新型コロナウイルス対策で迎えるかもしれない「アフターコロナ世界」における共産主義の社会
これもツイッターで連続ツイートした話なんですが、noteで加筆修正してまとめておきます。
まさか新型コロナウイルス問題によってベーシックインカムが導入される可能性が本格的に高まるとはね。世の中なにがあるかわかったもんじゃないです。資本主義の世界一の大国、アメリカですらですよ!?
人間が生きるのに必要な「衣食住」を最低限、無条件で賄うのがベーシックインカムと言えます。自分はBI(ベーシックインカム)推進派をずっとやってきて、その給付以上に豊かな生活を送りたければ、それは各自の責任でがんばるべきだろうとも言ってきました。
BIで最低限の生活は保証されるから、食って寝てという生活を送ることもできる。だが普通の人ならもっと豊かな、あれこれ買ったり遊んだりする生活をしたいと思うだろうから、そういうものは各自の努力でがんばって働いて得られる社会ということです。
だけどこれまでの社会は、そういう豊かさを生み出すもの、今の新型コロナウイルス騒動で大変な社会において「不要不急」と言って切り捨てられるものに従事しないと生きられない人がたくさんいた。でもそれは感染が広がるからするなと言われるようになった。つまるところ、今の社会の本当に多くの部分が、実は生存とは関係ない不要不急で構成されていて、でもそれが社会の豊かさや余裕を生み出していたこと、それらが分配にあずかる口実作りになっていたことも、はっきりしてしまったわけです。
その「不要不急」に従事して賃金や収入を得ないと、「働かざる者食うべからず」と言って自己責任論のもとに切り捨てようとしてきた、それが今までの社会です。
実際はそれら不要不急の大小が、いわゆる格差問題の大半と言っても過言ではないでしょう。毎日を生きるのに精一杯の人と、金持ちの何が違うか? 金持ちはたしかに衣食住も豊か(大きな家に住み、いいものを食べ、ふかふかのベッドで寝る)という違いもあるにはあるけど、胃に入るご飯の量はそんなに変わらないわけです。ご飯の量が絶対的に少ないのは一般的に、格差問題ではなく貧困問題と言われます。
よろしければ参考までにこちらをどうぞ。
感染を広げないために家にいろ(stay home)となると、その不要不急の豊かさが、ほぼ全てなくなります。演劇を見に行くこともできない。ホームパーティーも出来ない。社交的なものがなくなり、金持ちであってもそのへんの大衆との格差を「自慢」する機会も失われます。
不要不急な産業で収入を得てる人はそれが失われることで、必要緊急な衣食住さえ奪われつつある。それがたとえばさいたまスーパーアリーナで強行開催された「K-1」問題につながるわけです。
それらを絶対的に禁止するのであれば、不要不急な行為を介さず、農家などから直接、衣食住を渡すしかない。この仲介をベーシックインカムの金銭が果たすことになります。
だけどイギリスはこれから春を迎え、農業を始める時期だし、漁業や工場稼働もしなきゃいけないでしょう。あと、それを運ぶ人と売る店。それらの人たちだけ働き、あとはみんなBIで生きる社会ってことになるのでしょうか? なんと原始共産的な。誰がこんな事態を予想したでしょうか? いくら自分でもここまで想定してBIを考えたことはなかったです。
極端に言えば衣食住・生活必需品生産に携わる人以外誰もが自宅に縛られ、BIによって衣食住など生活必需品だけを与えられ、ネットだけで外とつながるという極めてSF的な共産主義社会が到来することになります。生活必需品にはネット関連の機器も当然入るでしょう。
外を歩けるのは資格のある人間のみ、そうでない者は全て在宅で、他人と交流するのはネットだけ。VRが一気に広まる? こんなの完全にSFのストーリーですよ。現実が空想を一気に上書きしつつある。映画「マトリックス」で機械に栄養チューブ繋がれた生活が現実になるのと同じことですよ?
だけど「生活必需品関連」の労働者と言っても、相当数います。農業漁業はもとより、医療、工場、運搬、あとなんだろう……ともかくそれなりにいる。それらの人はみな、感染予防を徹底して、「家にいろ」の「無用者(後述)」たちのために労働を強いられることになる。これはこれで不満が出そうです。
そうなるとそれらの従事者だけ働き続けるのは不公平だという意見が、双方から出てくるでしょう。世の中には働いて他人と交わりたい人だって居ますからね
いずれ在宅BI者たちも国家に仕事を割り当てられ、交代でするようになるかもしれません。これ、完全に共産主義じゃないですか。そのかたわら、在宅プログラマーたちのテレワークで、シンギュラリティを目指すAIが作られていくことになります。
「技術的失業」という考え方があります。技術の進歩で、たとえば自動運転が広まるとトラックドライバーは仕事を失われる、というようなものです。自分はこれが今後どんどん進展していき、人は仕事をAIや機械に奪われ、最終的にはほぼ全ての労働が機械に奪われる社会が来る。そしていずれは人類を完全に超えるAIが誕生する、それがシンギュラリティ(技術的特異点)への到達です。
その時もはや「生産性」において用無しになった人類(『サピエンス全史』で有名なユヴァル・ノア・ハラリが言うところの「無用者階級」)をどういう名目でAIは生かし続けるのか? それが問題になるとツイッターなどで訴えてきました。
ですが現実にはどうも「AIが人の仕事を奪う前に、新型コロナウイルスが奪う」ことになりそうです。特に第三次産業。第一次、第二次の機械化はまだまだで、そこには最低限の労働者が必要とされる。多くの人をそこに入れると感染が広まっちゃうから管理も厳重にしないとならんので、多くはBIで生きるだけになります。
あと極端に言うと……恋愛して結婚して子作りする機会はどこに行く? それができなきゃ人類は少子化以前に絶滅です。こんな社会、遅かれ早かれ崩壊しますよ。BIはやはり最低限度の生活を守るものにすぎない存在でなければいけないと自分は思います。それ以上のプラスアルファを各自の努力で得る機会のない社会におけるBIなんて、もうなにがなんだかよくわかりませんよ。(最終的にAI・機械が全ての労働を人間から奪ったら、また別。そうなったら人間は遊んで暮らす以外にすることが無くなります。その時は人類の存在意義自体が問われ、おそらく最終的には人類は滅亡し、未来はAIなど「新たな知能を持つモノたち」に引き継がれることになると、自分は考えています)
ですがそういう生きがいを得られる社会をどう実現するか、取り戻すか、なっていくか、今の自分には皆目見当がつきません。「現実」というものがまさかここまで急速にSF的な様相を呈してくるなど、去年までの誰が考えていたことでしょうか?
こうなるとともかく社会システムが「アフターコロナ」「コロナ継続中」社会に合うように変化するまで、つまりはBIが支給されるようになるまで、なんとか生き延びなければなりません。人によっては貯金取り崩しでしょうし、生活保護かもしれない。ですがどれであれ、第三次産業が壊滅し、それらに関係していた人たちをどう処遇していくのかが決まるまで、死にたくない人はなんとかしないといけない事態になってしまったわけです。
集団免疫? 国全体のグリーンゾーン化? それらを達成することで昔ながらの生活を送れるようになる可能性もあるにはありますが、それまでにいったいどれだけの月日を必要とするのか? 今はともかく「生きる」ことを最優先にするしかないようです。後のことは生き延びてから考えるしかないのでしょう。頭のいい人はいろいろ布石を打ってるんでしょうけど……自分にはさっぱり思いつきません。
以下、とくに本文はありません。もしよろしければ投げ銭などいただけると幸いです。自分はフリーランス的な仕事をしてるのですが、コロナ問題発生以降、仕事がゼロになってしまいました。本当に困ってます。どうぞよろしくお願いします。
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