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奥田@有料版vol.189: 本当の被害者【本記事は無料で読めます】

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<2019/02/20 配信>

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奥田雅也の
「無料メルマガでは書けない法人保険営業ネタ」
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奥田@有料版vol.189: 本当の被害者
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いつもお世話になります。
奥田です。


生命保険業界で
先週より起きている事については
すでにご存じですが、
事実関係を含めて現時点までの
流れを整理しておきます。


2月13日 20:13
日本経済新聞Webより


日本生命保険など
生命保険各社は13日、
節税目的の加入が増えている
経営者保険の販売を
一時取りやめることを決めた。

国税庁が同保険の
税務上の取り扱いを見直し、
支払った保険料を
損金算入できる範囲に
制限をかける検討を始めるため。

中小企業の節税ニーズをとらえて
市場が急拡大してきたが、
転機を迎える。

日本生命のほか第一生命保険や
明治安田生命保険、住友生命保険が
解約時の返戻率が50%を超える
法人向け保険の販売を14日から停止する。

外資系のメットライフ生命保険なども
販売を止める。

国税庁が13日、
同保険の課税方法を定めた通達を
見直す考えを生保各社に伝えた。

各社は見直し案が固まるまで
販売を自粛する方向だ。

販売を停止する経営者保険は
中小企業が契約主体となり、
経営者が死亡すると
数億円単位の保険金が支払われる。

保険料を全額会社の損金に算入でき、
途中解約すると
保険料の大部分が戻ってくる設計で、
実態は節税目的の利用が多い。

国税庁は解約時に
保険料の大部分が戻る
前提の商品については、
保険料を損金ではなく
資産として計上すべきだとの考え。

現在の商品が保険料の全額を
損金処理できる点を問題視している。

法人の保険料の税務上の取り扱いを
定めた通達を見直して制限をかける。

節税保険は中小企業経営者のニーズをつかみ、
市場規模が数千億円にまで拡大。

金融庁が節税効果を強調した
販売手法などを問題視し、
各社は商品設計や販売手法を
見直す準備に入っていた。

国税庁が商品の根幹である
税の取り扱いを見直すことで、
より根本的な見直しを迫られた。

節税効果の高い経営者保険は過去にも登場し、
その度に国税庁が規制を重ねてきた。

今回は日本生命が2017年に出した
新商品「プラチナフェニックス」
をきっかけに各社がこぞって
商品を投入した。

(引用終わり)


2月13日の16時より生命保険協会にて
全保険会社を集めた「拡大税制研究会」が
開催され、国税庁側からの意向が
出席した保険会社に伝えられています。


拡大税制研究会はいきなり
開催される訳ではなく、
少なくとも1週間前に各社へ開催の
意向が生命保険協会より伝えられますので、
6日ごろに各社へ連絡が
行っていたと思われます。


この拡大税制研究会で配布された資料を
見る機会があったのですが、
この中で国税庁側から
「見直しの基本方針」が明示されています。

〇満期返戻金のない
保険商品全般を対象にして
単一的かつ普遍的なルールを作る。

〇契約者が把握可能な指標に基づく
シンプルなルールとする

〇課税上弊害がないと考えられるものは
全額損金算入という現行の取扱いを
維持する。

との内容が記載されていました。


さらに検討するポイントしては、

〇現在の個別通達
(長期平準・逓増定期・がん・医療)及び
文書回答(長期傷害)は廃止して、
単一的な資産計上ルールを作る

〇法人を契約者として役員または使用人を
被保険者とする契約のうち保険期間3年以上の
定期保険と第三分野保険で、
満期返戻金がなく保険料が給与とならない
契約を対象にする。

〇ピーク時の解約返戻率が50%を超える商品を
対象とし、50%以下の商品については
全損処理を認める。

〇資産計上の方法は
契約から一定期間までで、
資産計上額はピーク時の
解約返戻率に応じた金額

〇適用日は以後の契約とすると
以後の支払保険料からとするかは未定

との記載がありました。


この内容を踏まえまして
2月14日より大手4社を筆頭に
各社ともに全額損金系の商品を
中心に販売を停止しました。


一部保険会社では、
慎重を期して保険期間10年超の
契約はすべて販売停止に
しているところもあります。


私が把握しているだけで、
すべての保険会社で
全額損金の商品は販売停止となり、
現在提案中・手続き中の契約も
月内ですべての
保険会社で停止となります。


これらを踏まえまして
「通達がいつ出るのか?」
「どんな内容の通達が出るのか?」
という憶測が業界内では
飛び交っております。


まぁこの内容は未確定要素が多いので
ここで書く必要はありませんが、
今回の一連の騒動を受けて
「誰が一番の被害者か?」
という事を書いておく必要があります。


これは間違いなく
中小零細企業の経営者が
一番の被害者です。


新聞報道では「節税保険」などと
事実ではない書き方をして
煽っていますが、
まずそもそも全額損金の生命保険は
「課税の先送り」であって
節税にはなりません。


しかも法律が認めている
税金が安くなる行為を
「節税」と位置づけられるので、
節税は悪い事ではないはずです。


それをマスコミ各社は
「節税=悪」
そしてそれを活用している
「経営者は悪い」と
連想させるような記事を
乱発しています。


生命保険を使った課税の繰延は
企業経営における財務戦略としては
非常に重要です。


日本の税制は赤字になっても
税金は補てんされず、
将来に挙がった利益から
税金を安くしてくれるシステムです。


経営者は誰も赤字にしたいとは
思っていません。


ですが天災や経済環境の変化、
突発的な事故や取引先の倒産など
やむを得ない事情で赤字になる事は
十分にあり得ます。


その時に生命保険を活用して
形成した「簿外資産」を取り崩して
補てんをするという活用は
安定経営においては当たり前の事です。


ただこの活用を「悪用」したのが
生命保険会社である
我々、保険募集人です。


財務戦略に生命保険が活用できるので、
途中で解約した時に支払われる
解約返戻金がより多くなるような
設計をしたり、保険料が不必要に
高額になるような設計をして、
販売をする様になりました。


そしてそれらの保険商品を販売する
生命保険募集人が、
本当にこの保険を活用すべき
法人だけでなく、
本来であれば活用してはいけない様な
法人に対しても販売を行い、
営業成績や販売手数料を稼いできた
という事実は隠せません。


この一連の流れについて
度が過ぎてきたので
金融庁と国税庁が動き出して
ストップを掛けたというのが
今回の顛末です。


ここで私が声を大にして言いたいのは、
今回の騒動で置き去りされているのは
契約者である経営者で、
一番の被害者も経営者であるという事です。


前述の通り安定経営のためには
財務的な活用としての生命保険は
非常に良いツールでした。


そして自助努力として、
ご自身の退職金を準備するのも
生命保険は最適なツールでした。


経営者としてとることが出来る
重要な選択肢を
生保業界の過当競争により
奪われてしまったのです。


私は講演は本メルマガで
「法人所得800万円以下の法人は
利益を出して納税すべきであり、
生命保険を活用した課税の繰延は
行うべきではない」
と言い続けてきました。


ですが、そんな主張は全く関係なく
販売され続けてきたのは事実です・・・・


金融庁と国税庁のおかげで?
生命保険業界は少しはまともな
方向へ動き出しそうですが、
置き去りにされた経営者には
業界人として本当に申し訳ない
気持ちになります。

<オススメ情報>

〇新日本保険新聞社さんセミナーで
講演をします。

2日間で開業医マーケット開拓の
基礎を徹底的にお話しますので
ご興味のある方はぜひどうぞ!

https://www.shinnihon-ins.co.jp/seminar/school/okuda_medical/


〇私が理事を務めています
日本リスクマネジャー&コンサルタント協会の
セミナーで講演をします。

テーマは二つあり、
「保険財務講座」と「法人生保講座」です。

今回の改正をふまえた内容に
全面的に変更しますので、
一度聞かれた方もぜひお越しください!


「保険財務講座」
https://rmcaj.net/authorization/hokenzaimu.html

「法人生保講座」
https://rmcaj.net/authorization/seiho.html


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編┃集┃後┃記┃
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いろいろな情報が飛び交っておりますが、
パブコメ発表は3月中旬くらいに
なりそうという未確認情報もあります・・・


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配信責任者
株式会社サンライズコーポレーション
メールマガジン配信事務局 奥田

info@kigyouhoken.net
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奥田雅也
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