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『新盆2022』

  我が地方では「にいぼん」と言っている。
その新盆の法要が今朝お寺さんで行われた。

我が家としては
昨年7月に亡くなった母の供養となる。
寺は鎌倉円覚寺派の禅寺・永明寺だ。
11時からの法要なので10時半ころ家を出た。
徒歩で10分もかからぬ所にあるからだ。

まず、墓に寄って花を手向けた。
線香は法要の後にまた墓に来てあげることになる。
墓掃除は昨日の夕刻に済ませてあるから
スッキリとしたものだ。



法要は定刻に始まった。
今年は13家の合同法要となった。
コロ助騒動を受けて1家族3名までの制限もされた。
もっとも我が家は俺とよしえさんの2人が参加した。
姉たちは東京に住んでいるので
この暑さの中を出かけてこなくていい。
そう、言って報告だけをすることにしてある。

本堂は数年前に改築されてエアコンなども設置された。
だからすこぶる快適なのは良いのだが
昔のように夏の盆という感じがしない。
あの頃の寺では皆が団扇や扇子で
パタパタと首筋などを扇(ao)ぎながら
大汗をかいて経を聞いていたものだった。

今は昔とは違う。

ともかく快適なのだ。
坊さんは寺の住職以外に4人が来寺していた。
住職を入れて5人ということだ。
普段は10人ほどでの声明なのだが
これもコロ助の「密を避ける」影響のようだった。

しかし、いつも思うのだが
この法要の儀式を見ていると
「ああ、アジアなんだなあ」
と、不思議な感じに見舞われる。

普段はエアジンのようなライブハウスを主宰してると
やはり欧米の空気感が強いので
「アジア」を意識することが少ない。

俺にとって「アジア」は
「日本」とも「オリエント」とも違って
何かもっと熱い土着のような風があるのだ。

男達の力強くも繊細な声明を聞いていると
たくましいアジアが立ち昇って来るようだ。


小一時間ほども続いた法要が終わり
焼香を済ませ、塔婆を頂いて
墓へと坂を登った。

とにかく今日も晴れ渡ったニッポンの夏だ。
ただ、今日も暑すぎる。
例年、こんなに暑かったかなあ。
俺の体力が落ちてるのだろうか。
とにかく暑い。


ランチは隣のフレンチに予約を入れてある。
しかし、暑くてあまり食欲が出ない。
参ったなあ。
結局はメニューの中から
完食できそうな牛頰肉の赤ワイン煮込みにした。
よしえさんはチキンのなんだらを注文している。

普段なら「ワインをデキャンタで」なのだが
今日は冷たい水だけにした。
それでも十分に美味い。


フレンチは最初の皿が終わらないと
次が出てこないのでゆったりと食べられる。
中華などは頼んだものが
出来た都合でどんどん出てくるから
あっという間にテーブルが食物でいっぱいになってしまう。
ま、壮観だ。
とも言えるがのんびり食いたい時には迷惑だな。
だから中華ではポツン、ポツンと
時間差攻撃のような追加注文をする時がある。


コース料理なので前菜からオードブル、
コーヒーまでゆったりと出てくる。


本当はお寺さんに行った後なので
母の好きだった手打ち蕎麦とか寿司が良いのだろうが
近所に特に美味い店がないので今日はフレンチにした。
暑い夏を乗り切るにも肉を食っておくほうが良さそうだし。


しばらくすると近所の寿司屋夫婦がランチにやって来た。
旦那は長野県佐久の出身なので
「今年の甲子園は佐久長聖高校だね」
などと盛り上がりたかったが
このフレンチレストランもコロ助のために
パーテーションがしてあり、
他のテーブルと余計な盛り上がりにならないように
ガードをしてあるのだ。

帰宅すると案の定、我が家は暑い。
あははは、
冷たいシャワーをすぐに浴びた。
我が家の風呂は井戸水なのでいつも15度くらいなのだ。

冬暖かく、夏冷たい。しかも無料。

しかし、今日も暑いね。

ニッポンの夏だ。アジアの夏だ。
大汗かきながらやり過ごそうぜ。


さて、夕食は何にしようかな。

   うめ。2022.8.3







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