上場前までにやっておけばよかったこと #bdash
BDashCamp2022Fallのセッションレポートです。セッションの内容をすべて書けているわけではないですが、興味がありかつまとめやすいセッションの気になった点に絞って何本か出すかもしれません。ピッチアリーナの事前予想記事はこちら。
ウメキワークスではIPO分析をしていますので、IPO関連のセッションには興味があります。
本題は「上場前までにやっておけばよかった10のこと」でしたが、10個列挙される話だとわかりやすかったのですが、全く10個ということには触れられた記憶がありませんでした。
スピーカー:(敬称略)
佐渡島 隆平(セーフィー)
鶴岡 裕太(BASE)
南 章行(ココナラ)
モデレーター:
岩崎 由夏(YOUTRUST)
中嶋 汰朗(ROXX)
Q中島:(主に既存株主の)期待値調整はどうしているか?
南:VC比率が高い、50%以上あった。売出しが少ないと上場後しんどいので、上場時に売出しをして、株主を入れ変えたい。海外投資家を連れてくることをIPO3年前から準備していた。オファリング170億だった。ロックアップ1.5倍で外れないから、公募で売った方が良いですよね?と既存投資家にコミュニケーションした。上場後の株主設計は上手くいったと自負している。
鶴岡:IPOのトレンドはすごい変わると実感。誰に助言を聞くかが大事。最新の情報を持っている人に株主に入ってもらったのはよかった。メルカリとマネフォのアドバイスが本当によかった。最新のIPOのトレンドがわかっている人からの話を適用できる。最新情報を持つ人にインサイダーになってもらうと良い。
南:マーケットが安定していて、賞味期限3年なイメージです。
佐渡島:カメラのハード+SaaSなので、売上がない中で調達する必要があった。コンバーチブルノートを事業会社に持ってもらった。(梅木補足:VCからの調達が、初期は難しかった?)事業会社と本気で一緒にやっていくのは、上場後を見据えても良い。
Q岩崎:IPOの時に事業会社は何かサポートしてくれるのか?
佐渡島:キャノンとか大企業が株主にいると、海外投資家に認知されやすい。事業会社は事業計画をきっちり達成しやすいので、参考になる(注記:セーフィーは下方修正を出し、株価暴落...汗)
鶴岡:株主候補にはバイネームで会いに行きたい派。海外投資家でもSBIの北尾さんや丸井の青井さんは知られている。
佐渡島:IMのレンジでは公募時価総額で300から2,000億くらいだった。コーナーストーンを海外の機関投資家に100億単位で割り当てて、ロードショーを簡素化した。
Q中島:上場すると採用できる人材の質は変わる?
南:変わります。ステージが変わっているので、上場前後でどちらが優秀というのはないが、人材のタイプは変わる。スタートアップ気質の人は上場後に採用しづらくなる。CXOは未上場の時の方が採用しやすい。
ミスったと感じたのは、初期にSOを配りすぎてしまった。時価総額100億つけばいいと思っていた。振り返ると、もう少し後でよかった。
鶴岡:変わります。企業のフェーズが変わるので、フィットする人が変わる。企業文化を変えたくなる。スタートアップ時は同質的なメンバーが好きだったが、いろんな意見が欲しくなってきた。(いろんな意見がある方が、遠くまで行ける)
初期は問いが限定的だったが、もっと大きな志を持って良いんだと思った。海外投資家はビッグピクチャーから入るので、視座が上がる。
佐渡島:海外投資家には将来のビジョンを聞かれるので、自分の解像度や視座が上がる。SOを最初すごい出していた。IPOまでの離職率が1%もなかった。経営刷新はいずれどこかでくる。SOを持っていた(利確した?)初期メンバーがシードスタートアップに転職していくようになった。
Q岩崎:海外投資家と話せるか不安...
佐渡島:通訳が優秀なので、大丈夫!プレゼンは自分でやった方がいい。
南:拙い英語でも社長が自分で話すと、投資家のウケは良い。質疑応答は半分通訳。
Q中島:今のマーケット環境だと海外投資家も損失が膨らんでいるはずだが、何か言われるのか
佐渡島:すごい言ってくる投資家ほど、ちゃんと買ってくれる。株価1/10になると、逆に買い場になると思ってくれたりする。
南:ロング投資家は動じない。怖い投資家が何か言ってきたり、株価が話題になることはあまりない。
Q中島:個人投資家への対処
南:上場直後に炎上した。上場直後に親に家を買ったとツイートした。最初感動の渦だったが、その後こいつ調子乗ってると叩かれて、会社に電話かかりまくってきて、社員に申し訳なく思った。
鶴岡:個人投資家が数万人いる。飲食店で話しかけられることもある。いろいろ言われるのは、夢を追い続けるためのトレードオフだと思っている。IPO前のIMの2週間とか辛かった。既存投資家に売ってくれというのは辛かった。多方面への調整がかなりストレスに感じた。
佐渡島:初期のPMF難易度が高くて辛かった(梅木補足:上場後は初期と比べるとさほど辛くない?)ヤフー掲示版も見たことはある。
Q中島:上場前後で事業面について思うところはあるか
南:読みづらい新規事業やM&Aは上場前にはやりづらい。予実を外すとめんどくさいので、事業面では窮屈。上場後の方がやりやすい。上場前からTVCMを3回やっていて、回収できるのがわかっているから、上場後もTVCMを打ち続けて赤字を続けることが投資家に許容されやすいと感じた。赤字経営へのハードルは未上場の方が低い。
鶴岡:プロダクト優先で考えていて、ロングタームで作るのが大事だと思っている。事前にプロダクトのロードマップをよく考えておくことが大事。
佐渡島:IPOがどうかというよりは、誰の何を解決したいのかを考え続けることが大事。
以上です。
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