奥田@有料版vol.440:明暗くっきりの2023年中間決算※本記事は無料で読めます
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<2023/12/20配信>
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奥田雅也の
「無料メルマガでは書けない法人保険営業ネタ」
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奥田@有料版vol.440:明暗くっきりの2023年中間決算
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いつもお世話になります。
奥田です。
生命保険会社42社の2023年中間決算状況が
出そろいましたので、恒例?のAREを
X(旧Twitter)へアップしました。
〇奥田Xポスト
今回の2023年中間決算は例年になく
明暗くっきりと分かれた内容となっていますw
詳細を確認する前に、
まずはこの表の解説から行います。
・主要生命保険会社の個人保険に関する
新契約ANPを集計しています。
・ANPとは「年換算保険料」の略で、
例えば月保険料が1万円の契約の場合、
ANPは1万円×12か月=12万円となります。
・「個人保険」とは、個人契約という意味ではなく、
個人年金や団体保険以外の一般的な生命保険契約であり、
この数字には法人契約も含まれます。
・表は上から2023年新契約ANPの多い順に
並べています。
・比較は2018年から各年度で行っています。
・2018年から比較をしている理由としては、
2018年以降の生保業界は毎年激動の1年を迎えており、
その影響を把握するために行っております。
各年度の状況は以下の通りです。
2018年は法人保険の「全損バブル」真っ最中でした。
2019年2月に例の「バレンタインショック」があり、
2019年9月ごろまで法人向け商品が販売停止になりました。
2020年は新型コロナウィルス感染症の拡大により
4月に緊急事態宣言が出され、保険営業が大幅に
制限された1年となりました。
2021年はコロナ禍が続いており、
営業活動がオンラインに移行した1年となりました。
2022年は春先からコロナの第七波が拡大し、
9月には入院給付金に対する特例措置を廃止しました。
・一番下にある「各社合計」は生命保険協会が
公表している全42社の合計値を入力しています。
・42社合計の「各社合計」の各年度比較が、
いわば業界平均値と見ることが出来ますので、
各年度比較において業界平均値を上回っている
年度について黄色で示しています。
この前提を確認して頂いて、2023年度中間決算の
状況を独断と偏見で分析していきます。
※100%奥田の個人的な見解である点はご留意くださいw
<勝ち組>
〇第一位 日本生命グループ
日本生命・大樹生命・はなさく生命の日本生命グループは
2018年以降、3社ともに業界平均を上回る数字を
叩き出しているというのは、グループ各社の強さを
表していると言って良いでしょう。
特に日本生命は、かんぽ生命の募集問題が出てからは
コロナ禍で数字を多少落としても圧倒的な数字で
No.1をキープしており、さすがとしか言いようがありません。
2023年中間決算資料を見ていると、
金融機関代理店での販売も伸びている様ですが、
何と言っても営業職員チャネルが業績を支えており、
さすがの組織力と言えるでしょう。
ニッセイグループの中での注目は
セカンドブランドであるはなさく生命で、
開業から順調に業績を伸ばしています。
ただ主戦場が競争の激しい第三分野商品であり、
他生保の激しい攻勢に晒されている現状を踏まえると、
2023年度の最終決算でどのような着地になるか?は
見ものです・・・
何やら変額系の新商品を投入するというウワサも出ており、
2024年3月末までの動向は目が離せないですね・・・
〇第二位 メットライフ生命
メットライフ生命は米国の高金利の恩恵を受けて
一時払いドル終身がかなり好調だったのでは?と推測します。
メットライフ生命も日本生命と同様に金融機関代理店があり
こちらでのドル建て商品がかなり売れたでしょうし、
実際に代理店もかなり販売したと思われます。
メットライフは12月から新型のがん保険を投入し、
商品競争力はそれなりに高そうなので、
こちらも2024年3月末までの業績に貢献しそうな
気配がありますので、日本生命と同様に堅調な
業績が続きそうな気配は十分にあります。
〇第三位 チューリッヒ生命
一時期はセカンドブランド生保の激しい攻勢に押され、
かなり業績を落としていたチューリッヒ生命ですが
V字回復と言っても過言ではないくらいに
新契約は回復しました。
チューリッヒ生命のリリースを見ていると、
半期における新契約獲得件数が
2022年は4.5万件に対して2023年は10.3万件と
大幅に伸びており、2023年度の新契約ANPの
88%が第三分野であることからみて、
リニューアルした医療保険と緩和医療が
業績を支えたと言えるのではないでしょうか?
ただ第三分野商品は過当競争になっており、
乗合代理店を中心に良い商品が出た瞬間に
販売トレンドが一変しますので、
この業績がどこまで継続するか?は
他社の商品動向次第と言えるのではないでしょうか?
<健闘組>
〇第一フロンティア生命
勝ち組に入れても良いレベルで
実績を叩き出しているのが第一フロンティア生命です。
第一生命グループが苦戦をしている中で、
グループ内生保において唯一気を吐いている
と言って良い業績です。
一時払い商品が中心なので、
金融機関代理店が中心かと思いきや、
生保プロ代理店の乗合数もかなり増えており、
今後の業績推移も目が離せないですね・・・
〇アクサ生命
業績的には前述の保険会社に比べると
多少は見劣りしますが、
それでも確実に新契約を積み上げているのが
アクサ生命です。
リリース資料をみていますと、
この1年間で変額保険の保有件数が
13.4万件も増えている実態を見ますと、
アクサ生命の業績を支えているのは
各種変額保険と言っても過言ではないかも
知れません・・・
変額保険の危険性については幣メルマガで
何度も解説してきましたので、
詳しくはそちらをご参照くださいm(__)m
業績は堅調ですが、変額保険頼みという
状況は個人的には首をかしげますね・・・
<苦戦組>
第一位 エヌエヌ生命
2023年2月に業務改善命令が出された
エヌエヌ生命が苦戦組の第一位と
言って良いでしょう・・・
法人向け商品で税効果訴求による販売が
完全に封じ込められて、業績を落とした
保険会社が多くあります。
ただマニュライフ生命は完全に個人向けの
資産形成商品がメインの保険会社へ
生まれ変わりつつありますし、
ネオファースト生命も第三分野を中心にした
保障系商品に舵を切りましたので、
まだ良いですが、エヌエヌ生命だけが
一歩取り残された状況になっています。
金融庁が出した業務改善命令にも
「今後のビジネスモデルのあり方に係る検討」
をする様にと書かれており、
今後の動向には注目したい保険会社です。
第二位 FWD生命・三井住友海上あいおい生命
両社ともに決め手となる商品がないという点で
同率の2位にしてみました。
両社の商品をすべて精査した訳ではないのですが、
特定のニーズに対してはそれなりに良い商品は
あるものの、保険料自体がそれほど多く取れる
商品ではないために、苦戦しているものと思われます。
実際にFWD生命は新契約件数を前年比81%と
落としていますし、あいおい生命は
件数ベースでは104%と伸ばしてはいますが、
ANPベースでは101.5%しか伸びていない
実態を考えますと、あいおい生命は
契約単価が伸びていない点が苦戦要因では
ないでしょうか・・・
新契約件数とANPを減らしているFWD生命は
商品もさることながら、販売チャネルの
再構築が必要かも知れませんね・・・
第三位 オリックス生命
オリックス生命は、
第三分野商品においては過当競争に巻き込まれ、
第一分野商品においては強みが出し切れずに
2023年中間決算においては、
苦戦している状況が明らかになりました。
そんな中、11月に終身保険を改定し、
かなり内容は良くなりましたので、
2024年3月末までには回復する兆しが
見えているのは良い傾向だと思います。
ただ唯一の懸念材料は、良い終身保険を
販売力のある募集人にキチンと訴求が
出来るかどうか?であり、
これさえ出来れば業績は伸ばせると思います。
いかがでしたでしょうか?
個別にツッコミたい保険会社は
まだまだたくさんありますが、
とりあえずはこれくらいにしておきますw
各社の新契約ANPの推移を見ていますと、
各社の商品戦略は販売戦略の答え合わせが
出来ますので、見ていて飽きないですね。
2023年度の決算が出そろう来年6月が
楽しみですね!
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編┃集┃後┃記┃
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今年の2023年半期集計は
本当に味わい深いので、
この表を語り合う飲み会を
やりたいくらいですw
立場によって見えている景色が違うでしょうから、
皆さんの意見もお伺いしたいですね~
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