フィルムカメラ、お店でのデータ化について
久しぶりの投稿です。
お店で頼めるフィルムデータ化にはいくつかの解像度があるというお話です。
高解像度一コマスキャンにはお店によって解像度にバラツキがありますので、いわゆるポピュラーな解像度のみ紹介させていただきます。
まず4baseがあります。
画素数としては約150万画素でLサイズまでのプリントに対応しています。
スマホで見たり、Instagram、SNSに載せるには問題ない大きさですね。
ノーリツのスキャナーの場合は一番小さなサイズでこの解像度から標準サイズ、小サイズとして対応しているところが多いです。
いくつか解像度が選べるお店の場合、この解像度が一番安いプランとして用意されている場合が多いです。
続いてフジカラーCDの解像度です。
画素数としては約220万画素でLサイズより大きなKG(ハガキサイズ)プリントにも対応できます。
大半のお店におけるフィルムのスマホ転送データや、フジカラーCDはこの解像度になります。
場所によってスマホ転送サービスが300万画素だったりしますが、その場合は2Lサイズプリント程度までなら問題ありません。
最後に16baseの解像度です。
これは約630万画素の解像度があります。
六切のプリント必要画素数には少し及ばないのですが、4baseよりも余裕があるので個人的には六切、絵がしっかりしていればA4くらいにプリントしても問題ない画素数かなと思います。
お店ではこの画素数が高画質スキャンとして用意されているところも多く、モニターで見る上でも周辺のシャープさから解像度の高さを実感できます。
規格化されて、多くのお店に普及している解像度はここまでです。
これ以上の解像度はお店によってA4サイズスキャンである900万画素だったり、キタムラの高画質データ化として1300万画素だったりとより高画質なものが用意されてはいますが、多くのお店で行われているわけではありません。
フィルムのデータ化は4base、フジカラーCD、16baseとCD書き込みに準拠しており、それ以外に別の形式(DVD、クラウドサービス)を利用して高解像度に対応しているところがあるといった形です。
追記
コダックのプロフォトCDは64base(約2500万画素)までの書き込みに対応しており、これは16baseまでだったフォトCDにプロ、アーカイプ用 解像度として64baseを追加したようです。
さらに追記
デジタルミニラボの歴史を研究中なのですが、フジは各プリントサイズ毎に必要解像度をスキャニング、ノーリツは4、16、64と3種類のbaseごとにプリント解像度をオーバーするスキャン解像度を元にプリントする仕組みと考察しています。
そもそもフィルムのデータ化はネガフィルムからのプリントをするために必要解像度を読み取る機械であったフィルムスキャナーに副次的な機能としてCDデータ書き込みが付けられたという経緯があります。
(補足 : 厳密には2000年前後に大きく発展したデジタルメディアへの対応として、CCDセンサーフィルムスキャナーを活用したデジタルミニラボの機能の一つです。)
2000年代初頭頃の話です。
そのため、デジタルカメラ機材の高画素化が進んだ現代においてお店で行うフィルムのデータ化が今ひとつな解像度なのはデジタル黎明期の名残でもあるのです。
改めて考えてみると100万画素にも満たないデジタルカメラが最新トレンドだった時代にフィルムスキャンで600万画素という画質はかなり高画素であると思ってしまいます。
重要な事として、フィルム自体の画素数が低いわけでは決してありません。
最後に脱線しましたが、今後のデータ化の際の助けになれば幸いです。