【ネタバレありの名言録】鋼の錬金術師 ゾルフ・J・キンブリー
ゾルフ・J・キンブリーは鋼の錬金術師に登場する紅蓮の錬金術師の異名を持つ凄腕錬金術師で、ホムンクルスサイドとしてエド達に立ち向かってきます。
私はキンブリーを絶妙な強敵だと思ってます。
錬金術師としての絶大な強さと洞察力は作中トップクラス。
その破壊力はエドも一同死に目に遭うほどの危機を迎えます。
そんなキンブリーのこの発言を紹介します。
これはキンブリー、というかプライドに取り込まれたキンブリーの魂がプライドに向けて放った言葉です。
プライドはお父様の本懐を成し遂げるために瀕死の状態となっており、エドの体に乗り移ろうとしますが、その行いを是としないキンブリーによって阻まれてしまいます。
そして、エドによって頭を掴まれた時に殺される、と思ったが、キンブリーは否定します。
今更語るまでもないですが、エドは凄く優しい主人公です。悪く言えば非情になりきれないとも言えますが、その優しさが仇となって自身の危機を迎えてしまうことがありました。
戦闘狂のキンブリーとしては、自身を抹殺せず生かした上で作戦を進めようとするエド達が理解できなかったのだと思います。
事実、先述の通り、エドはキンブリーによって生死を彷徨う致命傷を受けてしまいます。
しかし、キンブリーは、悲しいまでに優しく、誰かを思いやる不思議な男がエドワード・エルリックなのだと理解し、納得します。
そこには一種の敬意、いや、奇異と敬意が混じったような眼差しがあったのではと思います。
その後、プライドは、自身の魂を賢者の石に錬成して侵入してきたエドによって容れ物を破壊されて、本体である赤子のみにされます。
殺さずを貫くためにそこまでするか!と私は思ってしまいましたが、その後のセリムを見て、エドは間違っていなかったのだと思うようになりました。
エドはまっすぐで強気なイメージがありますが、1番の魅力はこの優しさだと私は思います。
このエドの優しさを我々に伝えてくれたのが、敵であるキンブリーというのも荒川作品の粋なところだと思います。