内山理名「演技もヨガも押し付けない。感じてもらえたら!」
働き方は、生き方です。人それぞれ人生が違うように、働くスタイルも多種多様、正解はありません。まわりの力を借りながらも、どのように働くかは自分の意思で改革していくしかありません。今回は、女優の内山理名さんにお話を伺いました。「私の」「私のための」働き方を改革するためのヒントが、そこにありました。
心と体を整えてくれるヨガの教えが
人生のすべてに活きてくる
10代でデビューしてから、ドラマ、舞台、映画と数多くの作品に出演し、多忙な生活を送っていた女優の内山理名さんがヨガと出合ったのは20代はじめの頃。友人からプレゼントしてもらったヨガマットとDVDが始まりだったそう。
「20代は本当に忙しくて、いくつもの作品を掛け持ちして4つの役を同時進行で演じるなんてことも。役に入ってから素の自分に戻るとき、自分のなかで何が本当の自分なのかわからなくなってしまったというか、自分の軸を見失って怖くなったことがあったんです。演じることはもちろんやりがいがあったし、当時は若くて体力もあったからできていましたが、思い返せばギリギリの状態だったかもしれません。そんなとき、ヨガが自分の戻る場所になったんです。撮影の合間に家で気軽にできるのが自分に合っていたのかもしれません」
以来、ヨガ歴16年。内山さんを虜にしたヨガの魅力を尋ねると、「ただキレイなポーズをとるだけのものだったら、ここまでハマることはなかったと思う」と言う。彼女にとって、ヨガは単なるフィットネスではなく心を整えるために必要なもの。「ヨガについて学びたいことがありすぎて」と、5年前から本格的にスクールに通い、ヨガ哲学やアーユルヴェーダの学びも深めている。
「ヨガとは、心や体の変化を感じて自分自身と向き合うこと。たとえば『シャバーサナ』というポーズがありますが、呼吸を深め、体の意識を取っていくことで無になるという意味もあります。今日の呼吸は深いかな? 浅いかな? 手が冷たいな、これがおいしい、これが好き、怒りやイヤだなという感情も全部、いまの自分を感じて、受け入れる。そこにはダメがないんです。役者の現場って、ダメ出しがつきもので、ほめられることのほうが少ない。20年以上女優を続けるなかで、ダメに慣れてしまっている自分がいたんです。だからあるときから、『せめて自分だけは自分を認めてあげる』をテーマにしたのですが、ずっと探していた答えがヨガ哲学にあったんです。ヨガマットの上で起こることが人生のすべてに通じる!」
ひとつの作品が終わった際は、両手で思いっきり自分を抱きしめてあげるんです、と笑顔でギュッと肩を抱く内山さんの姿がとても愛らしい。女優とヨガ。両輪でバランスを保ちながら軽やかに、けれど真ん中にはしっかりとした軸が通っている。それは、ヨガとの出合いでブレない体と心をつくる術を知っているからだろう
演じることで見出した、
人に伝えることの大切さ
「当初はひとりの先生からしか教わっていなかったのですが、何十人もの先生から学ぶようになるとその教えに違いがあることがわかりました。どれが正解ということではなく、それぞれの教え方に理由があると思うのですが、そこにすごく人間性が出るんですよね。声かけを丁寧にする人もいれば、言葉ではあまり説明はせずにポンと肩を押してくれるだけの人。何を伝えたいと思っているのか、言葉の選び方にしてもまるで違う。私自身がヨガに学び、救われることがたくさんあるけれど、それを人に伝えるということはまた別の作業で、すごく難しい。どう伝えていけるか、日々試行錯誤です」
伝えることの難しさに苦心する日々で、女優業で培ってきたもののなかに、ヒントがあると気づいたという。
「女優という仕事でも、いかにその役の感情を観客に伝えるかに悩む日々です。自分の感情を押しつけても、相手には伝わらないんですよね。伝えることは、相手に感じてもらうということ。それは、ヨガ講師に置き換えてもまったく同じ。メソッドや考えを押しつけるのではなく、ヨガの哲学や自身の体と心を感じてもらいたい。だから、できないことがあってもいいし、気持ちよくなったら寝ちゃってもいいんだ、と自分自身を受け容れてもらえるように、私はそっと寄り添える存在でありたいです」
料理が大好きという内山さん。今後は、ヨガと食を軸にリトリートと組み合わせた場づくりなどを企画中だそう。
「人や環境、そして自分自身にも優しくありたいですし、難しく考えすぎないで、楽しくおいしくが一番ですよね」
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