効率よりも充実で楽に生きる
私達は一年に一つずつ必ず齢を重ねます。
20代の若かった身体もいつしか40代50代、70代80代となります。
当然ですが加齢は病気ではありません。
人生の道すがら病気になることがあるとすれば、いつまでも若いつもりでつい無理をしてしまうことでしょう。
40代や50代で大病してしまう人の多くは、体が陽から陰に変化しようとする時につい無理をしてしまっています。
ところで、自動車と歩行者の交通事故が一日のうちで最も多いのは、夕暮れ時です。
夕暮れ時とは、ちょうどこれから夜にさしかかる時間帯、つまり陽から陰になるタイミングです。
その頃に、運転席から歩行者の様子が見えにくくなるのと同じように、人生の夕暮れ時も、自分の体で起きていることが見えにくくなるなるのです。
そんな人生の夕暮れ時に、まるで不調のデパートのように不調をたくさん抱えた人がいます。
そんな人に出会うと、「ああ、かわいそうだ、なんとか救ってあげたい。」と思います。
でも、ふと考えることがあります。
もしかするとそんな人は、身体からラブレターをたくさんもらっているようなものなのかもしれないな、と。
ラブレターをもらえない人もたくさんいます。
ラブレターは届いて初めて相手を意識します。
本当はもらえない人の方こそが、かわいそうなのかもしれないな、、そんなことがふと私の頭をよぎるのです。
いつも丈夫で健康な人が急に病気をすると、いつどこへ行けば早く治るのか、最短で何日で仕事に復帰できるかを知りたがります。
つまり、効率や結果、そして未来を求める思考になっています。
しかし、考えてみて下さい。
例えば、生まれつき足の悪い人、目の見えない人、まして病気でいつも生命を脅かされているような人がそんなことを考えるでしょうか。
きっと、そんなことはどうでもいい、と思っています。
「今日生きていることが素晴らしい」
「今日気分がいいことが一番の幸せだ」と思っています。
さて、どちらが本当の健康でしょうか。
皆様の健康を心よりお祈りいたします。
名古屋伝統指圧普及会
うめむら指圧
梅村高史
(この文章は、2024年7月7日に行われた“巡る整う東洋医学のおはなし”のテキストより抜粋したものです。
読んで下さってありがとうございました。)
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