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気がつけばちぎり絵作家
はじめまして。
ちぎり絵作家のウメチギリと申します。
28歳の時に、それまで務めていた養護学校を退職し作家活動を始めました。
今はただひたすら和紙をちぎって作品を作っている日々です。
全くの素人からスタートした私が、おそろしいことに2010年にはNHKまる得マガジンにて自己流で楽しむちぎり絵講座の講師を務めることに。
いやいや、教えるなんておこがましいです、だって、自己流ですよ?
と思っていたのですが、私の作風を気に入って採用して下さった当時の関係者の方々には本当に感謝しています。
それからいろんなご縁が繋がって私の仕事の幅も広がりました。
初めましてのお仕事の時には雑談の中で必ずといって良いほど
「どうしてちぎり絵作家になったんですか?」
「キッカケは何ですか?」
という質問を受けます。
ですよねー。
イラストレーターでもなければ画家でもなく
ピンポイントにちぎり絵作家ですから(笑)
そして「ちぎり絵って山下清のやつですよね」といわれることも多々。
ちぎり絵と言えば山下清といっても過言じゃないくらい代名詞的なイメージがあるのも確かです。
実際、美術館で開催される山下清展の会期中に
ちぎり絵講座をして欲しいという依頼を頂いたこともありました。
でもいろいろ調べてみるともっと細かく分かれているようで
和紙ちぎり絵
和紙絵
もざいく絵
貼り絵
等々、それぞれの定義もあったりしてちょっとややこしい。
よく言われる「うちのおばあちゃんもやってました!」的なアレは、カルチャースクールなんかで開催されている全国規模で展開しているちぎり絵講座で、きれいな水彩画や油絵のように花瓶に生けられたお花や写実的な動物、風景など一度は目にしたことがあるはず。
でも私の作品はそれらとはちょっと違っていて
独学で作り上げた技法なので「ちぎり絵作家」などと名乗るのは、本来であれば間違っているのかもしれないなーと気にしたりして。
それで言い訳がましく、名刺に「ウメツがチギっているからウメチギリ」なんてキャッチコピーみたいな言葉を添えていた時期もありました。
スズキさんがチギればスズチギリ
サトウさんがチギればサトチギリ
ハラダさんがチギればハラチギリ
になるわけです。
ちなみにウメチギリをうっかり平仮名で「うめちぎり」と入力すると、ブドウ狩りやイチゴ狩りのようにたくさんの梅をちぎる(摘む)情報が提供されますのであしからず。
というわけで、独学で、というよりなんの基礎もない自己流でちぎり絵の作家活動を始めることとなった私ですが、実のところは、学んでいる時間などないくらいのスピードで私のいびつなちぎり絵が世に出ることとなる、ある出来事があったのです。
その事があったおかげで、結果的に周りの方々から「ちぎり絵作家にして頂いた」というのが正直なところ。
でも、これもご縁だなと本当に感謝しています。
ここではこうした「ウメチギリ」という作家が生まれるまでの様々なエピソードや日々の想いを書いていけたらと思っています。
どうぞよろしくお願い致します。