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うめこ PokerStars 25NL Zoomに挑む

はじめに

うめこと申します!

ポーカー歴は2年半程度で、現在はPokerStarsの25NL Zoomをプレイしております。(Stars ID:umeco18)

ポーカーに出会う前

勤める業界の特性上、公私共に賑やかな派手な飲み会が多く、脚色無しに毎週、会社の飲み会、接待、合コンが複数日ありました。

大学時代はアメリカンフットボール部に所属しており、飲酒禁止の部活だったため、その反動から社会人で新たに身に付いた飲酒の習慣でよくハメを外したものでした。

非常に楽しい時間を過ごしたと今になって思い返すことも多いので後悔はしていませんが、二日酔いが冷めて週末を過ごしていると、社会人になって特に新しく夢中になれる趣味も見つけられなかったためか、時折、虚しい感覚を覚える瞬間がありました。

ポーカーとの出会い

入社からしばらくして会社の同期とキャンピングカーで遠出へ旅行に行った際に、滞在先の暇な時間に一人の同期が、


「ポーカーやろうよ、テキサスホールデムって知ってる?」

と言い出し、そこでルールを教えてもらいテキサスホールデムというポーカーのゲームを知ります。強い手役を作ったり、ブラフをするドキドキ感からすぐにそのゲーム性の虜になりました。

その後、ポーカーをする仲間の輪が広がり、会社の同期や先輩、後輩と仕事終わりや休みにポーカーをするようになりました。
最初の内は夢中でしているのですが、次第にみんな飽きていきます。

しかし私だけが全く飽きる気配がなく、みんなを執拗にポーカーに誘い続ける姿からポカモン(ポーカーモンスターの略)と揶揄されるようになりました。その後、誰も一緒にプレイしてくれなくなり、我慢できなくなった私はアミューズメントカジノに通い始めます。

友人とのポーカーはアウトオブターン(自身の番が回ってきていないにも関わらずアクションをすること)や三味線(自身が手役を持っている or 持っていないと声に出し相手に嘘をつくこと)が横行していたのですが、きちんとディーラーやフロアが存在することで秩序が保たれたルールの中で行うポーカーは緊張感や真剣さを加速させ、格段に面白さが増したことを鮮明に覚えています。

何度かアミューズメントカジノに行っていると、たまたまAJPCという国内の大きな大会のサテライトに出場し、運良く本戦の参加権利を獲得しました。
本戦でもDay2まで進むことができ、大きな自信になりました。

「自分はポーカーの実力がある」

と勘違いをするようになり、自身の実力を試すため、そしてより刺激を求めてオンラインポーカーへと興味を持つようになりました。

Zoomを知る

当時、最も有名であったPokerStarsでアカウントを作成することにしました。ポーカー界隈でも強者が実力を確かめるために集うとされるZoomというFastテーブル(1ハンドが終わり次第、新しいテーブルが立ち上がりプレイが始めるのを繰り返す)のゲームに挑戦することにしました。

ステークスは良く分からなかったので10NL Zoomから始めることにしました。※~NLというのは100BBが$~に相当します

リンパーなどに多く遭遇し、このフィールドは自身のレベルにあっていないと思い、ただちに25NLzにステークスアップしました。

Starsをプレイしている人やレベルを知っている人には理解できないステークスアップだと思います。リンパーがいるからといって10NLz攻略は簡単なものではありません。(そして25NLzでもリンパーにはよく遭遇します。)

プレイヤーは同卓するプレイヤーに負けるのではなく、レーキに轢き殺されてしまうのです。そのことを理解できる程、私のポーカーへの理解は深くありませんでした。

25NL Zoom 1回目の挑戦

25NLzにはプリフロップレンジには当時、有名であったZerosレンジを使い、また自身のプレイの良し悪しが判断できないことが多く、頼れるポーカーの知り合いもいなかったのでSnowieを契約し挑みました。

2面で適当にハンドをこなすと、ブラフで相手を降ろしまくり、大量のチップを獲得し続けます。着実に赤線(Non SD Winnings:ショーダウンせずに獲得したチップ)を上げ続け、同時にEV線も上昇し続けます。

25NLzを始めて直後のグラフ


「25NLzも大したことないな、すぐにクリアして50NLzに行こっと」

と思ったものの、10万ハンドで2~3BB/100Handsといったよう攻略指標を聞いたことがあったので、

「とりあえずこのレートである程度の実績を残してから次のレベルに行くか」

といった、軽い気持ちでプレイを続けることにしました。
プレイを続けていると突然、相手にブラフキャッチをされまくるようになります。当時は思いました。

「なんで今のハンドでコールできるんだ、格下がフィッシュコールしやがって!」

「下振れだ!しばらく勝てていたのに急にこんなに負ける訳がない!」

そしてそのまま見事に15バイイン分のバンクロールは消え去りました。

この時は気付かなかったのですが、Zoomの恐ろしいところはFastテーブルの性質上、同じプレイヤーと同卓し続けるためではないので、自身に重大なリークがあった場合も即座にレギュラーにアジャストされる訳ではありません。

文字通りフィッシュは少しの間、泳がされることになります。そしてスタッツが溜まり始めた頃にRegular(以下、Reg)からのエクスプロイトが始まります。

一度、Recreational(以下、Rec)ラベルを付けられたプレイヤーは対戦するたびにHUDで注意深くスタッツを読み取られ、リークを付け込まれます。

理解不能なブラフキャッチハンドが出てきたのはブラフ過多に対するエクスプロイトだったのです。(当時、ショーダウンバリューがないと判断したハンドはフラッシュドローを滑らせたものや、相手の降りるハンドをブロックしているハンドも含めて全てブラフに回していました。)

こんな事に気付くことすらできずに自身の25NL Zoomへの最初の挑戦は失敗に終わりました。

1回目の挑戦を終えて

その後もPokerStarsのZoomではなくアミューズメントポーカーやオンライントーナメントにたまに参加する程度でポーカーを続けていくことにします。

情報収集も兼ねてTwitterを始めることにするのですが、そこで初めて自身のポーカーへの理解の浅さに気付き愕然とします。

Twitter界隈で議論されている戦略が全く理解できないのです。

まずそもそも用語が意味不明で何を言っているのか分かりません。そしてソフトでの計算結果などでハンドレビューがされていますが、表示される情報が何を指し示すのか全く分かりません。

情報を探り続けるとPioSOLVERという計算ソフトで解析を行い、数学的なアプローチをされている優秀な方々がいて、Lillianという方やZooMagaという有志によるチームがあり、日本で最先端のポーカー戦略に関する研究が行われていることを知ります。

度々、話題になる有名なライブキャッシュ vs オンラインキャッシュに関する一連のTweetがあり、Lillianさんの以下のTweetを目にしました。

唐突に理解します。
自身はポーカーにそれなりに真剣に取り組んだ人が挑戦するPokerStars 25NL Zoomにそのレベルを知らずに何の準備もなく踏み入ってしまったこと、そしてそこはクリアするためにある程度の努力が必要があること。

また同時期にこの時はまだYoutubeへの露出もなかったSouzirouさんを知りました。今でも覚えている印象的なTweetが以下です。

正直に話すと今見てもこのプレーが良いのか悪いのかよく分かりません。(どちらかというと人読みっぽいプレーなんでしょうか?)

ただし、今までポットに対して20~100%程度をベットするのが普通であり、そこから外れることは相当イレギュラーだと認識していたのですが、ポットの200%以上のベットが行われトップペアでコールし、結果まさか勝っているという、天上界の戦いが行われていることを知ります。

「少しポーカーをプレーした程度では理解できない聖域に自分も少しでも踏み込んでみたい」

と思うようになりました。※ちなみに25NL Zoomではこのような超次元ポーカーを経験することはできません。

ハイステークスではこういったタフなスポットが頻繁に発生するようで、全く違うゲームをしているんだとOnline High Stakes Pokerなどの動画を見るたびに感じます。(関連して下にマツジャックさんの動画で一番お気に入りのものを貼っておきます。)


25NL Zoom 2回目の挑戦

25NL Zoomに2回目の挑戦を行います。
本来はステークスを下げて再挑戦すべきなのですが、私のモチベーションはあくまで先程のLillianさんのTweetだったので、10NLzでは真剣に取り組み続けることはできないと思い、25NLzのままレベルアップをするという少し無理がある方針にしました。

1回目と何も変えずに挑戦する訳には行かないので、少しハイスペックな自作PCを組み、PioSOLVERを購入しました。

Piocloudを参考にしながら復習などをしてみるのですが、如何せん自身が使っているのはZerosレンジであり、PiocloudのレンジとZerosレンジのアクションが違う場合などがあり、非常に復習がしづらかった記憶があります。

Zerosレンジはほとんど純粋戦略のため、PioSOLVERのレンジは0,1になっていることがほとんどであり、いちいち手打ちでプリフロレンジを作成・保存して復習するのが面倒でしたし、正しく復習できているか漠然とした不安がありました。(今思うと復習する上でそれほど問題ないと思うのですが、他の方が混合戦略を含むプリフロソリューションで解析されているのを見ると、自分は正しく計算できていないのでは?といった具体的な根拠のない謎の不安がありました。)

通常は数万円程度するプリフロップソリューションを購入して、それを自身のプリフロップレンジとした上でハンドレビューなどもするようですが、購入に躊躇し手作業でハンドレンジを作成しながら、少しずつPioSOLVERを触って学習を進めていたところに、GTO Wizardというものに出会います。

GTO WizardはPioSOLVERなどのようなGTO Solverで計算された各種結果が保存され、閲覧可能な形で提供されるサブスクリプションサービスだと知りました。(GTO WizardはMonker Solverで計算されたという噂を聞いています。)

課金することにするのですが、私にとっての最大のメリットはプリフロップソリューションが無料で提供されていることでした。(無償版でもプリフロップソリューションを閲覧可能ですが、有償版のみPioSOLVERへコピー&ペーストできました。)

しばらく使っていると気付きます。


「なんて便利なツールなんだ、、」


まずPioSOLVERではSRP(プリフロップでレイズが一度だけ行われたスポット)にかなりの計算時間がかかります。3Bet,4Bet Potはそれほど時間が掛からないのですが、頻繁に遭遇し初学者が最初に勉強しようと思うSRPは一つのFlopを計算するのに10分以上の時間が掛かるために、ハンドレビューをするのがそれなりに大変です。

一方、GTO Wizardは既に保存されているデータにブラウザでアクセスするので、計算などは不要でタイムリーにハンドレビューに取り組めます。

そうやってプレイ後に気になったスポットをGTO Wizardで確認しながら、徐々にソルバーが選択するプレイラインに自身を近づけようとしていきました。

自身のプレイ品質は確実改善し、1回目の挑戦のようなWinRateの急落によるバンクロール崩壊というのは起こらなくなりました。

また同時期にPokerStarsのマンスリーチャレンジと呼ばれる、レーキバックのプロモーションが本格始動しました。Starsの明確な勝ち組以外には、一定のレーキを納めると40%のレーキバックが一括で行われます。1ヶ月に2万5千ハンド程度をプレーするとマンスリーチャレンジだけで$160がもらえるため、レーキに轢き殺されていた点もかなりの改善されました。

※40%のレーキバックを受けるためには事前にある程度のプレー実績があることが求められます。また明確な勝ち組の場合は10%のレーキバックに下げられるという噂です。ただしこの判定アルゴリズムはよく分からないとの評判です。)

そうして大勝はしていないものの、全体としては微負け、レーキバックを含めて微勝ちという典型的な弱Regへと成長しました。

典型的な弱Regグラフ

25NL Zoom 3回目の挑戦

3回目の挑戦というと2回目の挑戦から一度終わっているかのように捉えられてしまいそうですが、全くプレーをしない月もありながら、時間が取れる月はマンスリーチャレンジに取り組みながら緩くプレーをし続けました。自身の中でプレーに少し変化があった時期からを3回目の挑戦としています。変化に影響したポイントは以下の2つです。

  • チップの多くはRecreationalから降り注がれている

  • リークを見つけエクスプロイトをイメージ・実行する


チップの多くはRecreationalから降り注がれている

自身のプレーに影響を与えたのはオンラインポーカー界隈では非常に有名な投稿である、Run It Once(海外のオンラインポーカーの大手トレーニングサイト)に投稿された以下です。

原文も読みましたが内容についてはPeeeajeさんのNoteで知りましたし、非常に端的にまとまっていて分かりやすいです。

ある程度、オンラインのWinRateを知っていれば分かりますが、常人ではなし得ないWinRateです。しかも200NLz以上で。

瞬間的に高いWinRateが出ることはありますし、実際、私も2万ハンド単位だと8BB/100Handsくらいが出ることもあります。(当然そのような実力はありません)
しかし5万ハンドを超えると気付いたうちにWinRateが収まってくるような感覚です。(それが分散というものだと思っています。)

うめこの上振れしているグラフの例

そんな中、40万ハンドでこのWinRateは異常です。そして彼が言っているのは、

チップの多くをRecreationalから奪い取っている

ということです。私はこのことに大きなヒントを得た気がしました。

ある程度のレギュラーは全員意識していることかもしれませんが、私はあまり気にしていなかったことです。

Recに多くぶつかり大きなPotを争い、反対にRegと当たることを避け、小さいPotに留めることでフィールド自体を相対的にぬるくすることができるのです。

一つのプレーミスをした場合、SRPよりも3Bet Potや4Bet Potで起こす方が重大です。(もちろんSRPも発生回数が多いので重大ですが)

GTOの純粋戦略を間違えた時にEVロスが大きく発生します。もちろんRegも間違えることがよくあるのですが、間違える頻度が全く違います。(Regのリークはむしろ混合戦略のアクション頻度が偏っていることの方が多い気がします。)

Recが純粋戦略を間違えたEVロスはこちらに降り注ぎます。そのPotが大きければ尚良しです。

そこで私の基本方針は以下としました。

  • RecとPotを争う回数を増やす

  • Recとできるだけ大きなPotを争う

Run It Onceでも同じような記載がありましたので、大きくズレていないと思っています。

また具体的には以下を行います。

プリフロップで混合戦略となっている場合、相手がRecの時はポットを大きくするアクションを取る

プリフロップで混合戦略となっている場合、相手がRegの時はポットを小さくするアクションを取る

もちろん例外はありますし、Regに対してバランスを崩しすぎるのも良くないので、加減は大切ですが、とにかくRecに対しては徹底的に絡みに行きました。

当たり前ですがこの方針の優れているところは、副産物としてRecをアイソレートすることにも自然と繋がるところです。

例えば、HJのRecがオープンした際にBTNでAJsを持っています。
GTO Wizardのプリフロップソリューション通りであれば、3Bet or Callの混合戦略です。

GTO WizardのBTN vs HJ 2.5BB RFIに対するプリフロップソリューション

相手がRecの場合は100%頻度で3Betを行います。相手がRegの場合は相手にバレない範囲でコールに寄せても問題ないと思います。

前者の場合、3Bet PotでRecと二人きりの時間を過ごすことができます。

後者の場合、コールドコール(以下、CC)をすることになり、この場合BBがコールするとマルチウェイとなり、Regの相手もプレイし辛い状況になります。マルチウェイは難しく、自身も勉強不足のため困ってしまうことも多いのですが、みんな難しいので相手のRegの優位性も減ると思っています。またそれなりにGoodだと思っていたRegもマルチウェイで少し驚くような明らかなミスプレイも見かけます。



リークを見つけエクスプロイトをイメージ・実行する

エクスプロイトという言葉はポーカーをしていれば誰でも使うほど広がっていますし、簡単なエクスプロイトについては既に知識として知っていました。

例えば、相手のベットがバリューハンドしかない場合は降りすぎることが肯定されることや、プリフロップで相手からの3betが極端に少ないのであれば、幅広くオープンできることなどが代表例でしょうか。

これまで25NLzで相手の明確なリークを見つけてエクスプロイトを行うことは上手にできていなかったと思いますし、今でも大きな課題だと思っています。

もちろんプレイヤーにも依存しますが、25NLzでよく見かけるリークは以下のようなものでしょうか。

  • リバーのブラフが少ない(特にSRPのミニベットやリバーレイズに全くブラフを見かけない)

  • Check Raise頻度が不足している

  • Check Raiseに対してOver Fold

  • CBを打ちすぎる

  • CBに対してOver Fold

  • BMCBを打ちすぎる(特にFlopのIP)

  • Flop以降の3Betが強すぎる

  • BBの3Betレンジがソリューションと大きく異なる

  • 3Betに降りなさすぎる

  • 3Betに降りすぎる

  • 4Betがレンジが強すぎる(特にコールド4Bet)

  • ライト4Betが多すぎる(一部、Reg)

  • BBが相手のオープンレイズサイズを気にせずCall/Foldしている(特にブラインドバトル)

上記の例についてもそれなりに知られた一般的なリークで、

知ってるわ!ボケ!

という感じだと思うのですが、ポーカーの難しいところは知っていることと実行するのが違うということ、そしてそのことに自分で気付いていないケースが多いことだと思っています。

例としてアミューズメントでめちゃくちゃなプリフロップレンジでプレーをする人が挙げられます。彼らは意外にも一般的なプリフロップレンジや何ならGTO Wizardのプリフロップソリューションを知っている人も多いです。

知っていることと実行することは全く違うのです

知っていることをきちんと腹に落とし込んだ上で実行する必要があります。
以下のエクスプロイトは多くのプレイヤーが分かっています。
ただし、降りすぎるのは精神的にも負担が掛かり難しいのです。


リバーのベットにブラフが少ない

⇓ 
エクスプロイト

相手のベットに降りすぎなくらい降りる

その証拠に毎日のようにTwitterでブラフがない相手にコールした言い訳が聞こえてきます。

「GTO的にはコールだから仕方ない、 GTO Wizardでもコールだった」

「WSD(ショーダウン時の勝率)が高い相手だけどRegularだからブラフもあると思ってコールした」

「さすがにこのハンドは降りれない、こんなハンド持ったことが下振れ」




全て言い訳だと思います。


そしてそんな風に言い訳だと言いながら自分も未だにアホコールしてしまいます。それほど信念を持ってエクスプロイトを実行するのは難しいのです。

とりあえずはじめに私はGTO Wizardを一旦、解約しました。
GTO Wizardは非常に有益なツールだと思いますし、今でも特にSRPの気になるスポットで使いたくなります。

しかし今、必要なのはブレないエクスプロイトの信念なので、信念を固めるためにNode Lock機能による矯正が必要です。エフェクティブスタックやStarting PotがGTO Wizardと大きく異なるケース以外で使うことがほとんどなかったPioSOLVERの再登場です。

反対に最低限のプレーはできていると割り切ってしまい、セッション毎に大量のハンドレビューはしないことにしました。

もっというとベットサイズもレイズサイズもあまり気にしません。

気になったスポットもベット、チェック、フォールドがあっているか確認するといったレベルでしか確認しませんし、その時の思考に意図があれば純粋戦略を間違っていても気にしません。

具体的には相手のリバーのベットにブラフが足りていなければ、PioSOLVERが純粋戦略でコールを選択してても、降りてもよいと思いますし、フロップ、ターンのディフェンス頻度が明らかに足りていない相手に対して、リバーがトリプルバレルを打つのが純粋戦略だとしても、相手の残ってるハンドレンジがソルバーが想定しているよりも明らかに強いのであれば、トリプルバレルを打たなくてもいいと思います。

むしろどういった前提だとオーバーフォールドやトリプルバレルを打たないことが肯定化されるかを検証することの方が今の自分にとって有意義だと考えました。

具体的な検証はオーバーフォールドによるエクスプロイトだとすると、以下のようなものです。

自身がHJからの2.5BBのオープンに対して、COから3Betされコールし、そのままトリプルバレルを打たれたシチュエーションです。検証のプリフロレンジはGTO Wizardの50NL Complexのプリフロソリューションを使います。
※3Betサイズが大きいのでGTO Wizardのプリフロソリューションをそのまま使ってはいけないのかもしれませんが、この部分で伝えたいことは本質的な変わらないので気にせず進みます。

PioSOLVERの設定は以下の通りです。

PioSOLVERの設定

トリプルバレルAIに対してもKhThはPioSOLVERはタフにコールとなっていますが、実戦で本当にコールしていいのでしょうか?

トリプルバレルAIに対するOOPの戦略

ある程度、マイクロ~ミドルステークスの環境を理解している人はコールしてはいけないと理解されていると思います。

信念を持ってエクスプロイトフォールドできるようにするため、きちんとPioSOLVERのNode Lockの機能を使って身体に染みつけることが重要だと考えます。

まずはPioSOLVERの相手(IP)のAIレンジを確認してみましょう。
レンジ全体の90%近くでAIしています。

IPのトリプルバレルAIのレンジ

またレンジ全体のEQを見てみるとこのようになります。

IPのレンジ全体のEQ

ブラフはブロッカーの影響も大きいですが、基本的にEQが低いところから選ばれると考えてよいと思います。

今回は見比べると分かりますが、弱いAxおよびスモールポケットがブラフハンドの代表になります。

AxはストレートやAAのブロッカーになっていますし、スモールポケットはダブルバレルに耐えた相手に対しては全くEQがないので、ブラフコンボになります。

しかし実戦ではAxはギブアップしてくるケースも多くある上、スモールポケットをブラフにしてくる人はフィールド全体でほとんどいません。

試しにAxは全ての残した状態でスモールポケット(具体的には88,66,55,44)のブラフ頻度をそれぞれ10%まで引き下げた状態でNode Lockしてみます。

IPのスモールポケットのブラフ頻度を10%まで引き下げる

OOP側の戦略は大きく変わります。
先程コールが選択されたKhTsが純粋戦略でFoldとなっています。

IPのトリプルバレルAIに対するOOPの戦略(Node Lock後)

実戦ではAxのブラフ頻度もかなり下がるので、おそらくほとんど全てのハンドをFoldというエクスプロイトになると思います。

悩んだスポットについては可能な限り、想像上のエクスプロイトフォールドではなくPioSOLVERに落とし込み、シミュレーションした結果を見ることで、少しティルトしている状態でも安定してエクスプロイトフォールドに寄せることができました。

Node Lockされた結果を閲覧することが現時点のGTO Wizardではできませんが、上手な人は脳内でNodeLockに近いことをされていると思います。(相手のレンジを見て、実際のフィールドの人間と異なるストラテジーの部分を削ったり増やしたりし、その場合に自身のストラテジーが変化することが脳内でシミュレーションされているのだと思います。)

私はそれほどセンスよくできないのでPioSOLVERを使い、身体にエクスプロイトフォールドができるように習慣付ける訓練しました。(それでも未だにクソコールを結構してしまいます。)

相手のチェックレイズが少ないことやポストフロップの3Betが少ないことに対するエクスプロイトも同じ要領でシミュレーションできると思います。(既にLillianさんのNoteやYoutubeなどでNode Lockによる戦略の変化をまとめたものが投稿されています。)


成績は短期間のもので全く参考にならないのですが、以前よりWinRateは上昇しており、体感的にも大きくは負けないという気持ちになっています。
(All-in EV 2.36BB/100Hands)

直近の約10万ハンドのグラフ

おわり

長くなってしまいましたが、自己紹介と25NL Zoomの挑戦記は以上になります。もし少しでも面白いと思って頂けたり参考になれば幸いです!

これからもポーカーを生涯の趣味としようと思っているので、オンラインでもライブでも皆さん出会った方は仲良くしてください!

それでは共に楽しいポーカーライフを!

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