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暇人は自分探しにも飽き、他人を助けたくなる
この記事は2020年夏?発売予定の書籍「暇の研究マガジン」から8本目の記事です。
前回までは、消費活動、自分探し活動について紹介してきた。もう終盤に差しかかるが、今回は「他人活動」と称して、他人のための活動の具体例を紹介していく。
第4章:他人活動
暇になるとまずは消費活動に没頭し、その後、自分探し活動に傾倒しがちであるという話をしてきた。
人によって順序は異なるが、多くの人は「消費」と「自分探し」のみで余生を過ごすことをかなり苦痛に感じるのではないかというのが僕の仮説だ。実際に僕はそうだ。
仕事とは、何のためにあるのか。
多くの人にとっては、生活費を稼ぐためという回答になるかもしれない。しかし、本当にそれだけだろうか。
仕事を通して、誰かの役に立っている。その結果として、お金がもらえるようになるのではないだろうか。
汗水垂らした肉体労働で得たお金と、積立投資で得られたお金。どちらにも貴賎はないと僕は思っているが、「お金」を抜きにした時に労働に残る価値は、「誰かに役に立つという手応え」ではないかと思う。
言い換えると「社会とのつながり」であり、それは消費や自分探し活動という「自分のために何かをTake」する活動ではなく、自分の時間やノウハウを「誰かのために提供するGive」の活動といえるのではないか。
人は生きていくには、自分のために何かをしているだけでは物足りなくなってくる。
超富裕層がほとんどの資産を寄付に回すことがあるのも、自分一人のための消費や自分探しに使うことよりも、他人に資産を使う方がより多くの人の役に立てるという手応えを得られて、生きがいを感じるからではないかと思う。
一見、寄付などは他人のためにやっているように見えるし、実際に大いに他人のためになっている。
しかし自分自身にのみお金や時間を使っていても、得られる幸福には限界があるため、より幸福を追求するために、寄付をしているのではないか。多額の寄付は誰かの役に立つだけではなく、あわよくば多くの人からの賞賛という名声も得られ、自分の幸福度も上がるという、一石三鳥の活動なのかもしれない。
寄付活動は実態を良く把握できないため軽くこの辺で触れるくらいとし、他者に役立つためにアッパー層がしている活動をこの章でいくつか紹介する。
4-1.SNS活動の本質
まず手軽な他人活動として紹介できるのがSNSだ。
お金よりもフォロワー数の価値が高いと言われるようにもなってきており、今後は組織に勤める会社員であっても、SNS活動をサボり続け、無視し続けていくと大きな機会損失になっていくだろう。
SNSの本質とはなんだろうか。
2020年に日本で一定の市民権を得ているSNSは、Facebook、twitter、Instagram、YouTubeの4つであろう。
Facebookはリアルな友人や仕事関係の人と繋がり、人間関係グラフを形成しているが、その他の3つはリアルな知り合いではなくとも自由にフォローすることができ、発信者のコンテンツをフォロワーが楽しむという仕組みになっている。
「Facebook上のインフルエンサー」とは言わないが、他3つのプラットフォームでフォロワー数が多い発信者はインフルエンサーと呼ばれる。
むしろFacebookの場合、友人数が5,000人とかいると、全員本当の知り合いじゃないだろうな。
名刺交換しただけで友達承認しているとかで、それを「友達」としてFacebookで繋がったままにしておくのってリスクあるんじゃないの?とあまのじゃくな僕は少し感じてしまう。
ここではFacebook以外のSNSについて説明していきたいが、SNSの本質とは「他人の役に立つこと」だと僕は思う。
フォロワー数が増えていくに従い、「いいね!」のリアクション数や、再生回数が伸びていくことが快感になり、中毒的にコンテンツを発信し続けるインフルエンサーも一定数いるだろう。
いや、インフルエンサーの多くは、聴衆からのフィードバックという快感に溺れ、コンテンツを発信することから無意識的に逃れられなくなっている。
例えば、YouTubeは毎日配信した方がフォロワーにとって視聴が習慣化しやすく、結果的にチャンネル登録者数が伸びやすい。
YouTuberはチャンネル登録者数が伸びる快感というニンジンを前に「毎日更新」が習慣化し、結果的に疲弊して「毎日更新するのを辞めます!」と宣言しただけで、それがニュースになったりもする。
もちろん、インフルエンサーはフォロワー数が増えると特にInstagramとYouTubeでは広告価値が向上してお金に直結しやすいことから、お金のために、本業として頑張っている人も増えてきている。
twitterも単体では稼げないが、twitterのフォロワー数を増やすことで、noteやオンラインサロンにユーザーを流し、そこでマネタイズするという手法もある。
僕などはまさしくその手法を実践していて、twitterがなかったら、おそらく野垂れ死んでいただろう。
インフルエンサーは自らの快楽やお金のためにコンテンツを発信しているといえるのかもしれない。
しかし、思い出してみて欲しい。誰しもがフォロワー数ゼロの状態からSNSを始め、徐々にフォロワー数を獲得していったのはなぜなのか。
twitterであれば、ツイートがフォロワーにとって役に立つと思ったから、面白いと思ったから。
Instagramであれば、可愛い写真、美味しい写真の情報を定期的に更新することでその情報をフォロワーが欲しがったから。
YouTubeであればテレビのバラエティのように面白いネタで笑えたり、動物のチャンネルで癒されるから。
根本的には「誰かの役に立つ」からそのコンテンツを欲しがる人がいるわけで、インフルエンサーのコンテンツを欲しがる人が増えた結果、フォロワー数が伸びている。
「誰かの役に立つ」って本章の冒頭で述べた「お金以外で得られる仕事の効能」ではないか。
SNSは誰しもの前に平等だ。時間やお金に余裕があるかはあまり関係がない。
強いていえば、時間に余裕がある人に取り組みやすい活動だが、「よし!今日はtwitterを30分頑張るぞ!」といって、twitterのために時間を確保して頑張るような活動ではない気がする。
インスタグラマーとデートしていた際に驚いたのだが、「インスタの写真投稿するからちょっと待っててね」と言われて、30分経ってもまだ画像を加工していたことがあった。
そのインスタグラマーにとってはそれが普通であり、妥協を許さないクリエイティブな姿勢があった。
そこは仕事としてというよりかは、自己満足の世界であり「より良い(映える)写真を投稿したい!」というだけのモチベーションに思えた。
本書「暇の研究」の中でなぜSNS活動を取り上げたかというと、SNSをやってお金を稼ぐ必要がないような人でも、特にtwitterをやっている場合が増えてきているように思えるからだ。
2020年時点では本書で紹介してきたようなアッパー層にインフルエンサーは少ない。
だが、twitterにおいてはビジネスで成功を収めた人が、考えたことをツイートしている例も増えてきている。
他人の役に立つツイートを積み上げることで、フォロワー数を増加させ、採用活動の役に立てようという魂胆ももちろんあると思う。
ビジネスにおける成功者がその思考過程をTwitterで文字で共有してくれるというのは、多くのビジネスマンにとってかけがえのない情報となっている場合もあるだろう。
ツイートする側にとっては思考過程をツイートしているだけなので、さほど負担ではないものの、受け取るフォロワーにとってその価値はあまりにも大きい。発信者もそれに気づいて、継続的にツイートしていく。
YouTuberにおいてはYouTuber活動を頑張った結果、アッパー層になった人は増えてきているが、ビジネスで成功を収めた人がYouTuberとしても成功を収める。というケースはまだまだ多くはない。
しかし、ZOZO創業者の前澤友作氏がZOZO退任後にYouTubeを開設するなど、徐々にYouTubeを舞台にするビジネスマンも増えていくはずだ。実際に芸能人は一足早くYouTuber化する流れが加速してきている。
SNS活動は他人の役に立つことでフォロワー数も伸ばし、広告価値が生まれるという経済的メリットもあれば、「他人の役に立っているという実感」が嬉しいというメリットもある。
お金を持っているだけの人より、フォロワー数が多い方が価値がある。と言われる所以は、「多くの人の役に立っている」ことが可視化されているからだともいえる。
お金は持っていただけでは、何の価値も生み出さない。自分自身への消費や自分探し活動も、その経験を元にその後の人生において一定のリターンをもたらすだろう。
だが、自らの考えや時間を多少SNSにも投下することによって、他人の役に立つことで、より大きな影響力を獲得していく。そのことに気づき、実践している人も増えてきている。
他人の役に立ちたいと思って始めたSNS活動も、軌道に乗れば自分にとってのリターンが大きく、一石二鳥の活動といえる。
特に会社組織に雇われる立場の人にとって、SNSで自分の意見を発信するハードルはまだ高いかもしれないが、本書編集者の箕輪厚介のように会社員でも型破りなSNSの使い方で名を上げていく人もいる。
自分を満たす消費活動や自分探し活動だけではなく、インターネット空間に資産を築く感覚でSNSと向き合うことは、結果的に信用もを得られるようになり、知名度が上がることで知らない人と繋がりやすくなる。
暇なアッパー層の中にはSNSの使い方が上手い人が必ずしも多いとは言えない気もするが、お金では得られない、他者に役に立っている感覚や、人的資産を得られる可能性を大きく秘めているのがSNSである。
もちろん、暇になる前からSNSは誰しもが始められるので、取り組んでみると得なことしかないだろう。
4-2.エンジェル投資家になりがち
これは特にスタートアップ業界でM&AやIPOによるキャピタルゲインを得た人によく見られる傾向だが、わかりやすい他人活動の一環として、エンジェル投資家になりがちである。
最近はキャピタルゲイン組のみならず、本田圭佑氏、ロンドンブーツ田村淳氏のような芸能人もいれば、キャピタルゲインを得たスタートアップの経営陣ではなくとも、メルカリのようなメガベンチャーに勤務している場合、平社員でも保有するストックオプションを行使して売却すれば億万長者となるケースもある。
たとえばメルカリの上場後の発行済株式総数は153,777,861株。0.1%のメルカリ株を保有していると約150,000株となり、これは公募価格3,000円を掛けると4.5億円となる。
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