国内ハイテクグロース株決算まとめ：日本株週間市場決算（2021/2/15決算速報編）

2/14月の決算が多く、2/14夜に出そうと思いましたが、急いでトレードするほどのものもなさそうということで、2/15火引け後としました。先週までの決算はこちらで。

本マガジンはあくまで株式投資で利益を追求するための決算を見るものであり、決算オタクやビジネスオタク的なものではありません。

今号は毎週末の定例ではなく号外なので、指数などのコーナーは割愛。

いつもより無料で読める箇所を多めにしています。

1.国内ハイテクグロース株2022年2月決算の総括

あくまで「株式投資で利益を得る」という観点では、米国の利上げやQT観測といったグロースに逆風の状況が2021年11月から続く中で、ウクライナ情勢によるリスクオフも2/10-2/14では発生。

QonQでは前回決算が特段悪くもないのに株価が50%以下となった銘柄がほとんど。中には60%、70%の下落となった銘柄もある。

特にSaaSは振り返ると2020年4月以降の金融相場で大きく恩恵を受けたものが多く、金融相場での恩恵＝バブル的な高さのPSRが許容されてきた。と見ることができる。これが2021年11月から2ヶ月程度で急激な圧縮を受け、結果としてチャートも酷い右肩下がり。

今後実際に3月から米国が利上げしていく中で、グロース株をサポートするマクロ要因は何一つない。唯一考えられるとしたら「売られすぎによる一時的な反発」であり、ここ数週間は米国のハイテクグロース株も金利が急騰した日でも反発を見せてくるようになった。以前は金利急騰するとボロボロになっていた（1日10%前後平気で下がる日が続いた）

今日のマクロ環境下ではグロース株に「買い」で利益を得られる公算は低く、「ショート」でエントリーした方が利幅が取れるかもしれない。一方でQonQ、特に11月から1月で半値以下になった銘柄も多く、ここからショートしても旨味は限定的になる可能性も高い。

決算の峻別パターンは下記の通り。

1.売上成長率再加速+増益（ほぼない）
2.売上成長率減速＋増益（マシな部類）
3.売上成長率減速＋減益（売上成長率減速具合で評価異なる）
4.減収＋減益（論外）

特に3のパターンで「先行投資による減益」企業が今回何社かある。先行投資がすぐに売上に結びつくとは限らず、結果的に「大幅な売上成長率減速（30%以上の下落）＋減益や赤字転落」というパターンがある。このパターンは2022年2月の株式市場では許容されておらず、決算後に下落する確率が高い。

グロースにとってはベアマーケットであり、1のような好条件決算で翌日は上昇しても、すぐに戻り売りに遭う可能性が高い。

よって、3や4のようなネガティブ決算に対して、ショートを仕掛けていく方が、リスクリワードが良いと判断する。

2.2021年4Q決算組11社の2022年ガイダンス

梅木證券30で注目している銘柄のうち11社が4Q決算であり、2022年のガイダンスを発表した。その数値を以下の通りにまとめた。

決算翌日株価はマクロ要因もあるので一概には言えないが、決算に対しての市場の反応がポジかネガかの参考までに。

売上成長率が30%以上落ちるガイダンスの企業が5社あるが、メドレーとバイセルは2021年はM&Aで成長率を嵩上げしていた。よって2022年はオーガニックグロースのみの反映となった結果、成長率が下がった。

グロース株の定義として、「売上成長率30%の維持」が筆頭条件として挙げられるが、11社中7社が30%を維持するガイダンスを開示。おそらくメドレーも最終的には30%に乗ってくるのではないか。

2/15のマザーズは1.8%の下げで引けたが、「30%成長の維持」をガイダンスした2/14決算組は5社あり、全て前日比プラスで引けている。

これらの決算の中で、上述の「3.売上成長率減速＋減益」となる銘柄は、サイボウズ、セーフィー、エネチェンジの3社であり、特に老舗であるサイボウズが17.5%の増収で76%の減益というのは、かなり痛い決算に思える。

サイボウズはIRを見ても説明会資料がなく、IRイベント資料はあるのですが、なんかクックパッドのポエムに寄ってきている印象w 都合の悪い数字は開示しなくなってきている気がします。数字の開示が少ないと、ショートすらしづらいですね...

これらの決算の中で、（株価アクションが期待できるという意味では）目が飛び出るほどのサプライズ好決算はなく、予想の範囲内だな。とか、Appierのように「そんなに売上成長率が減速しないのね」という程度の感想に留まりました。ゆえに、ベアマーケットの中でわざわざ買いに行きたいものもない。

下記の個別銘柄へのコメントですが、上記全ては拾わず、気になった銘柄のみピックアップ。

下記有料です。