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暇を持て余しているのは誰なのか?暇な富裕層・7つの類型化
2020年夏発売予定「暇の研究」の一部をお届け。目次は下記からどうぞ。
時は2020年。デジタル化が浸透した社会において、企業活動は徐々にではあるが生産性が向上している。
トヨタ自動車が、事実上、終身雇用制の終末を宣言するなど、令和に入り、昭和から継承されてきた働き方が一気に見直されてきている。
会社員として所属する企業に一生を捧げるつもりの人もまだいるかもしれない。しかし、多数の企業が副業を解禁する動きもあり、多くの人が働き方を模索している。医療の進化により、平均寿命も延び、人生100年時代とも言われてきている。
そのような背景の中で、まだ顕在化していない新たな社会課題があると僕は感じている。
それが、本書の主題である、「暇」だ。
AIによる生産性向上で、多くの人は今までより少ない労働時間で生計を立てられるようになるだろう。一方で所得格差も拡大していき、暇な金持ちと暇な貧乏人が生まれていく。
多くの会社員は会社から仕事を与えられ、それをこなし、その対価として給料をもらうことで、時間をお金に変えてきた。だが今後は土日のみならず、週休3日を導入する企業も出てきて、労働時間はどんどん減っていく。それに付随して自由な時間も増えていく。
会社員はまだ「暇」を感じる機会が少ないかもしれない、だがお金のために時間を換金する必要のないアッパー層にとって、「暇すぎてやることが見つからない」という時間が訪れる可能性がある。
本書では実際にかなり暇を持て余してきた僕自身の実体験を元に、特にアッパー層にとって暇になった経緯や、暇になると何を考え、どんな活動に時間を割くのかについて、紹介していく。
0-1.フラリーマン現象
冒頭で暇という社会問題はまだ現在化していないと述べたばかりだが、実は既に顕在化している現象もある。「フラリーマン」と呼ばれるサラリーマンが出てきた。
「フラリーマン」たちは、企業側から労働時間を半ば強制的に短縮され、平日の18時には会社を退社する羽目になった。その後直接帰宅しても、家庭での居心地が悪く、終電近くまで漫画喫茶などで時間を潰してから帰宅するらしい。
「家に帰りたくないから、フラフラしている」ということで、フラリーマンと名付けられたらしい。
フラリーマンのような会社員層の中でも「暇」が顕在化してきているが、定年退職後の「暇」も、まだあまり騒がれていない社会問題のように感じられる。
会社を定年退職した60代の男性が毎日同じ喫茶店で一人で珈琲を飲んでいる様子を見かける。という記事をどこかで読んだこともある。
女性の場合は、会社以外の人間関係を構築して、上手くコミュニティに馴染み、人生を楽しむ人が多いと聞く。一方で男性の場合は定年退職後に会社での肩書きをなくして、また新しい人間関係を構築するのが苦手なのではないかという指摘も目にした。
このようにして、企業人の中でも現役世代のフラリーマンや、定年退職後にコミュニティに属せない老人が増えているという課題が顕在化している。
0-2.準富裕層以上のアッパー層は日本の全世帯の8.36%
フラリーマンや会社員の定年退職後の話を先にしたが、実は富裕層の暇人率がかなり高いのではないかと思っている。
NRIの2018年の調査を確認してみよう。図のようなマーケットの分類となっている。
出典:野村総合研究所、日本の富裕層は127万世帯、純金融資産総額は299兆円と推計
準富裕層以上に着目して全世帯に対する比率を算出すると
超富裕層(資産5億円以上):0.16%
富裕層(資産1〜5億円)2.20%
準富裕層(資産0.5〜1億円)6.00%
老後2,000万円問題が2019年には話題になったが、それはアッパーマス層以下の問題であって、準富裕層以上の合計8.36%の世帯にとってはさほど問題ではないといえよう。11人に1人は準富裕層である。以後、本書では準富裕層から超富裕層までを一括りで呼ぶ際に「アッパー層」という単語を統一して使用する。
アッパー層は高齢者の比率が高く、土地の資産価値が含まれていたり、親から会社を継承した2代目3代目の経営者層も多いであろう。
しかし、そういう属性の人たちとは違うアッパー層も存在する。現代では一代で財を成すアッパー層が増えてきている。その属性を詳しくみていこう。
まず、わかりやすく属性の分類から紹介する。
1.昭和型の高齢者資産家(定年退職後60代〜)
2.IPOで株式を売却する経営者(20〜40代)
3.M&Aで株式を売却する経営者(20〜40代)
4.毎年数千万円の現金を稼ぐインフルエンサー(20〜40代)
5.株式や仮想通貨で生計を立てるトレーダー(20〜50代)
6.事業継承系経営者(いわゆる「二代目」経営者。年代問わず)
7.中小企業経営者(年代問わず)
この7つの属性について、詳しく見ていこう。
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