火球のこと
火球に出てくるヒロインは自分を投影してます。ヒロインなので美しくしていることはお許しください。
ヒーローは自分の好きな人をイメージして書いていますが、私が書いたものなのでもちろんそれは私の投影でもあります。
読んだ人もヒーローヒロインに自己を投影して読んでくださると嬉しいです。
火球に出てくるヒロインは必ず死ぬんだけど(苦笑)私は自分の好きな人を作中でも殺すことができません。悲しすぎて。なのでヒロインが死ぬのです。
自己犠牲=愛という刷り込みが私の中にあると言うのもあります。この辺りは海外のお友達には理解し難い、仏教的な部分だと思っています。
ブッダが何回目かの転生をしたときにウサギに生まれ変わり、飢えで苦しむ行者に果物も何も持ってこられなかったウサギは、自らたきぎに飛び込み、自分の肉を差し出します。
相手の為なら何でもできると言う狂おしい愛、そのような純愛を描きたいと思いました。
そして物語の残酷な展開は小さな美しい愛をより際立たせるものだと思うのです。
物語は未知のウイルス、階級制度、階級制度の上の人物、という理不尽な大きな力=神に主人公が翻弄されるという筋書きです。
それはいつの時代もどんな社会でも同じようなことが起きていて、若者はそれに抗う反骨精神を持って生きている。
そんな美しい瞬間を描きたいと思い書きました。
人間はいつもいつも自分のことしか結局は考えていません。でもそんな人生は虚しいですよね。
誰かの為に狂おしい気持ちを抱く、、そんな美しい瞬間を切り取り、永遠化ができたら良いといつも考えているのです。