東京・高円寺のマリア2021.12
高円寺の駅を降りるのは初めてだと思っていた。
今回は菜穂さんやKaZZmaたちが
ピアソラの生誕100年を記念して座・高円寺2で
Tango opera『ブエノスアイレスのマリア』を
オリジナルフル編成でアジア初演(!!)をする。
というので応援も兼ねて観にやって来た。
ほぼ、知らない街なので早めに行って
ぶらぶらしようと思い
家を出る前にFBで友人たちに
「高円寺といえば何?」と問いかけて
午後早い時間に小田急に乗り込んだ。
車中でスマホを取り出し
みんなからの情報を見てみると
何やら夜の店ばかり教えてくれている。
新宿で中央線の快速に乗り換えると
中野の次、2つ目の停車駅が高円寺だ。
せっかく旅気分で家を出たのだが
あっけないほど簡単に着いてしまった。
ともかく北口のロータリー左に見える
八百屋の間の細い路地を入ってみることにした。
なんと、ここは下町の匂いがぷんぷんしている。
威勢のいい客呼びの声を浴びながら路地を突き当たると
左右にまた店がびっしりと続いている。
左に曲がって右に曲がってみた。
おっ、ここにあるのかあ。
『沖縄居酒屋 抱瓶(ダチビン)』。
この店は歌の灰太郎から話は聞いていた。
「今日は灰太郎は居ませんけど」
ヤツはツアーに出ているのだ。
「5時から店始めます」
開店時間まで小一時間ある。
前日までの温暖だった真鶴(まなづる)と違い
今日の高円寺は強い北風が
びゅうびゅうと吹いている。
マフラーをしっかりと巻いて
ぶらぶらすることにした。
おお、これだな。
Hさんがこの店が年内に閉店するので
「ぜひ、一度シベリアを食ってくれ」と
FBに情報をくれた店だな。
駅を降りたとき
ロータリーの辺りにあるかと思って見回したが
見あたらなくて諦めた店だった。
一つだけ買った。
「クッキーをおまけで付けときました」
すでに腰の少し曲がったオヤジさんが
一つ買ったシベリアにサービスをくれた。
ここは、昔の商店街がまだまだ生きているだなあ。
しばらく歩くとこんな通り名があった。
純情かどうか知らないが、
やけに人情っぽい匂いのする町だ。
そろそろ『抱瓶(ダチビン)』の開店時間だな。
5時をちょっと回っていた。
島らっきょうは大好きなのだが
沖縄料理はほとんど知らない。
なんとかチャンプルーとかいうことしか知らない。
でも、灰太郎の仕事してる店かと思うと入るしかない。
「らっしゃ〜〜い!!!」
元気いっぱいの声で迎えられた。
みんな沖縄の民族衣装を着ている。
あははは、沖縄へ来たのだな。俺は。
迂闊な物を注文して食いきれないといけないので
生ビールを頼んでからメニューを慎重に眺めた。
おお、やっぱり知らない物が色々とあるな。
とにかく今日は俺ひとりだからな。
まずは沖縄豆腐のサラダを頼んだ。
で、もう一つはイカ墨の焼きそばにした。
昨日までも魚ばかり食っていたが
気付いたらまたイカを注文していた。
いやあ、これは美味いぞ。
俺好みだな。
これならイタリアンへ行かないで
『抱瓶(ダチビン)』へ来る方がいい。
なんだかいい感じで飲んで食って店を出た。
ぶるる。
相変わらず外は寒い。
さあて、
沖縄から今度はアルゼンチンだ。
タンゴの開演は6時半。
ちょうどいい時間になっていた。
駅を通り過ぎ
今日の会場「座・高円寺2」へ向かった。
そうか、こんな所だったっけね。
「ジロキチ」
本田竹広さんや古澤良治郎さんの拠点だった店だ。
ここには昔、2度ほど来たことがある。
それで、この町に来たことがあったと思えたのだ。
そして、
道の向かいを見ると水谷の情報にあった寿司屋が見えた。
あははは、次郎吉の出演者がよく行く店なんだろうか。
さあて、これから
ピアソラが財産を投げ打ってまで入れ込んだという
Tango opera『ブエノスアイレスのマリア』が始まる。
今日はそれを観るために高円寺へ来たのだ。
場内は大盛況だ。
開演前の注意事項アナウンスが終わり
場内がすうっと暗転した。
オリジナル編成の室内オーケストラが
ピアソラ特有のタンゴのリズムを静かに演奏し出した。
うめ。2022.Dec.23
ps:今日(12/23)はまだ公演があるので
迂闊なコメントはネタバレにもなるので避けた。
それはまたいづれ!!ということで。 (う。)
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