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『 家ランチ/蕎麦2021夏 』

   そう、例の銀座・歌舞伎蕎麦だ。
俺は基本的に海苔(nori)はかけないのだが、
連日の歌舞伎蕎麦なので今日は散らしてみた。

ま、店などで出てくる海苔は
キチッと切り揃えてあるのだが
俺は手でちぎって散らした。
うん、
なかなか無骨な感じでいいじゃないか。

歌舞伎そば

ま、見ての通りの「ざるそば」状態だ。
これで、海苔がなけりゃ「盛りそば」だ。
と思ってる人はいるよねえ。
そう思って今まで生きてきたよねえ。

ところがドッコイ。
話はこうだ。
皿やドンブリ(!!)に盛ってあるのが「盛りそば」。
竹ザルに盛って出したのが「ザルそば」
ってわけだ。
↓これが盛りそば。(笑)

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しかし、昔は
何に盛るかが問題じゃなかったのだ。
ザルで出す蕎麦の出汁(dashi)を
盛りそばよりもチョイと高級にしたら
これがなんと大人気。
で、ザルそばは高級だよ!!ってんで
目印に海苔をパラパラっとやったらしい。
これが明治ころの話。

だが、
今じゃあ蕎麦屋が「もりとザル」で
出汁も竹ザルも変えねえだろうから
ま、結局の話し
違いは海苔があるか無いかだけだな。

ま、そんなことより
久しぶりに海苔を散らした蕎麦を食ったら
なんと、海の味がした。
「そりゃそうだろうよ、海苔なんだから」
とか言われそうだが、
面白いことに気づいたのは
海苔がない蕎麦は
山の匂いというか大地の香りがするんだな。
ってことに気付いてプチ興奮したってわけだ。

まず、そのままで食い大地の香りをかぐ。
岩塩をチョイと振って山の味を食う。
次に出汁に刻み葱(negi)と山葵(wasabi)だ。
俺は山芋が好きなんだが、
夏はおろし大根でもいいな。
こいつらは大地の恵みだからな。

そして、海苔だ。
そう、海苔。海だよ海。
口の中に山と海が広がる。
蕎麦ってのは大自然の味だったのだ。

昔の人は伊達に海苔を散らしたわけじゃなかったんだな。

お見それいたしやした。 ポンッ。

 うめ。2021.8.9.

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