富士宮やきそば」なのです。そのため、おみやげ用のパックには、だいたいこの3つがセットになって販売されています。
ちなみに、私は富士宮の民でありながら削り粉が苦手で、肉かすを入れるより普通に豚肉を入れた方が好きなので、こちらもいれてないのです。やきそば学会のみなさま、すみませぬ。
完全バージョンを見たい方は、ググってみてください。たくさんの画像がお腹を刺激してくれると思います。ひっかかったな。
さてさて、富士宮やきそばの麺は、ご当地グルメの代表格とはいえ、元々は普通にスーパーで売ってる蒸し麺です。一番なじみがあるのは「マルモ」さんの麺でしょうか。そのほかにも、「叶屋」さん「蘇我めん」さんの麺をよく見かけます。
この蒸し麺、普通に焼いあとに水やお湯をちょっとかけ、蒸し焼きにしていただくのですが、もちもちしておいしいのです。地元民は、焼きそばの麺はこういうものと思って育ってきているため、外にでて焼きそばを食べると、えっフニャフニャ! と驚くことになります。
焼きそばにするだけでなく、パスタ風にしてみたり、ラーメン風にしてみたり、茹でた後に水で〆てざるそば風にしてみたりと、いろいろな「麺」として調理したりもします。
お値段も非常にリーズナブルで冷凍も効くので、地元民が一人暮らしを始めると、たいてい実家からの救援物資内に入っています。非常に助かります。一度、市外に出た人間ほど、富士宮やきそばに愛着が湧くのかもしれません。
地元民の常食にしてB級グルメの初代王者、それが富士宮やきそばなのです。