73冊目:青のフラッグ/KAITO
こんばんは、Umenogummiです。
今日は、現代の男女関係やLGBTに切り込んだこちらのマンガを紹介します。
青のフラッグ/KAITO 作
高校三年生の太一、桃真(トーマ)、二葉の3人が同じクラスになったことから、それぞれの恋心を巡る葛藤やすれ違い、さらには周囲の同級生たちの人間関係を複雑に描かれた作品です。
とあるきっかけから、トーマのことが好きなクラスメイトの二葉の恋の相談に乗ることになった太一。太一とトーマは幼馴染ですが、運動神経が良く人気者のトーマに劣等感を感じ、徐々に疎遠になっています。しかし、同じクラスになったことと、二葉の恋の協力者になったことから、太一とトーマは昔のように仲良く
しかし月日が経つにつれ、3人の関係に微妙な変化が。
太一は不器用ながらも一生懸命な二葉に惹かれ、二葉も自分は本当にトーマが好きなのか、ただのあこがれなのか悩みます。
そしてトーマも心に秘めた、だれにも打ち明けられないある思いがありました。
そんなトーマの気持ちを唯一理解しているのが、二葉の親友・真澄なのですが、彼女も複雑な思いを抱えています。
2学期になると、トーマのことが好きな同級生・マミが太一に絡んでくるようになります。このマミちゃんが、爆弾娘。なんというかすごい。パワフルで明るく、いわゆるリア充な感じなのですが、ゲームをきっかけに太一たちと仲良くなります。マミもまた、トーマや真澄、太一と二葉とは違った、やりきれない気持ちを持っていて、物語の中盤でそれが爆発。それがトーマの隠していた秘密へと飛び火して、一気に物語が複雑になってゆきます。
人間関係に悩む思春期の若者たちの姿が描かれているのですが、口汚くののしりあったり、正直見ていて気持ちのいいものではない場面も出てきます。以前、「真剣10代しゃべり場」という番組がありましたが、それを地で行くようなリアルなやり取りが、後半多々出てきます。
ラストは太一が選んだ、太一の「選びたい未来」の、とある衝撃の結末が描かれます。とても現代的で、きれいな終わり方だったと思います。
この物語はすごく嫌悪感を覚える人もいれば、深く共感する人もいると思います。でもそれでいいんだと思います。人それぞれ感じ方があって、思いがあって、だれかを好きになって、嫌いになって、そんな風に生きていくのだから。
現代の生き方について、いろいろなことを考えさせてくれるマンガです。