元カノが突然家族になったんですが!? #8
○「すげぇでけえ…」
〇〇は史緒里からもらったチケットを片手にライブ会場に来ていた。
○「こんなでかいステージに立つんだもんな…やっぱ史緒里すげえな…」
席に着くと周りには久保史緒里と書いたタオルを首から下げた人がたくさん目に入る。
○「すっげぇ…こんな沢山の人から応援されてんのか…」
史緒里が応援されているのを見て自分のことのように嬉しく感じていると、
Overtureが流れ始めいよいよライブがスタートする。
○「お、始まりそう」
次々と出てくるメンバーの中から史緒里を探す。
○「いた!史緒里〜!」
ついさっき物販で買った久保史緒里と名前が入ったタオルを掲げる。
史「あっ!」
史緒里は〇〇を見つけると手を振り、ウィンクを飛ばした。
○「ぐっ…なんという破壊力…」
その後も史緒里を目で追い、他のお客さんに混じりコールに挑戦したりと楽しんでいると…
○「あれ…」
一際目を引くメンバーがいた…
○「あれ誰だろ…」
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ライブも終わり、〇〇は規制退場するお客さんに混じって会場から出るとLINEを開く。
○L「お疲れ様。」
史L「ありがとう!しっかり〇〇見つけたよ!」
○L「帰ってご飯用意しとくね」
史L「ちょっと待って!一緒に帰ろうよ!」
え、一緒に帰る?そんなこと言ったってどうやって…
史L「もう出ちゃった?」
○L「もう出ちゃったね」
史L「じゃあ近くにいるスタッフさんに声かけて関係者入り口から通してもらって!」
え、そんな無茶な…
と困惑しながらもSTAFFと書かれたTシャツを着た人に声をかける。
○「すみません…関係者入り口ってどこかわかりますかね?」
S「関係者の方ですか?」
○「一応久保史緒里の弟です」
S「ご家族の方でしたか。チケットを確認いたします。」
〇〇は史緒里から渡されたチケットを見せる。
S「ありがとうございます。確認が取れましたのでご案内いたします。」
○「ありがとうございます。」
そう言い歩き出すスタッフに着いて行き、
「関係者以外立ち入り禁止」と書かれたドアを抜けるとそこには
史「あ!〇〇いた!」
史緒里が〇〇を見つけ駆け寄ってくる。
○「あーよかったやっと知ってる顔に会えた」
史「何緊張してんの?笑」
○「そりゃ緊張するでしょ。こんなとこ初めて入ったんだから」
史「まあそれもそっか」
?「あー!!〇〇くんだ!」
○「へ?」
史「うわ、山じゃん」
山「うわって何よ!かわいいかわいい美月ちゃんのご登場だよ?」
史「呼んでない」
○「お久しぶりです山下さん」
山「敬語!」
○「あ、ごめん」
史「…もう!」
○「ごめんごめん」
○「史緒里ライブお疲れ様。すごいかっこよかったよ」
史「ほんと?」
○「うん。一番輝いてた!」
史「え〜そんな褒めすぎだよ〜」
照れてる!かわいい!ライブ中のかっこいい史緒里もいいけど、素のかわいい史緒里もいい!!
山「私は!?私は!?」
○「え、あぁ山下さんもよかったよ!」
山「なんか私だけ適当じゃない?」
○「いや、そんなことはないけど…」
史「〇〇は私しか見えてなかったんですぅ〜」
山「いやいや、ちゃんと私のことも見てました!」
○「まあまあ、喧嘩しないの」
山「ちぇ!」
史「勝ったな」
山「なにぃ!?」
○「こら史緒里。煽らない。」
史「はーい…」
山「ねえ他に気になる人とかいなかったの?」
○「ん〜史緒里ばっか見てたからなぁ…」
だが一人、印象に残ってる人がいた。
○「身長高くてすらっとしてる人?やっぱ身長高いからかな?目立ってたね」
史「梅かな?」
○「梅?」
山「ほら、あそこにいる子」
美月が指差す方向には一人ライブ動画を真剣に見ている女性がいた。
○「あの人…」
山「うめー!!」
○「ちょっ!呼ぶな!」
史「いいじゃん!自慢の彼氏紹介しちゃお!」
史緒里よ。いつから俺は彼氏の座に返り咲いたのだ。
梅「なに〜?」
こちらに歩いてくる「梅」と呼ばれた人。
すらっとしていてパッと見たら俺より身長が高く見える。
山「〇〇くんがね!梅よかったって!」
梅「えっと…この人?」
史「私の彼氏の〇〇です!」
だからいつから俺は彼氏の座に…
山「弟でしょ!」
ナイスフォロー山下さん。
梅「あ、君が噂の…」
おい史緒里。あんたは一体何人に俺のことを話しているんだ。
○「史緒里の弟の久保〇〇です。」
梅「〇〇さん…」
史「〇〇が梅身長高いね!目立ってたねって!」
梅「そうなんですね。ありがとうございます」
○「いえいえ、こちらこそ楽しませていただいてありがとうございました。」
?「あー!〇〇だー」
○「今度は誰!」
蓮「え、忘れたの?ひどくない?」
○「なんだ蓮加かよ」
蓮「なんだってなにさ」
山「え!なんか距離近くない!?呼び捨てだし!」
史「そうだよ!いつそんな仲良くなったの!?」
蓮「ふふん、この前家行った時にLINE交換してたからね!」
山「え!知らなかった!ずる!」
史「え、え、私も聞いてない!」
○「ごめん…」
蓮「いいだろ〜」
史「いいもん私一緒に暮らしてるし!」
山「うわ出た!姉弟マウント!」
○「ほらほらだから喧嘩しないの」
梅「ふふっ、なんだか〇〇さんの方がお兄ちゃんみたいですね笑」
○「僕末っ子なんですけどね笑」
史「姉は私だからね!!」
○「もうそういうことでいいよ笑」
史「ほら!見たか!これが姉弟愛だよ!」
山「ぐぬぬぬ…」
○「ほら、もう帰るよ」
史「あーちょっと待ってよ!じゃ、みんなお疲れ様!じゃあね!」
○「梅さんもありがとうございました。」
梅「いえいえ私は何もしてないので」
山「〇〇くん!私もLINE!」
蓮「〇〇!LINE返せよー!」
○「はいはいじゃあね〜」
〇〇は挨拶を済ませ、史緒里と帰路に着いた。
山「私もLINE〜!!」
to be continued…