むらさきのスカートの女

はぁ。

怒涛に読み進めた後に残るこのドロドロとした感じ。

気味が悪い。この物語は。

まずむらさきのスカートの女が、誰かに似ているという件があって、それがもう「知らんがな」状態。離婚して離れ離れになった姉が出てきて、もしやここからミステリーが?と思った私、目覚まして。全然関係ないから。(めいちゃんって誰だよ)

この作家さんのシュールな良さなのかな。

最初の方こそ、胸糞悪りぃな、と読み進めていくけれど、読み終わった後の「うげぇ」感。

ずっとむらさきのスカートの女を見つめ続ける女の視点で語られる物語。普通の日常に紛れている出来事がずしっと重くのし掛かってくる。

一人の所謂地味な女性が、男によって変わっていく様。その女を見つめ続ける一人。日常に溢れている人間味溢れるドロドロとした感情。子供達の無垢で純粋な心無いいたずら。不倫、裏切り、嘘、痴漢、ストーカー。

歪んだ愛情からなのか、

それとも執着なのか、

愛しているからこその行動なのか。

何とも表現出来ない普通に見える異常。

小さな狭い世界で起こっている異常。

どんどん嫌な女になっていくむらさきのスカートの女は、最早むらさきのスカートの女ではなく。

普通に紛れ込むのが上手い異常が、ザワザワとした感情を引き起こして、最後までずっと嫌なのだ。

ただ、

この少し薄い本は、読む事を止める事が出来ない。

最後まで読んで、少しの幸せをそこに見つけようとしてしまう。

読んで嫌な気持ちになるけれど、読んでみなければ分からないこの読了感。

筆者は、この物語で何を伝えたかったのだろうか。

そんな事を考えている時点で、捕まったな、と。

とにかく読む人を選ぶ物語でした。(あくまでも個人の見解です)(テンプレか)

嫌な奴が嫌な奴として書かれている描写がよりリアルで、胸糞悪かったです。(口悪いやり直せ)

結局「黄色いカーディガンの女」とは。

そんな少しの疑問と、気味の悪さと、違う作品も読んでみたいな、という気持ちを残して。

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