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元カノが突然家族になったんですが!? #1

「他に気になる人ができたんだ。だから別れよ」


幸せな毎日が崩れるのは一瞬だった。
時間をかけて仲を深めていったのに、
このたった一言で僕たちの関係は終わってしまった。


○「そっか、わかった。史緒里今までありがとう」


君は一度決めたら絶対に変わらないってことは知ってるから、受け入れるしかなかった。

不思議と涙は出なかった。

悲しくないわけじゃない。きっとまだ受け入れられてなかったんだろう。


去っていく君の背中を
ただ見つめることしかできなかった。


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あれから半年が経った。
まだ立ち直れてはいないが、徐々に彼女は頭の中から姿を消していった。

よし、今日こそはあんなこと忘れて楽しい1日を過ごそう。

そう決意し、俺は朝食を食べにリビングへと向かった。


○母「〇〇おはよう。朝ごはんできてるよ」

○「お、あざーす」


俺の母さん。俺が小学校に上がる時に父親と離婚して以来、俺のことを女手一つで育ててくれている。
今の俺のたった1人の家族だ。


○母「そういえば今日この前言ってた再婚相手の人とその娘さん来るから」

○「はいよー」


へ?


○「は!?なにそれ!?聞いてないよ!」

○母「え?言ってなかったっけ?」

○「聞いてない!初耳!」

○母「ありゃ、完全に言ったつもりになってたわ。
でもまあ、そういうことだから」


前言撤回。たった今家族が2人増えました。


○「え、いつ来んの!?」

○母「今日の夕方。〇〇が帰ってくる頃かな」

○「おいまじかよ」

○母「今日から一緒に住むんだからちゃんと挨拶しなさいよ」

○「急すぎるだろ…」


…ん?今なんて言った?


○「…ん?今なんて言った?」

○母「だから、今日から一緒に住むの」

○「は!?住むの!?今日から!?」

○母「だからこれも前に…言ってなかったね」

○「おいおいおいおい」


この母親やべえっすわ。何もかもが急すぎる。


○母「ほら驚いてないで、早く行かないと遅刻するよ。」

○「誰のせいだと…」


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もやもやした気持ちのまま大学に向かうが、
やっぱり頭の中は今朝のことでいっぱいで講義の内容はまるで頭に入らなかった。

しかし、そのおかげか今日はとんでもないスピードで1日が終わった。


○「ただいまー」

○母「おかえり。もうすぐあっちも着くみたいだから」

○「いや、何もかもが急すぎるのよ。あんた今何言ってるか自分でわかって…」


ピンポーン


○母「あ、着いたみたいね。〇〇ちゃんと挨拶するのよ?」

○「全然聞いてねえし…」


マイペースすぎる母親に呆れながら母の背中を追って玄関に向かう。


○母「早かったのね」

?父「いやぁ、思ったより近かったからね」

○母「あ、こっち息子の〇〇ね。ほら、〇〇挨拶しなさい」

〇〇「あ、どうも、はじめまして」

?父「君が〇〇くんか。久保××です。
今日からよろしくね。」

〇〇「よろしくお願いします…」

?父「ほら、??も挨拶しなさい」


そういえば娘さんもいるって言ってたな…
どんな子なんだろ。仲良くなれそうな子ならいいけど…


「久保史緒里です…」





○「まじかよ…」


姉と紹介されてどんな子だろうと思っていた
俺の目の前にいたのは

半年前に別れたはずの元カノだった。


to be continued...

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