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274冊目:ピアノの森/一色まこと
こんばんは、Umenogummiです。
今日はこちらの作品です。
ピアノの森/一色まこと 作
あらすじ
祖母の病気のために東京から転校してきたピアニストを志す雨宮修平は、学校のそばにある森に幽霊が出て、誰かが音が出ないはずのピアノを弾いているという噂を聞きます。
修平はガキ大将である金平から、度胸試しとしてピアノを弾いてこいと言われてしまいます。
その時、クラスメイトの一ノ瀬海から「あのピアノは自分のピアノで、音が出るから安心していい」といわれますが、金平は激昂し、2人は大喧嘩になります。
子ども嫌いと言う音楽教師・阿字野壮介が来たことで金平たちは帰宅しますが、海はピアノの下で泣きじゃくっていました。
阿字野は自分が編曲した茶色の小瓶を弾きますが、演奏をミスしてしまいます。更にその事ともうひとつのミスを海に指摘され、阿字野を驚愕させます。
翌日、修平はまだ度胸試しをしていないことから、学校に行きたくない気持ちを押して登校します。登校中、再会した海からどうせ行くなら今から行こうと誘われ、修平は海につれられ森のピアノの元へ向かいます。
そこは、ちょうどピアノの部分にだけまるでステージのように光がさしている幻想的な場所でした。ワクワクしながらピアノに向かう修平でしたが、音は出ません。しかし、海がピアノを弾いてみるときれいな音が森中に響き渡ります。
海と一緒に学校へと戻り、修平は「ピアノを弾いたが音が出なかった」と金平に伝えますが、証拠を求められます。海が自分が証人だといいますが、「インバイの子は証人にはなれない」と金平が言ったことで、二人はまた殴り合いの大喧嘩をします。
海は森のそばにある色町、通称森の端で生まれ育ったために、そのように呼ばれているのでした。修平は15で海を産んだという海の母・怜子から海が一度家の窓から落ち、木の下にあったピアノの上で遊んでいたという話を聞きます。それから暇さえあればピアノを弾いているという海に対し、レッスンがそんなに好きではない修平は勝てないと思います。
しかし、修平は自宅で海にピアノを弾かせてみると、機関銃の様な激しい音で、森のピアノのよう弾くことができません。
さらに帰宅した修平の母の前で、二人で阿字野の話題が出ると、修平の母は目の色を変えます。阿字野は実は、かつて音大生たちのあこがれで、事故で婚約者を失い、自身もケガをし引退したという高名なピアニストでした。
感想
マンガなので全く音は聴こえないはずなのに、なぜだかピアノの音が聞こえてくるような気がしてきます。
修平は海と出会ったことで海外でピアニストとして学ぶことを志し、阿字野は海にピアノを教えることでピアノへの情熱を取り戻していきます。海もまた、二人と出会ったことで色町出身という出自を超え、真剣にピアノと向き合うようになります。
修平と海の友達であり、ライバルでもあるという関係性がすごくいいです。日本では丸山誉子、海外ではパン・ウェイなど、さまざまなライバルたちが登場し、5年に一度開催されるというショパン・コンクールでしのぎを削ることになります。
リンク
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