無垢木のペン軸の世界
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こないだ、「取っ手が木製の道具が好きだ」というお話をしました('ω')。
(なんかこの記事は公式マガジンに入ったらしく新しい人が読んでくれました。みんな木が好きならそういえばいいのにw)
そこで当方の商売道具でもある「つけペン」の軸も引き合いに出しました。あれも木製で、手に取って心地いいものです。あ、ひとつお詫びと修正。
※液晶タブレット用のデジタルペンにも、ちゃんと木製のアタッチメントがあることを発見('∀`)!ワ〇ム様、当方の不明を陳謝致します😅
https://estore.wacom.jp/ja-JP/products/accessories/8d-ws-000-1305.html
話をつけペンに戻して。
ところで、しかしこの木製ペン軸にも実は当方ひとつ不満があるのです。それは、
表面の塗装やコーティング、いらないんだよな…
ってとこ。
だいたいのペン軸には光沢仕上げっぽい塗装がしてあって、これが手の水分を弾いて滑ってしまうのですね。プラスチックだとなお滑る。
特に当方ココ最近はペンを長く持って筆圧をかけずに描くことを心がけている。ペンの保持力も軽く、滑りやすいのですよ。
そこで何も塗装していないペン軸、いわゆる「むく木」のペン軸は無いものかと探してみました。木の肌がそのままなら手汗を吸い込んで滑りにくくしてくれますからね。
(…と言って、ペン保持の力加減くらいはまあ心掛けと練習次第でどうにでもなる。探したのはいわば趣味です。あんまり道具に凝りすぎても当方イカンとは思いますが…)
近所の画材屋さんには塗装済みの物ばかりでありましたし、ネットでも見かけません。だが案の定と言いますか、困った時の古道具屋さんH堂に、ありました('∀`)コレです。
持つところ(いまの当方はもっと後ろを持っていますが)に多少の塗装はありますが、ほかはむく木であります。
H堂ご主人言われることには、ペン軸というものがジャパンで使われていた時代の、さらに初期のものであるらしい。
昔むかしはこのように塗装もなくシンプルだったようです('∀`)。
ペン先を差し込むところにも金属のアタッチなどありません。ミゾだ。ミゾが彫ってあるきりです。よって実にヘッドが軽い。
そして持ってみた感想は、これまた案の定といいますか、
ああ、これでいいんだよ✏️
って感じ。余計なことなんにもしてませんからね。軽い、滑りにくい。文句ないです。
何よりむく木のシットリした保持力がイイ。
太い線がやや楽です(笑)。
…するとこう気になるのですが、どうして後年のペン軸にはみんな塗装がしてあるのだろう(._.)。カッコイイ小物としてインテリア性を求める向きもありましょうが、実用としてはむく木が好き派もいたはずである。
なぜ廃れたのでしょうねえ…。
と、そんなことを思いながらペン軸をためつすがめつしておると、むむ、これが原因か?とひとつ思い当たった。そう、
むく木は曲がるのだ( 'ω')
おそらく誰にも使われず何十年も保存されていたペン軸です。当方より年上だろう。そしてペン先が刺さったのだって生まれて初めてだろうw…経年の湿気や暑寒で変形したのでしょう。なるほどこれでは製品としてイヤがる人があるかもしれない。
家の柱でも和室は塗装がなく、洋室は表面加工してある場合が多いですが…
なもんで和室は寒く乾くとギシギシ音が鳴ったりするわけですね。変形、変質する。
しかしまあ当方、それでも和室の方が好きなんですが('∀`)
そう、変質も好みだと思うのです。前も言ったけど和室はトシとるからいい。経年劣化とは言いますが劣化ばかりでもない、柱なんか触って黒くなって貫禄が出てくるんですからねえ。
多分このむく木のペン軸も使い込むうち色が変わってくるでしょう。それを劣化というか「馴染みに馴染んだ私のペン」と思うかは各々方の裁量ではあります。
それにしてもボールペンやシャーペンはもちろん、筆や鉛筆まで含めてむく木の軸というのはよく考えたら皆無である('ω')当方、この持ち心地にいまハマっております。ぜひ同好の士にもオススメしたいところですが…。
最初に言ったように、コレなかなか売ってない(._.)
そこでご自宅でもカンタンにできる、無塗装ペン軸カスタム法をお教えしましょう。用意するのはこれだけです、じゃん。
はい、もうお分かりですね(笑)
ご想像の通りです。これで無塗装にしたいペン軸を選んで、
タワシでこするべし、こするべし、こするべし。
これで表面はややザラザラ、手の水分を吸ってフィットしやすいペン軸の出来上がりです。
ただご覧の通りですので、胴体にインクが触れれば染み込むし、長年ほっといたら曲がるかもしれんし、手入れが悪いとカビるかもしれん。カスタムは自己責任でお願いします('∀`)
ま、数日に1回でも触ってやればそう変質するもんじゃございません。よく描く人なら心配ないです。
製品というものはとかく規格を重視するし、変質を嫌うものですが。こう
50年かけて3ミリ曲がりました
レベルまでくると、もういいじゃないかwというかむしろ愛が沸きますよね(*‘∀‘)わかない?当方はわく。
という訳で「むく木のペン軸の世界」でございました。お粗末さまでした(*・ω・)*_ _)ペコリ。