おじいちゃんちを壊したい

人が息を引き取る瞬間をみたことがありますか

先日、おじいちゃんを看取った。
最期の、その瞬間を、見届けた。

その2週間前までは何変わらぬ生活をして、先日のパリ五輪も「五輪やってんのか。柔道は見てておもしれえな。」と言って、夜の12時過ぎまでテレビを見ていたのに。

その1週間後に寝たきりになり、
そこからさらに1週間だった。

まるで実家のよう

おばあちゃんは数年前に亡くなっていて、いよいよ2人ともいなくなってしまった。おじいちゃんちが空き家になった瞬間だった。

さて、本題はここからだ。
おじいちゃんちは持ち家だが、借地なのだ。
いつかは返さねばならない。それに、あの家も築60年を超える。いつまでもは置いておけない。
なによりあるだけで金がかかる。

でも、マンションで育った私や妹にとっても、おじいちゃんちこそ『実家』のような存在だった。なんせ同じ市内だから頻繁に行き来したし、子供の頃の私にとっては、家が2つあるといってもいいくらいだった。

だから、おじいちゃんが亡くなった翌日、私は母に伝えた。
「おじいちゃんち、しばらく残せない?あの家とは時間をかけてお別れがしたい」

おじいちゃんちを残そう

そう思っていたのは私だけじゃなかったようで、おじいちゃん亡き後、おじいちゃんちを残そうという話は自然と出てきた。

地代をしばらく払っていいんじゃないか。
納骨まで。
いや、一周忌までは。

そういう想いが、うちの家族からも、親戚からも出ていた。
それを聞いて、わたしも胸を撫で下ろした。
1年あれば、しっかりお別れできるだろう。さっそく、1年掛けのお別れプランを考え始めた。

解体費

「来月で返してくれるなら解体費出しますよ」
って不動産屋に言われたって母が言った。

え、なんで?それってどういう根拠で出てくるお金なわけ?
何を聞いても母は「そう言われただけ」の一辺倒。そもそも聞かされていても理解できなかっただろう。母は借地権が何なのかすら理解してないほど、不動産については無知なのだ(不動産契約に関わってはいけないレベルの人だと今回のことで気づいた)

しかしながら、母は「おまかせする」方に靡いていった。

おじいちゃんちお別れプラン

私が構想したお別れプランはこうだ。
おじいちゃんちは庭が広く、遊び甲斐のある家なのだ。人を集めて芋煮会とか余裕でできちゃうのだ(余談だがおじいちゃんは芋が大好物だった)。DIYだって余裕でできる。だからまずは半年ちょっとの間は、そういう事して遊び倒したい。

それから後、解体を始めていく。自力で解体できるところは自力で解体したい。木造だし、内装くらいは一人でも時間をかければ解体できる。

床板1枚1枚「ありがとう」と言いながら剥がしたいの気持ちでいる。
それに、そういう廃材は家具や小物にリメイクしていきたい。

どうせ壊すなら、重機でメリメリするのではなく、私の手で丁重に。
わたしが、おじいちゃんちを壊したい。
それが、あの「家」に対してしたい弔いなのだ。

壊すために残すには

とはいえ現実問題。内装、せめて建具くらいは自分で外してリメイクなり何なりできたとしても、建物自体は重機がなきゃ壊せない。解体費用は必要になる。そもそもその作業する期間の維持費もかかる。

幸いにも知り合いに解体業の人がいるから相談しておこう。あと助成金について市役所に確認も。

不動産屋とは私が直接話したほうが良さそう、こっちのバタバタに巻き込んでは申し訳ない。借地借家法も多少でも知っておこうと図書館で本を借りた。情報収集と現状把握だ。

前章で「自分の手で壊したい」と夢を語ったけれども、もちろんそれ以外のプランBやCも検討してる、ただ、ともかく情報が足りない。(来月で返して「不動産屋おまかせコース」はプランZとしておこう)

余談だけど、youtubeでいつも見てる「積読チャンネル」で不動産相続の話が出たのはタイムリー過ぎて感動しちゃった、まさにいま、ぜひとも相続仮面に相談したいよ。

この件は、これから継続的に書いていこうと思う。


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