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挨拶が「I am rich」なドライバー

ほとんどが車生活のインド。
そのため駐在員にはドライバーがつき、移動の際にはドライバーが送り迎えをする形式。
ひゃー!セレブ!やっぱり駐妻ってキラキラだわ!


そんな声が聞こえてきそうですが、カオス道を乗りこなすドライバーがいないとこの地域では文字通り生活できません…
歩いてフラフラ移動できない地域で、フラフラしていようもんなら牛か車かバイクに激突されるでしょう…
どんなカオス道路も乗りこなすドライバーは、まさに駐在員の命綱。

私は妻用の車はなかったため、妻は夫のいぬ隙にドライバーを使うか、もしくはOlaなどのタクシーを使うかの生活。(会社によって1台貸与か2台貸与か異なる。)

我が家のドライバーの年齢は40代後半くらい?彼は日本人家庭に仕えていたことが多いらしく、奇跡的にとてもポライト。どれくらい素晴らしいかというと…

時間通りに来てくれる!!!!!!

ぶっ飛ばさない…!!!!!

街中で喧嘩しない!!!!

地図がちゃんと読める!!!!!!!

しかも、別に頼んでいないのに

毎回会うとお辞儀してくれる!!!!!(萌えポイント)

もうこれだけでどれだけ貴重な人種なことか…
女性を乗せるとテンション高めでとっても優しいので(私には少し強め)駐妻友達からも人気でした。

まわりのドライバーは
地図が読めない(適材適所って知ってる…?)
喧嘩しはじめちゃう(喧嘩している間こちらはヒヤヒヤ)
虚偽申請してお金をくすねる(めっちゃいい人そうだったのに…)
「家族が病気」と言ってお金をくれと言う(ちょっと待って家族何人おる?何人目?)

など、家庭によって出てくる話はさまざま。3時間は語れるね?

インドでは、「雇い主、雇われ人」の意識をしっかり持て、とよく言われます。階級意識がベースな文化圏では、「自分はこの人の雇い主なのである」と、線引きをしっかりしないとかえって危険である、と何度も言われてきました。これは家の掃除をしてくれるメイドも同じ。(メイドの話はこちら)

これはインドにまだまだ根強く残っているカースト制度に拠る部分で、4つあるとされている階級でそれぞれ住む地域も、職業も異なります。そして人々からの扱いも‥‥

カーストの名前とその職業(上からブラーミン、クシャトリヤ、ヴァイシャ、シュードラ、
としてカースト外の不可触民とされるダリット)

インドの憲法では違法とされていますが、夫の会社のインド人からは

「メイドやドライバーと一緒にご飯を食べてはいけない
お願いではなく命令しろ。じゃないとなめられて不利益を被る」
「何かミスをしたら強く叱れ
「絶対に優しくするな
・・・・ 

と言われ絶句。

そんな訳で、夫の仕事の先輩と出かける時、ドライバーはいつも私たちとは別々のところでご飯を食べて、毎回すごい国だなあと思うのでした…


ただ、私はなかなかこれらを徹底できず、おそらくドライバーからもメイドからも友達認定済み。
渡航してすぐの頃、「ヒンディー語を勉強したい」となけなしのヒンディー語で伝えたら、英語が単語のみで話せるドライバー、急にレッスンを開始。(ちなみに雇い主、と認識してる夫にはこんなムーブはしません。)

木を指さして「グリーン!ハラ!!」
白い車を指さして「ホワイト!ファサード!!!!」
(リピートアフタミーな圧)


「俺あんたのヒンディー語ティーチャーなったるで!!!!毎日話すんや!!!」と鼻息荒め。

ということで、どこに行くにもヒンディー語レッスンがついてくることに。
ちなみにデリーのマーケットに行くには1時間かかるため、毎回2時間ほどレッスンに。やる気をムキムキにした彼からこんなプレゼントも。

往復2時間リピートアフタミーやめてええええと眠るフリをする私としゃべり続けるドライバーの戦い。(強制されると何事もしなくなる部類の人間)

やっぱり誰しも自国の言語に興味を示してもらえるのって嬉しいんですね…とインド人のヒンディー語愛を全身で浴びた数か月。

ちなみにうちのドライバーは毎朝マンションの下に着いたよと伝えるとき、
「Good morning. I am rich」
と自分の裕福さを誇示してくれます…ではなくおそらくこれは「I reached」の話し言葉が変換でこうなった模様。

英語も流暢ではないので、事情は分かるのですが単語が単語なだけにいつも「I am rich」と来るのがなんだか愛らしくすら感じる毎日でした。

今日もI'm richとあいさつしてるのかな…
お茶目で最高なドライバーとの出会いに感謝感謝。



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