流浪の月
昔から何かをメモしておいたり、文章として残しておかないと気が済まない性格だった。だからといって文章力もなければ語彙力もないのでそこは完全に無視してほしい。あくまで「自己満足」の世界として、自分がその瞬間に感じた気持ちとして残しておきたい。
最近出来ていなかった読書をしようとフラッと入った本屋で帯に「本屋大賞受賞!!」と書いてある本を見つけた。私はミーハーなので軽い気持ちでボーっとしながらその本を買った。正直、仕事が終わって家に帰った頃には本を読みたい気持ちは消えていて推しを愛でないといけないので(この話も後でしようと思う)明日通勤時間に読むか、とすぐバックに入れた。それから3日程経って存在を忘れられた本の事を思い出した。通勤中の電車の中でやっと開いたその本はそれから私を虜にした。
内容は是非読んでほしいので詳しく書かないけれど一度ハマると抜け出せない沼に入ったような感覚。続きが気になって途中で引き返せない、先に進みたい、この感覚を読んでいて久しぶりに感じた。私が普段読むのはどんでん返しがあるミステリー。どうなるんだろう、と感じながらどこか予想がつくような。でもこの本はどんでん返しもないのに気になる。まず読み始めてから意味が分からない。登場人物がよく分からず「これ誰だ?」となって「なんの話をしてるんだ?」となる。そして読み進めていくうちにピースがハマっていく、その気持ち良さ。ここがここに繋がるのか、という心地良さ。暗くて重い筈なのに読むテンポは軽さを増してどんどん進んでいく。そんな感覚。読み終わった後心が軽くなる、とかいうものではない。でもとにかく幸せであってくれ、と願わずにはいられない。
もう既に帯に書いてあるような事をつらつらと書いたけれど、私の中でこれを書きたい程の衝撃とまた読書が楽しいと思うきっかけをくれた良い本に巡り会えたな、と思う。
決して楽しいハッピーな話ではないし苦手と言う人がいるかもしれないヘビーな内容だけれど気になる人は読んでみてほしい。
流浪の月、素敵な作品でした。
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