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150冊目:九龍ジェネリックロマンス/眉月じゅん

こんばんは、Umenogummiです。


今日は香港・九龍を舞台にした不思議なラブロマンスです。



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九龍ジェネリックロマンス/眉月じゅん 



どこか懐かしい街・九龍で暮らす鯨井玲子は、スイカと煙草が好きな、不動産会社・旺来地産に勤める女性です。ある日彼女は、眼鏡の度が合わなくなっていることに気が付きます。それは視力が落ちたのではなく、視力が上がり2.0になったためでした。

同僚の工藤発は、粗暴ですが面倒見がよく、玲子に強く当たりながらも昼食をおごったり、金魚を贈ったりしています。
ある日終業後に工藤と訪れた喫茶店で、玲子は好物のスイカを出されご機嫌に。しかし、工藤はどこか物憂げな表情をしています。帰り際、店員にお礼を言うと、店員に「工藤さんがまた彼女を連れてきてくれてうれしい」と言われ、玲子は勘違いされていると思います。


玲子は自分と工藤が仲睦まじく写る写真を見つけたことをきっかけに、自分に過去の記憶がないことに気がつきます。戸惑う玲子を救ったのは、不動産会社が管理する物件で暮らす女性・楊明でした。彼女は全身整形をしているといい、過去の自分は捨てたと言い放ちます

どれが私で私じゃないかは私が決める

玲子はその一言に救われ、二人は親しくなります。


九龍上空にはジェネリック地球(テラ)と呼ばれる建物が建設中で、近頃急速に成長している蛇沼製薬がその建設にアドバイザーとして携わることになります。優待券をもらったことをきっかけに、玲子は蛇沼グループ代表の蛇沼みゆきの美容カウンセリングを受けます。そこで気になっていた目元のしわについて相談すると「あなたのしわには歴史がない。ただの溝」と指摘され、動揺します。



序盤は九龍や玲子の生活が丁寧に紹介されていて、どこか懐かしい雰囲気が漂っています。1巻の終わりごろから徐々に工藤と玲子、そして九龍という町が秘めているものに焦点が当たっていき、謎が深まっていきます。さらに蛇沼の登場で、怪しさに拍車がかかっていきます。

大人の恋愛事情と九龍という謎めいた町が織り成す不思議な物語です。

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