メタバースはオワコンなのか

小学生の頃、父と母が「セカンドライフ」をパソコンでやっていて少し触らせてもらったことがある。

海賊船のような船の甲板上で、任天堂のMiiのような3等身のアバターが飛んだり跳ねたりして、鬼ごっこのようなことをした気がする。

それが私がメタバースと関わりを持った最初の記憶だ。

あれから15年ほどの時が経ち、2021年10月29日Facebook社が社名を「Meta」に一新したことで「メタバース」というワードが再度注目され始めた。

ここで皆さんにお伝えしたいのは、「メタバース」とは決して新しいものではないし、実のところ「メタバース」という言葉を使っていないだけで「メタバース」を利用したことがある人はけっこう多い。

例えば、
「マインクラフト(Minecraft)」
「ファイナルファンタジーXIV」
「フォートナイト(fortnite)」
「あつまれ どうぶつの森」など

これらすべて既存の「メタバース」だ。

「メタバース」の概念とは、「インターネット上に構築された仮想空間の中で、アバターと呼ばれる自分の分身を介して他者とコミュニケーションをとることができる環境」のことだ。

では、今注目されている最新の「メタバース」とはどんなものなのか?

なにが既存のメタバースとちがうのか?

それは「本物のお金」が流通することで、実社会と同じような経済が回るという点だ。

自分のお金をメタバースと繋がっている口座に入金することで、メタバース内で買い物や食事、エンタメを楽しんだり、仕事に就いて本物のお金を稼ぐことができるのだ。


以下に私たちの未来を示唆するニュースを2つ紹介する。

1.メタバース内で実在のブランドがファッションショーに参加

VRプラットフォーム「ディセントラ・ランド(DECENTRA LAND)」は2022年3月24日から27日の4日間にかけて世界最大のメタバース ファッションショー「メタバース・ファッション・ウィーク(MVFW)」を開催した。

イベント内では、アバター向けウェアコレクションの発表や現実の春コレクションのバーチャル展示、メタバースで利用できるNFTアイテムの紹介がデジタルブースで展開された。

そして驚きなのが同イベントの参加ブランドだ。
「トミー・ヒルフィガー(TOMMY HILFIGER)」
「ドルチェ&ガッバーナ(Dolce & Gabbana)」
「エトロ(ETRO)」
他にも日本市場撤退で大ニュースとなった「フォーエバー21(Forever 21)」や化粧品大手「エスティーローダー」など有名60ブランドが参加した。

2.三越伊勢丹がメタバースの東京ドームに「地下格闘技場」を開設

↑自分で書いていて「?」となる不思議な文章である。

2022年3月26日、百貨店大手の「三越伊勢丹ホールディングス」が2021年3月より運営しているスマホ向けVR仮想空間「レヴ・ワールズ(REV WORLDS)」内の「バーチャル東京ドーム」の中に「バーチャル地下格闘技場」を作ったのだ。

これは「連載30周年記念 地上最強刃牙展ッ!in東京ドームシティ」とのコラボ企画であり、「レヴ ワールズ(REV WORLDS)」にはこういった三越伊勢丹のイメージとは大きく異なる斬新なイベントが多い。

2022年3月22日から4月19日の間では、「レヴ ワールズ(REV WORLDS)」内の仮想伊勢丹新宿店前で小学生がデザインしたアバターファッションを発表する「デジタルファッションショー」を期間限定で開催もしている。

三越伊勢丹はいたって真剣である。

なぜなら、「仮想伊勢丹新宿店」ではアバター用の服ではなく、リアルの服もちゃんと買えるのだ。

「三越伊勢丹 仮想都市プラットフォーム事業」の 仲田朝彦氏によると「想い出に残るようなEC体験」を課題としてコミットした結果、メタバースを創って、その中でショッピングできるようにすれば、ECサイトを黙々と一人で見ながらネットショッピングをするよりも、より良い「買い物体験」を提供できるのではないかとのことだ。


本記事のタイトルに戻ろう。
「メタバースはオワコンなのか」
その答えはこうだ。
「オワコンだった。」

しかし、新たに始まりつつあるのだ。
それは携帯電話からスマートフォンの遷移に似ている。
1年後、メタバース業界がどれほどの巨大産業に成長しているか。
それは私の予想をはるかに凌駕する結果になっているかもしれない。

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