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3人目の出産予定日まであと3日、単身赴任家庭のマタニティライフを振り返って

まもなく3人目の子どもが産まれます。保育園児2人との単身赴任家庭生活の中で授かった命。10ヶ月間のマタニティライフを、徒然なるままに振り返ります。


Sunnyという陽の光

2021年、夏前のこと。
あなたがお腹にいるとわかった時、陽の光がわぁーっと射したようだった。

検査薬を買ってきて、あと2日は待つつもりだったけれど、
朝起きると、「ママー!ここにいるよー!」とお腹から聞こえた気がした。

もういっか、という気持ちで試したら・・・いたーー-!

自分の中に新しい命が宿ったことが言葉にできない程うれしくて、涙があふれ出た。
すぐにパパとあーちゃん(おばあちゃん)に電話して、
「よかった、よかった!!」と喜びをわかち合った。

あなたがママのお腹に宿る半年くらい前に、パパは100km遠い場所へ転勤になってしまった。
まだお姉ちゃん4歳、お兄ちゃん2歳。コロナが流行し始めて半年後、
突然、単身赴任家庭は始まった。

ご飯の準備も着替えもまだ自分ではできない、
お風呂に入ることも、眠ることも、お留守番も、二人でもまだできない子どもたちを、完全にワンオペでみることに・・・。

ママは在宅勤務が多いものの、働きながら、保育園児2人をみながらのワンオペ生活。パパがいなくなった生活に、それぞれが我慢ガマンだった。

初めのうちは、パパは遠くへ出張に行ってる、ということにして、
子どもたちに少しでも淋しい思いをさせないよう、気をつけてたなぁ。
でも、、、実はママが一番淋しかったのかもしれない(笑)

半年経って、やっと生活リズムがつめたかな?という時。
いろいろなことがあってママは、この先どうしよう・・・と壁にぶち当たっていた。

そんな時に、あなたはやってきた。だから、陽の光だったのかも。

初めての検診、
コロナ禍でパパは初診だけ付き添いOKで、2人してあなたをエコーでみた。
まだ姿は見えないけれど、先生が、
「おめでとうです!3.2mmありますね〜」と言った。

その日から、パパが「サン テン ニミリ」って何度も呼ぶもんだから、
せめてニックネームをつけてあげたいと思って・・・
陽の光が射した感覚と3.2mmをかけて、
「Sunny(サニー)」にした。


赤ちゃんがくる

7月になって、子どもたちにお腹に赤ちゃんがいることを伝えた時、
「Sunnyちゃんです!」と紹介した。

お姉ちゃんは「うちに赤ちゃんがくるー!三人兄弟だぁー!」と大喜び、
お兄ちゃんは「・・・(受け入れたくない)」、
反応がぱっかりわかれた(笑)

その前の週あたりからお兄ちゃんは、保育園の玄関でバイバイできなくなって毎日泣きながら先生に回収されていくようになっていた。
もうお腹にいること、わかっていたんだよね。
ママはつわりが始まっていて、涙のお別れの儀式だけで毎朝汗びっしょり。

保育園の先生たちが、
「お父さんがいないだけでも大変でしょうから、無理せずに。私たちもケアしていきますね」と、温かく見守ってくださったのが本当に大きな支えに。

マタニティマークを付けてるのに気づいた保育園のママ友からも、
「できることがあったら言ってね!」
「○○ちゃんママから赤ちゃんできたって聞いたよ、無理しないでね」
と、声をかけてくれた。それがどんなにありがたかったか。

 

記憶のない夏、そして子どもたちの目覚しい成長

8月になるとつわりはピークに。夏のつわりは初めてで、温風が気持ち悪さを倍増させた。。

1人目の時は吐き気で食べられずマイナス4kg、2人目は一瞬で終わった。
そして3人目、猛烈な吐き気と眠気。
正直、夏の記憶はほぼない・・・・・毎日どうやって生活してたのか?

あまりの辛さに、
「1日で良いから誰か変わってくれー!!」と初めて思った(笑)
それでもパパはいない、一人で生活も仕事も回さないといけない、コロナ第5波で自分の母さえ呼べない状況に、
ただただ一人で、耐えて耐えて何とかするしかなかった。
そこには猫の手もプランBも存在せず、本当に一人だった。 

そして仕事はお盆休みもないくらい忙しかった。
仕事中は集中していたけれど、保育園の送り迎えをして、ご飯を食べさせて、お風呂に入れて、布団を敷いて寝かしつけて・・・
どうやって回してたんだっけ?

ちょうど東京オリンピックの頃で、でもどんなだったか、記憶が断片的にしかなくて。
「海で石に座って波と遊んだじゃん!」と、お姉ちゃんに言われて、
そっか海には行けたんだった・・・と思い出すレベル(笑)

時間さえあればひたすら寝ているママの姿を見て、お姉ちゃんもお兄ちゃんも、ただならぬことが起きていると思っていたよう。
出かけられない中で、いったい何本の映画を観ただろうね。

唯一の救いは、お姉ちゃんもお兄ちゃんもこの頃から、
ものすごくお手伝いをしてくれるようになったこと。
夜ご飯を出したり下げたり、お洗濯物をたたんでくれたり。
お兄ちゃんは自分でお着替えができるように急成長。

 気持ち悪くてお風呂を溜められない日は、お姉ちゃんがお兄ちゃんをシャワーしてくれたこともあった。
お風呂の蒸気がとにかく気持ち悪くて結局、冬になるまで換気扇をつけながらお風呂に入っていた(笑)

この頃、パパが育休を取ると言い出した。
うれしさ半分、本当に取れんの? 疑い半分(笑)
会社との調整は必要だけど、ダメ元で半年で出してみることに。
案の定、すんなりは通らずペンディングになった。


安定期に突入、でもでもつわりは続くよ

9月に安定期に入って、ようやく職場でもオープンに。
でもでもつわりは収まらず・・・
少しずつ軽くなったものの、結局、12月あたまに産休に入る直前までつわりは続いたよー。

秋は運動会やお兄ちゃんのバースデーと、イベント盛りだくさん。
お腹が出始めたら、お兄ちゃんはやっと、
「Sunnyちゃん、生まれてくるね!」と、認めてくれた。

4歳の誕生日を境にまるで、
「僕はお兄ちゃんになる」と決心したかのように、もう一段、成長した。

 11月に入って、パパと産前ラストのデートをしたり、家族写真とマタニティフォトを残したり。あなたがお腹にいた記憶と記録を残した。

3人目だからいいだろう、じゃなくて、
3人目だからできることを。

マタニティフォトは、パパが残そうって言い出して、フォトスタジオの人と何度か打合せて、良い写真が残せたね。

そして、3人目だからある程度の予想はしてたけれど、
お腹が出るスピードも早くて、出具合もぐぐっと突き出てて、
この頃にはガードルを履かないと出かけるのがきつい、という感じに。
子どもたちとのお風呂も、すでに4人で入ってる感じに(笑) 

そして迎えた仕事の最終勤務日。挨拶回りは最低限だったけど、社長たちにも直接挨拶できた。終業15分前までメールを送って、最後までやり切った。

最終日の帰りは、パパがお姉ちゃんたちと車で迎えに来てくれて、ママの妹たちも駆けつけてくれて、みんなでディナーをして締めくくったね!

働きながら、ワンオペ育児しながらでも、よくここまで耐えて大きくなってくれたと、あなたには感謝しかなかった。

そしてパパの半年育休に、ついにOKが出た!


そして訪れた産前休

産前休に入って早速、お兄ちゃんが39度の熱。初日から小児科に連れて行き、まさかの帰りのタクシーが手配できず、バスを乗り継いで帰ったね。
たしかお兄ちゃんが生まれる前の産前休も、休みに入った途端にお姉ちゃんが熱を出した。子どもは子どもなりに我慢してるんだよね、きっと。

12月はまだコロナが落ち着いていて、会いたかった人に会いに行ったり、
オンラインで人と話したり。その間、うれしそうにお腹をキックキック!
夜中のキックも相変わらず凄まじく・・・。 

年末年始は、パパの実家で無事に過ごせて良かった。
そして年明け、プチ事件が起こった。 

連休後に、パパのいない生活に戻り、
「もし生まれそうになったり、何かあったらどうしよう・・・」
と、どっと不安が押し寄せてきた。

 週末、パパが帰ってきて夕食を食べながらその気持ちを口にしてみた。
すると、
「人間、頑張る時は頑張る。我慢する時は我慢しないと」って。 

自分の中で夏から何度も何度もつなぎ留めてきた心の中の糸が、
「プツン」と、音を立てて切れたのが、ハッキリとわかった。
気づいたら涙が止まらなくなって、心にボッコリ穴が空いたようだった。

 翌朝、ママは普通に起きれなかった。起きたくなかった。
その日は一人になりたくて、と言いつつあなたと二人で過ごしたよね。

夕方になった帰り道、バイパスを運転しながら沈む夕陽を見て、
「Sunnyは、戦友だもんね!」と話しかけた。
気づいたら、この10ヶ月いつもそばにいてくれ、ともに闘ってきた
“戦友”になっていた。

帰ってから、いつものように夕食をみんなで食べた。
パパは、「ゴメンね」って、わかってくれたよ。

そして臨月に入ってからは、なるべく在宅勤務や有給を増やせないか考えて調整してくれた。


臨月、つながりは太く

1月最終週、臨月に入った。お腹はまだまだ前に迫り出して、毎週ある検診で+200gずつ増量。キックも相変わらず、ものすごくて。元気な証拠。

夜中、静かに眠るようになってくれたけど、
お腹をよいしょ!と持ち上げて寝返りを打つために1〜2時間おきに起きてしまう。夜中、必ずトイレに行かないといけなくなってきた。
体は着実に、あなたを迎える準備をしてる。 

会社はお休みに入ったけれど、複業でライティングの仕事が入ったり、勉強会のスピーカーに呼んでいただいたり、一緒にいろいろ動いたね。
強烈なキックがある度に、体調は大丈夫か?、あなたと自分に問いかけながら。

ちょうどお腹の中の赤ちゃんと対話するレクチャーがあって、それを機に
あなたの気持ちがそれまでよりもわかるようになった。
つながりが太くなって、
キックの感覚や、体が固くなった時に、なーんとなくだけど、気持ちがわかる気がする。
お腹の中で、もぞーんと気持ちよさそうに泳いで、浮かんで、寝て。
あなたの命が私の中にいる心地、感覚から感じ取ることが増えた。
このつながりが生まれて出てきてからも、続くのかな。


ついにパパが半年の育休に

そして、2月に入って初めての週末。ついにパパの半年の育休がスタート。

“パパが毎日、家にいる”

それがどんだけ温かくて、安心で、私たちが待ち望んでいたことか。
でも初めの一週間は、意外とみんな実感がなかった(笑)

保育園で学級閉鎖が出たこともあって、2月になってからはお姉ちゃんとお兄ちゃんは自主的にお休み。
2人が家にいながら、毎食ご飯を作る大変さよー。
けどこうやって4人で食卓を囲むのもあと数日かぁ、と思いながら。


戦友との10ヶ月

妊娠期間の10ヶ月と言うは、人生の中で本当に短い。
過ぎてしまえば、つわりの辛さもあっという間。
だから、いいだろう、何とかなるだろうと言う人もたしかにいる。 

でも、短いからこそ、
その赤ちゃんとお母さんにとって、10ヶ月間に全てが詰まってるからこそ、
周りの人たちが、小さくてもできることを、
ケアしてあげられる、声をかけ合える世の中になることを、
日本がもっとそうなっていくことを切に願う。

妊娠も出産も、そして育児も、
子どもができるということは
ママと子どもだけのものではなくて。
そこにはパパや周囲の人がいて、関わって生きていくということ。
パパや周囲の人に関係する人も、実は間接的に関わって影響することを知っていてほしい。


今はSNSで世界中の人たちとつながっていて、本当にありがたいことに応援や気遣いのメッセージが届く。
みんなに見守られて、今ここにある命だってこと、
生まれてから、大きくなってからもよーく伝えたい。 

Sunny、あなたと過ごした10ヶ月は長かった。
長かったけど、いろんなことが、ぎゅぎゅうーっと詰まった時間だった。
陽の光という希望を、私たち家族と、周りの人たちに運んできてくれて、
本当にありがとう。

そして、よくぞここまで順調に大きくなってくれました!

あと3日で会えるね。


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Umenote / Umeno Khan
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